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音読 『感受体のおどり』 第14番
第14番を音読します。
(前半は略) 走井はいそいでいた.なににまにあわなくなるのかといぶかった.
第14番: 物書き(走井・私)
文学の才能とまっすぐな人柄にひかれる友人、走井との休日は、親しいのに、くたびれる。
親しい人とのレジャーなのに、なんか楽しめないとか、アセアセしてしまうとか。ちょっとでも計画通りにならないとイラついてしまうとか。誰にでも思い当たるエピソードが、いつものようにひらがな多めの横書きで記されています。
いま、自分はなにげなく「アセアセ」と書いたのですが、世間に通用する言葉だろうか? と検索をしてみたら、2021年くらいの女子高生のはやり言葉だという話がずいぶん出てくるのです。
そりゃないだろう、私は昔から「アセアセしたー」とか言っている。「焦る・汗が出る」ということが混ざった気持ちのことです。
どちらかというと、世間にはあまり出回っていない言い回しということには違いないようです。
黒田夏子さんは芥川賞受賞記者会見の中で、数年で消えてしまうような言葉は使用したくないとお話ししています。
言葉を略語にしてしまうとか(中略)10年20年で変わってしまう言い回し、言葉はなるべく自分はつかいたくない、そういう意識はかなりはっきりある