遊んだフリーゲームの記録20:ティラノゲームフェス編2 その世界観好き
自分がプレイしたゲームの感想というより個人的な記録です。
ゲームの簡単な概要と私個人の感想をネタバレ無しで綴っています。
ゲームを批評する目的ではなく、
読んだ方にとって、自分に合う作品かを調べたり
まだ見ぬゲームと出会う一助になれたらいいという物です。
今回は、その作者様の世界観に惹かれた作品集です。
サムネで惹かれたりゲームの説明文で惹かれたり、・・もう色々。
うまく説明できないので自分でもこの括りが何とも言えないのですが、
平たく言うと「サムネや概要欄でプレイを決めた作品」ということで。
※プレイの際は作品ページに書いてある注意事項及び利用規約を必ずご確認ください
※今回掲載したゲームの作者様へ
この記事内容への訂正・削除等何か要望がありましたら
お手数ですが
・この記事のコメント欄 か
・プロフにかかれている個人サイトの連絡先までお願いします
(Xでよければ @nonossanoです)
『コラージュ』
悲しみを切り貼りして・・
現実は白い。白い、白い、真っ白な、空白。
なら、現実を夢で敷き詰めたら素敵な現実になるのだろうか。
…………………そうすると、なぜか、とても、悲しい気持ちになる。
【あらすじ】
今日は12月25日。
両親が帰ってくる前にクリスマスの準備をしないと。
赤いワイン、手作りのリース、妹へのプレゼント。
家族が待っている、早くしなくちゃ!
【注意】
点滅、音量にご注意ください。
精神が弱っている方はプレイしないでください。
■作者 古代兵器オニオン様
■プレイ時間:1周5~10分 トータル30分
■ゲームの概要
・ジャンル:ノベルゲーム
・ED数 1
・R-15指定作品です
概要欄並びにゲーム開始時にも注意書きがありますので、プレイを始める前に必ずご確認ください
ゲームの導入:
12月25日、今日はお父さんとお母さんが帰ってくる日じゃないか。
年に一度家族全員が集まって祝う日、クリスマス。
両親は外で働いていて家をほぼ空けている。だから今日は僕と妹のマリの二人でクリスマスの準備をしなくちゃいけない。
感想
サムネの雰囲気が好きでプレイを決めた作品です。どんなゲームなんだろうと概要欄と次のサンプル画を見たときの「おや?」という感じが・・・
その要素抜きにしても、綺麗な画像だと私は思いました。
ゲーム画像の一つ一つにこの作品名である「コラージュ」の色が散りばめられていて、背景自体が1つの作品のような印象で進めていくのが楽しかったです。
シナリオの内容は、
兄である主人公がクリスマスの為にワインを買いに行ったり、リースの材料を採りに行ったり、妹へのブローチを買いに行ったりするお話・・
なだけなら作者様がこんな注意喚起文出すわけないのです。
そういう「たのしいクリスマス」なお話ではない?ということですね。
どのルートに行っても初周からその片鱗が見えてくるので、"そういうの"が目当ての方は「楽しい」ですよ。
作品の概要欄にも記載してありますが、基本的に1本道です。しかし、何度も「start」でやり直すことで何か変わるかもしれません。
もっと深く知りたい方は、最後までやり直し続けてみてください。
美しいコラージュと秘められた真実の世界に浸りたい方は是非
『来たりてモグモグ』
あなたはたた、「差し出す」ものを選ぶだけ
あなたの前に『』があらわれました!
なんかくれって言ってるので、あげましょう。
あげるとゲームが壊れます(たまに)。
あげちゃいけないものをあげると、ゲームが終わらなくなります。
でも、5つのうち4つはあげないとダメなのです。
何をあげるか、何をあげないか、
ーーーとか難しく考えずにとりあえず遊んでみて。
(>▽<)ノシ
■作者 GrutinP様
■プレイ時間:15分 コンプ30分
■ゲームの概要
・ジャンル:ある意味脱出ゲーム
・ED数:2
・バッジ機能あり
ゲームの導入:
差し出せるものは「記憶」「名前」「音」「文字」「色」
あなたはそのうちの1つしか持ってデラレナイとしたら?
何を残しますか?
