遊んだフリーゲームの記録⑭:重たい
自分がプレイしたゲームの感想というより個人的な記録です。
ゲームの簡単な概要と私個人の感想をネタバレ無しで綴っています。
ゲームを批評する目的ではなく、
読んだ方にとって、自分に合う作品かを調べたり
まだ見ぬゲームと出会う一助になれたらいいという物です。
※プレイの際は各作品ページに書いてある注意事項及び利用規約を必ずご確認ください
※今回掲載したゲームの作者様へ
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(Xでよければ @nonossanoです)
『スクールスクル』
少年少女の内なる陰りと差し込む光
■作者 チマヨイ様
■プレイ時間:1周目30分程度 全コンプ1~2時間
■ゲームの概要
・ED数:ED数12+真ED2
・セーブ機能あり
・作品ページに攻略へのリンクあり
・R-15指定のゲームです
注意事項
ゲームの導入:
ここは更生フリースクール「スクル」。今日からあなたはスクルの正式な職員として働くことになりました。
教育係の新島十一からここでのお仕事の説明を受けます。
そして翌日、今からあなたが担当するのは苦味みつきという女の子です。
…彼女はなにやら緊張している様子。
感想
ゲームの説明欄では生徒たちのお話を聞きましょうという内容、しかしサンプル画像をみると…このご時世では見かけない"ぼうりょく”というワードが…。ゲームのビジュアルは色鮮やかでお洒落なのに、なんとも怪しげな雰囲気ですね。
ゲームの内容
5回の行動のうち「話す」か「ぼうりょく」のどちらかを選びその選択によって生徒たちの体力・精神力が変化します。
また生徒それぞれとのやりとりの中での返答でもそれに伴い信頼度も変化していきます。
生徒たちがどんな性格でなにを感じ何を求めているのかを会話から推測することが良い評価を得られるカギになるかと。
シナリオに関して
今回のnoteのテーマである"重い"の部分は、注意書きにあるもの全部です。
注意書きにある内容全部がしっかりと描写されています。青少年だからゆえの悩みともいえるのですが、その度合いは実に重くそして苦しいものです。
このゲームに出てくることは現実で実際に起こっててもおかしくない、というかすでに似たような事件も起きてたりもしている問題でもあるのがとてもやるせなくなりますね。
個人的に良いと思っている部分は、ただ救いがない子供たちの記憶を見て終わるのではなく、スクルの生徒たちがそれぞれ未来に向けて歩き出す方向に送り出すこともできるというのがスクール=教育がテーマのこのゲームらしくていいなと。そして、ぼくりょくという手段を安直にとらえて用いたときの代償も。生徒たちの信頼度で彼彼女らがこちらに向ける言葉が変わるのもキャラたちが自分と真正面から向き合ってくれている感があって好き。
EDの演出が凝っていてどのEDも良いです。でもそれ故に、見たいようなでもそのためには・・・と葛藤することもあるかと。
生徒たちの苦しみや痛みに寄り添える素敵な職員を募集しています。
『やがて君も虎になる。』
すれ違い様の牙
■作者 サークル:アングラ人鳥歌劇展 様
■プレイ時間:15分
■ゲームの概要
・ED数:通常1+特殊2
・EDへのヒントが作品概要欄にあります
・R-15指定のゲームです
注意事項
ゲームの導入:
チャイムの音で目が覚めたリンコは、玄関ドアの向こうにいるエンリこと山月苑李(サンゲツエンリ)を自室に招き入れます。そしてエンリはいつものように自分のカバンからプリントを取り出します。
言うまでもなく、それは学校に行ってないリンコの為でした。
感想
新着欄で見かけた際インパクトのあるタイトル名と画面で印象に残っていた作品です。こういうセンスに憧れたり。
ゲームの内容
私ことリンコの視点で進む一本道のノベルゲームです。選択肢などでの分岐はありませんので、リンコが何を感じているのかその内面がそのまま綴られていきます。
一本道で特殊EDってどういうこと?と思った方は作品の概要欄へ
シナリオに関して
何を言ってもネタバレになりそうなのであまり深くは触れないことにします。誰かと関わって生きるってこういうことでもあるのよなあと全EDみてひとり考えに耽ってました。うまくかみ合わないままそのズレと時間が少しずつ塵積っていく…そんなシナリオです。
タイトルの回収が良かったです、そうですねやがて虎になると。
特殊EDまでじっくり見ても30分くらいで終わると思うので、さくっと拗らせ世界を楽しめ(?)ます。
作品概要欄に作者様が用意してある解説ページへのリンクがあるのでそちらをみるとリンコやエンリらのことがよりわかるかと。
答えも救いもあるのかわからないシナリオが好きな方におすすめです
『出口のない世界で』
あなたの優しさは人を傷つけるという
