「飴色」について考える
蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ DOLLCHESTRA 3rdシングル「Take it over」には表題曲である「Take it over」、「飴色」、そして「KNOT」の3曲とこれらのインスト曲が収録されています。(試聴動画が公開されてから発売まで約1ヶ月、本当に待ち遠しく思ったのは私だけではないはず!)特にTake it overとKNOTはfes×liveやリアルライブでも大好評、蓮ノ空にまた名盤が増えたー!と思いました。
さて今回は、こちらの試聴動画が公開、CDが発売されてそろそろ1年経つということで、ずっと考えてた「飴色」について自分の考えをまとめました。
個人の感想、解釈が含まれます。必ずこれで間違いない!と言いたいわけではないので、「こう考えた人もいるんだな」程度で読んでいただけると幸いです。
「飴色」は夕霧綴理の過去を描いた曲
Take it overの収録曲は前述した通り
①Take it over
②飴色
③KNOT
の3曲となっております。
私はそれぞれ
①Take it over = 現在(綴理2年生)
②飴色 = 過去(綴理1年生)
③KNOT = 未来(さやかとのこれからの活動)
を表していると考えています。
Take it over では歌詞の節々に「今」という単語が強調されています。(最後のフレーズ「生きるんだ 今を」がまさに伝えたいこと)
KNOTは「新しく約束をしよう」という歌い出しの通り、綴理がさやかと未来を歩む、ラブライブ!で勝ちに行くと決めた曲です。
現在、未来の曲が収録されたシングルのあと1つが過去についての曲だったら繋がりとしてすごく綺麗だと思いませんか?
また、飴色の歌い出しの「色の褪せた帰り道」というフレーズも過去を連想させるものです。(セピア色の思い出、とよく言うように過去を振り返る際の色として「色褪せた」ものがイメージしやすいと思います)
ここからは飴色=過去の曲、という前提で話を進めていきます。
なぜ曲名が「飴色」なのか?
秋発売のシングルなだけあって、飴色は秋らしい茶色です。この曲の歌詞からは綴理がこの落ち葉を踏みしめながら、誰かと帰り道を歩いている風景が浮かびます。ただ、綴理はその相手に対して何か想いを秘めているのが伝わります。
さて、この相手とは一体誰なのでしょうか?
私がSNSで感想を見ていた限り、やはり相方のさやかへの曲なのでは?という意見が多かったです。(他2ユニットはその傾向が特に強いのでドルケもそう考える人もたくさんでした!多様な解釈たすかる。)
しかし、綴理はさやかと秋を過ごすのは初めてなのです。それなら「色の褪せた帰り道」ではなく黄色い銀杏並木を2人で歩く、新しい思い出として描写されると思います。その色は鮮やかで、「飴色」ではないのです。
やはりこの曲は「過去の秋」を彷彿とさせます。
つまりこの段階でさやかへ向けた曲の可能性は低くなり、その前の年の時点で綴理と知り合った他の人物であると考えます。
私はシングル発売当初、梢に向けての曲なのでは無いだろうかと考えていました。(綴理・梢1年時のラブライブ!の一件があったため。)
しかし、活動記録第13話にて、最有力候補としてある1人の人物が浮上しました。
夕霧綴理をDOLLCHESTRAに誘い、ユニットの相方を務めていた人物、現生徒会長である大賀美沙知という女子生徒が。
沙知はスクールアイドルクラブの元部長で、綴理たちのひとつ上の代の先輩にあたります。しかし蓮ノ空女学院には「生徒会長は部活動に所属できない」ルールがあるため、かなり悩みながらもクラブから去りました。後輩たちには泣きながらの決断だったことを明かさずにいたため、結果的に綴理たちとぎくしゃくしてしまいました。それが判明、仲直りしたのが綴理2年生時の秋のことです。
この活動記録の内容を踏まえて飴色の歌詞を数箇所見てみます。
2番サビ
【飾らない願いは結局隠した 並んで歩く道は未来
こうしてずっとこの時間が続けば良いと思うけれど】
この後に続く言葉は一体何なのでしょうか?
大きくわけて2パターン考えられると思います。
①けれど、『ボクはきっと願いを言わないだろう』→これからの行動に対する予測
②けれど、『ボクは願いを言えなかった』
→過去の行動の振り返り
綴理は沙知とずっと同じ時間を共有したかったけれど沙知はもうクラブを辞めてしまうから、この『飾らない願い』を言えなかったのだと思います。
だから「並んで歩く道(=沙知との未来)」は続かなかった、という②の過去の振り返りがしっくり来ました。
ラスサビ前
【最後にぎゅっと手を握って『また明日』
精一杯だった】
これは綴理が自分の手をぎゅっと握りしめたのでしょうか?
それとも相手の手を握ったのでしょうか?
どちらにしても相手が応える描写が無く、綴理の一方的な想いがあることが伺えます。
過去にユニットを組んでいた相手はクラブを辞めて綴理の手からはすり抜けてしまったけれど、今の相方はKNOTで「描いた未来 幻想なんかじゃない」と綴理の手を掴んでくれるの、最高すぎますね……
最後に、この曲が沙知への曲だと思った決定的なポイントを挙げます。
飴色2番の歌詞です。
【涙も喜びも悩みも分け合えたら
幸せだと思うから 君の名前を呼ぶ】
幸せだと思う = 幸 = 沙知(さち)
という「君の名前」を呼んだのでは?
そしてその大賀美沙知の瞳の色がこちら。
つまり、「飴色」は夕霧綴理から大賀美沙知に向けての曲だと考えました。
1年生の綴理はきっと、沙知先輩に言いたいこと、たくさんの想いがあったのに言えなかったんですね。
これで本当に最後です。これを踏まえて、102期生たちが卒業する沙知先輩へ送った曲「抱きしめる花びら」の歌詞を見てみましょう。
忘れない 優しい微笑み
ありがとう ありがとう
忘れない 熱い瞬き
ありがとう ありがとう
忘れない これからもずっと
ありがとう
ココで重ねてた幾つもの奇跡
君がいてくれて 出逢えたの
大好きだよ。 伝わってるかな
花びら 抱きしめ 歩むよ
最後に言えて良かったね、綴理。
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