感想
作者様のPV動画をみてそのうちプレイしたいなって思っていた作品です。
ゲームの内容は極めてシンプルで
ガイド役に何をあげるか問われて「現実」「名前」「音響」「言語」「色彩」のどれかを選んで差し出していきます。
差し出す=もぐもぐ なので もぐもぐされたら当然・・・ってことですね。
5つのうち4つを差し出すとゲームクリアとなります。
システム内部に干渉する仕様だったり、とある物を失ってもどこかの場所にヒントが隠されていたり、名前決定の時にネタが仕組まれていたり、と
短編ながらも魅力的な時間が味わえる作品です。
物語を読み進める系ではなく、皆さんがどれを残すか実際のゲームの中で考えていただくのがこのゲームの主題だと思うのでこれ以上内容についてここで語ることはありません。
私自身、彼女?の言うことにわりと近い価値観だったので、差し出した後の問答も「そう、それね。わかる」と共感したり、哲学的思考が楽しかったりしました。あと時たま見せる彼女のどや顔が好き。
ここから以下は私のプレイスタイルのお話でも。
現実でも差し出すの?と言われたら一応全部必要です。が、まあ割と現実でも近い感じかも。
私の初回時に残ったのは言語でした。(おススメって言われたけど)
「名前」と「現実」はまずもぐもぐされてもいいかなんて思ったし、
「音」と「色」がもぐもぐされたら、まあ寂しいけどもぐもぐされるよって言われたらそれも仕方ないなって。
ということで私の場合は、優先順位が 言語>色彩>音>現実>名前、なんだなって自分で自分の思考を振り返ってました。
自分ならどれを残したいか・・考えてみる機会になるゲームです。
『帰省幹線が渋滞している場合(ゲーム)』
なんともいえない兄弟の距離感が良い沈黙のお話
帰省中の兄弟が渋滞に巻き込まれて雑談するしかないだけのゲーム
// 登場人物 //
・城口海里 28歳 男性 会社員
気さくで面倒見が良い。運転中に歌うタイプ。
・城口凪沙 20歳 男性 美大生
素直で誠実。耳が聴こえない。乗り物酔いがキツい。
■作者 6号/善処 様
■プレイ時間:15分くらい
■ゲームの概要
・ジャンル:ノベルゲーム
・ED:1
ゲームの導入:
夏季休暇2日目・・・
自分と同じく夏休みである弟の凪沙を拾って一緒に実家に帰る途中、なんと高速が渋滞で止まってしまっていた。
ラジオの情報によるとこの渋滞はどうやら事故によるものでもうしばらくかかるらしい。
・・・会話するにはもってこいの時間なのに、話したいことが浮かばない。さてどうしたものか。
感想
サムネとゲームタイトルのセンスに惹かれた作品ですね。渋滞の車内で雑談するだけって説明も気になるなあと。
作品の説明欄にありますが、「選んだ選択肢から広がる雑談を楽しむゲーム」となっています。EDはどの選択をしても1つだけなので道中にいくつかある話題の選択肢の中から切り出す話題を選ぶという作りのゲームですね。
このゲームの好きな部分をうまく例えられなくて申し訳ないのですが、
この兄弟がお互いの事なんでも知ってるみたいな関係ではないので、車内空間も微妙な空気なところ・・・ですかね。
なんか渋滞の中妙に気まずい・・・というその気まずさが、会話の1つ1つから読み解れる文章なのがすごく好きです。
かといって両者よそよそしいのではなくて、お互いの苦手なことや性格は理解し合っているし思い合っている・・という。
離れて暮らしていた分お互いの知らない世界もあって近況報告し合うことでちょっと驚くっていう、帰省したときの「あの感じ」をこの短編で表現できているのがすごいなって思いました。
何気ない兄弟の何気ない一瞬の思い出に触れたい、そんな方にお勧めです。
『絨毯と炭酸水』
炭酸水でしゅわしゅわな会話をするADV
「無口なあなたに必要なのは、キリリと冷たい飲み物です」
色を求め続ける王様から世界の色を守るため、色の戦士達を飲み物で説得するノベルゲーム。
■あらすじ
口数の少ない大学生みすみねはある日、絨毯に炭酸水をこぼしてしまう。
すると何故か絨毯の中に足が沈んでいき、気がつくと謎の世界に迷い込んでいた。
そこで出会った「白の戦士」と名乗るひよこのような生き物に、世界の色を守るため色の戦士たちを説得して連れてくるように頼まれる。
個性的でワガママな色の戦士たちと時にチグハグな会話を交わしながら、なんとか会話を続けていくみすみね。
様々な色の世界に住む戦士たちに会いにいく途中、みすみねはなぜだか数少ない話し相手である友人の事を思い返していた。
■作者 さんろっく様
■プレイ時間:1時間程度
■ゲームの概要
・ジャンル:ノベルゲーム
・ED数:2
・バッジ機能あり
・攻略ページあり
ゲームの導入:
突然異世界に飛ばされてしまったみすみね。