■作者 聖セロリ様
■プレイ時間:約30分程度
■ゲームの概要
・セーブ機能あり
注意事項
ゲームの導入:
普通の女子高生:秋川怜
普通の主婦:伊ノ原侑理
普通の男子高生:宇野大輝
これはそんな彼らのお話
感想
見るからに重たそうなタイトル画面で記憶に残っています。初めて見た時からサンプル画面2枚目の赤く塗り潰されている部分…めっちゃ気になってました。
私は普段あまりホラーは手を出さないのでにわかな情報ですが、ホラーと一口にいっても、お化けや伝承などのオカルト系と生きてる人間が怖いという人怖系があるそうです。こちらの作品は人怖系のゲームなのでしょうかね。
ゲームの内容
秋川怜・伊ノ原侑理・宇野大輝の3人のお話を順々に聞いていきます。
聞く順番は誰からでも良いと思われるので、自由に選んでよいかと。誰の話を聞くか選ぶこと以外、選択肢のない1本道のノベルゲームですので1本のシナリオをじっくり楽しめます。
演出の一部に画面が怖い感じに一瞬で切り替わるようなものがありますが、自宅のインターフォンでもびっくりしてしまうくらい小心者の私でも大丈夫でした。画面や音の驚かせ描写はほとんどないので苦手な方でも安心してプレイできると思います。シナリオで驚いたり怖くなったりするかもですが
シナリオに関して
プレイ前にこのnoteで得た余計な先入観を持たせたくないので、各シナリオに関してここでは触れないことにしました。ぜひあの3人の話に耳を傾けてみてください。
シーンの演出が凝っていて読み進めるのが楽しかったです。文字だけで進めるときとイラストで映像を見せる部分とでメリハリが効いてて、話し手たちの背後に臨場感がありました。特に最後の展開と演出はよかったですね。
そしてシナリオの内容は総じて重いです。後ろ髪を引かれるような心苦しさとまとわりつく怖さみたいなものを感じる内容です。
人の怖さと「優しさ」に触れたい方にお勧めするゲームです。
またサイドストーリーも公開されています。
こちらは単体でもお話として完結しているのですが、『出口のない世界で』を先にやっておくとより楽しめるかと。合わせてどうぞ。
『Booze-addition』
3日ぶりのこの時間
■作者 maki様
■プレイ時間:10~15分程度
■ゲームの概要:
注意事項
ゲームの導入:
「おかえりなさい」「またお酒?」
お酒を買って家に着いた矢先、今日はママに見つかってしまいました。
自室に戻り買ってきたチューハイのプルタブを開ける青年。彼にとって、この瞬間から自分の時間が始めるような気持になるのです。
…そしてこの後は、話し相手である友達との会話が待っている。
感想
タイトルやサンプル画面から伝わってくる雰囲気が良くて新着欄から即ブクマした作品です。この手のゲームが持つ特有の雰囲気?みたいなものを感じまして。
ゲームの内容
青年の発言に対するあなたのアンサーを選択肢で選んでいくADV形式となっています。
寄り添うニュアンスがより強いと思われる選択肢もそうではない選択肢でも文面が少々つっけんどんな感じなのは…多分わかる人にはわかる。そしてわからない人はそのままでもいい。
ここで青年に投げかける言葉が、優しさを絵にかいたような理想の言葉ではなくてこういう言い回しなのはある意味リアルですごくよかったです。
シナリオに関して
ネタバレの観点からシナリオについてはここでは深く触れませんが、ゲーム説明欄にもある通り”眠れない不安”とそこに随伴する想いがテーマとなっています。眠れなくなったことがある方はこの青年の言葉の中身がより理解できるのではないかなと感じました。
画面の場面転換や登場人物自体は少なくても、文字の送り音などでこのテキストは誰の思考なのかが読み手にすんなり入るように工夫されていて読みやすかったです。
こちらが選べる言葉は所々トゲトゲしてますが、そんな中もしも青年が心を開いてくれたなら…彼自身のことを少し知れるかもしれません。
眠れない辛さとしんどい時に傍で会話してくれる存在にも触れられる、短編ながら奥深い作品です。
最後に
今回はテーマが重いためプレイ中は考える時間が多くなるようなゲームの紹介でした。
最後になりますが各製作者さま、楽しいゲームをありがとうございました。
シリアスな内容のゲームは、現実に近い世界観だからこそ自分と重なる部分もあって…とプレイ中に感情を揺さぶられること多く、こういうタイプのゲームが好きな人も結構いるのでは?と個人的に思っています。なんとなく。
辛さやしんどさ暗さみたいな感情を創作という形にするのってなかなか大変なんじゃないかなと。製作者一人一人のものの捉え方や価値観が少し垣間見えるようなそうでもないような…とにかく、プレイする人によって色んな印象や感想になるゲームっていいですよね。
ここまで見ていただきありがとうございました。