飛んだ先の世界で出会った"白の戦士"が言うには、「あの方」によって色んな世界の色が奪われているのだという。もし「あの方」に負けてしまったら、みすみねのいた現実の世界でも色彩が無くなり白と黒の世界になってしまう。
「あの方」を倒すには他の世界にいる「色の戦士」を集め対抗するしかない。戦士たちが「あの方」との戦いに参加してくれるよう説得を試みようとするみすみねであったが、悲しいことにみすみねは口下手であった。
無口なみすみねでも戦士たちとの会話が弾むようにと、白い戦士はとある飲み物を差し出すのだった___
感想
飲み物(炭酸水)で会話するってなんだろうっと気になってた作品です。あと、ゲーム全体の色合いや絵のタッチが個人的にすごく好きですね。
飲み物がおいしそう・・だなって・・・。
このゲームは事前にどの対話スタイルでいくかを想定し、会話デッキならぬ「飲み物デッキ」を用いて、説得相手の会話に対しての反応を選んでいくというシステムになっています。
「聞き流す炭酸水」「褒めるレモンソーダ」「意見するメロンソーダ」
「肯定するコーラ」「否定するストロベリーソーダ」
これらの中から事前に5つ選び(重複OK)、色の戦士への応対として1つずつ使っていきます。
良い印象の飲み物を出しつづければ高評価となりクリア。良くない反応の飲み物があると戦士が会話に飽きてしまうなど説得に失敗してやり直しになります。
再チャレンジもやりやすくなっていますし、各戦士への応対のヒント(具体的な)はありますので、詰まるということはないかと。
このゲームの個人的に好きなところは、リアルの会話みたいに困る部分があることとベストな選択以外の会話も楽しいことかなと。
初回プレイの時は、「ああ今肯定したいのにコーラが足りない・・」とか「褒める1つあるけど、これどこで使おう?」など、思った通りの会話展開になるようなならないようなで返答に悩む感じでした。私は元々人との会話が大の苦手なので余計に難しく・・・。
ゲーム内で言及されるヒントに沿った選択をすればもちろんクリアはできるのですが、あえてヒント内容と違う飲み物を出したりするとそれはそれで戦士たちの反応が変わるのでその違いを見るのも楽しかったです。
各戦士の話題が一面的な善悪のジャッジではなく哲学的なテーマだったりするのも「明確な答えが無い」普段の現実での会話感があって好きでした。
シナリオは概ね可愛いファンタジーですが時折ほんの少しの苦い部分とそれに寄り添う優しさを感じるような、誰かの心にそっと触れるあたたかい作品です。
可愛い世界観の中ちょっぴりシビアな会話を楽しみたい方にお勧めのゲームです。
同じ作者様のこちらのゲームもフェス参加作です。
『チョコサンデーへの約2時間』
すぅひらぎ氏の一日をsweet(キラキラ?)とbitter(もやもや?)の両方の視点から楽しむ短編エッセイ作品です。
『絨毯と炭酸水』が気に入った方はこちらの作品もおススメです。
『Black emotion(ブラック エモーション)』
黒い感情の正体を追う短編ADV
20XX年、人類は感情を「色」で識別するようになった。
全ての色を白黒で見る代わりに、感情のみを「色」として認識するようになった。
その研究員、及び事後経過観察員のあなたは政府から一通の調査依頼書を貰った。
「前例のない「黒色の感情」を見たと報告が上がっているので調査、研究をしてほしい。」とのことだ。
その「黒色の感情」についての研究をとある女性と共に任された。
■作者 アサギ様
■プレイ時間:15分~30分
■ゲームの概要
・ジャンル:ノベルゲーム
・ED数:3
・バッジ機能あり
・攻略ページあり
また作者様からの以下の注意があります。プレイ前にご確認ください。
この作品には「殺人」がありますがそれらを助長、推奨するものではありません。
脅かし要素が含まれますのでご注意ください。
各エンディングは後味が悪いです、スッキリするゲームをお求めの場合はプレイをお控えください。
ゲームの導入:
「人類感情色素計画」・・・
とある注射を投与することで、人の感情にだけ色を認識できるようになり
嬉しいときはオレンジ、悲しいときは水色、恨み妬みは紫、怒りは赤色というように本人の体の色が感情によって変化したように見える。その色を読み取ることにより他者の感情を把握できるようになるというものである。
日本もこの計画を実施し、計画発足後5年で国民のほとんどが感情を色で識別できるようになった。
主人公は「人類感情色素計画」において注射後の経過観察及び研究員である。__ここのところ「黒色」の人間の報告が相次いているらしく、主人公は「黒色」についての調査を政府から依頼されるのだが
感想
感情を色に変換し視認できるシステム・・どんなお話になるのか惹かれましたね。タイトル画面の人物のカラーがすごく印象に残っていました。カラフルで綺麗に見えるけど、なんかちょっと不気味?機械的?な印象も少し混じっているような・・・私にはそんな風に見えました。
作中の画像が一部を除きほとんどモノクロなので、人類感情色素計画に参加した人間の視点になっていて良かったです。
そして人物たちの感情が高ぶれば「色」が見える・・・とプレイ中に疑似体験できる演出になっているのも素晴らしかったです。
人の感情が見えたら・・って誰もが1度は考えるかもしれないことですが、実際に色という視覚で判別出来たらどうなるのだろう、というリアリティのある表現が光る作品でした。
EDは3種です。ゲーム側からセーブを促されるときはそこでのセーブを残しておくと全部のEDを見るのが楽になるかなと思います。
シナリオに関して少し触れると、
「黒色の感情」の正体を調査していく中で、主人公と今回のペアになった経過観察員の藍田愛花<あいだまなか>との関係がオレンジ(喜び)に染まっていきますが・・人の感情はオレンジだけとは限らないわけでして。
そういう「変化」をテキストだけでなく見える形でも表現しているので、今この人はどういう感情なのかがはっきり伝わることの恐怖もありました。
作者様の注意文にもあるように、どのEDも重い物をしょい込む形になります。「感情」という代物は決して特別なものでも自分とは無関係と決め込めるものでもなく、人ならだれもが同じように持ち合わせている物である、ということが垣間見える内容になっているのが好きでした。
SF×ミステリー要素のある短編ノベルが好きな方にお勧めです。
『マッチョ・ピッツァ・フィアーバ』
勢い全開ノベル好きな方必見のマッチョの友情
利益率1%──ピッツァ屋経営に挑め。
【ゲーム紹介】
古民家カフェをあっという間に潰したリベンジに……次は商店街(シャッター多め)でピッツァ屋さんを経営するぞ!!
ドタバタ3人が巨大ショッピングモールに挑んだり、怪しい村に伝説の素材を採ってきたりするぞ!!
スタッフに最低賃金を支払えるようにマッチョがんばえー!
■作者 金魚ぱくぱく様
■プレイ時間:全2ルート 1ルート15分から20分
■ゲームの概要
・ED数 :2
・Rー15指定のゲームです
ゲームの導入:
「また借金をして、商店街にピッツァ屋を作るぞ!」
「マンミ~~ア!!!」
感想
ノベコレの新着ポストのサムネイルみただけで「あの作者様だろうな」とわかる。それくらいハマる人には極めて常習性のある「あーやっぱりこれだよ、これこれ」な地元のラーメンを提供してくれる作者様のゲームですね。
のっけから飛ばしてきます。
話の内容は・・・説明いりますかね?マッチョとピッツァ!これだけ知っていればOK!!
このサムネのナイスガイたちがピザ屋を経営していくことになりますが、お客さんが増えない・・どうしようって内容です。
ええそうです、勢いフルスロットルなバカコメディノベルです。それがもう気持ちええのです。
なぜこの作品がR-15指定なのかというと多分一部画像で男性の○首が見えているから、でしょうか?血とかダイレクトな性的行為を匂わせる描写シーンなどは無いです。・・下ネタジョークは一部ありますが。
まるでこのゲームを作るために用意されたかのような画像素材たちが生き生きしていて好きです。それに加え作中のテキストも画像の勢いに全く負けてなくて好きです。殴り合ってとても美味しいピッツァになっていますね。
でもマッチョ汗の成分の方がシナリオの比重多いかもしれません。とある選択肢でルートが分岐しますが、どっちもイイハナシダナァ・・・
完全に私得な作品です。こういうのも大好き。
野暮な突っ込みはいらねえ。チャック全開で突っ走るぜってノベルが好きな方にお勧め。
最後に
今回は『その世界観好き』という名の「私個人が好きな雰囲気のゲーム」の紹介でした。
ストーリーのジャンルによる大まかな分類からくる王道の流れを汲むというよりは、各作者様の描きたい世界が伝わってくるような感じ?のする作品なのではないかなって個人的に感じています。
雰囲気だけでお気に入りにしたゲームはたくさんあるのですが、数が多いので今回はここまでということで。
ここまで読んでくださっている皆様にも、フェスの一覧から「自分の感性にピピっと来る」作品との出会いがありますように。
遊ぶゲームを探す時、評価とか数字の前に自分の直感で選ぶのも時に楽しいですよ。ノベコレのゲームはフリーですし。
最後になりましたが、各ゲームの作者様素敵なゲームをありがとうございました。
次は食べ物ゲーにする予定です。今年は食べ物ゲーいっぱいありそうでわくわくしています。
ここまで見ていただきありがとうございました。