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のん金太郎飴映画『私をくいとめて』

2021年1月1日元旦。私は映画館にいました。『私をくいとめて』を観るために――。

感想は大満足の一言。よかったよかった。のんちゃん、超超可愛かった。林遣都の絶妙なおじさん感、ああいう営業マンいるよね~。臼田あさ美ってこんなにいい演技するんだーなどなど。のんと橋本愛が表紙を飾ってる映画秘宝の1月号も買いました。その中でのんのドアップやスローモーション効果の多様から「どこを切ってものんがいる、のん金太郎飴映画だ!」の批評に膝を打ちました。リスペクトを込めてタイトルにしています。

何より、この映画をより楽しむために、あの不動の人気を誇る朝ドラ『あまちゃん』を見始めたという、他の人とは比べようもない気合の入り方(←)。それがなかったら『あまちゃん』は多分見ていなかったです。だって、朝ドラで親友役だった二人が7年ぶりに親友役で共演だなんて、シスターフッド大好き人間からしたら、今、リアルタイムで見ておかなきゃ損だと思うじゃないですか。だから橋本愛と片桐はいりの出演は共演だけで涙涙。

また愛ちゃん演じる皐月は、外国で結婚し妊娠もしていて何不自由ない幸せな人生を歩んでるかと思えば、実は"おひとりさま"。自分のことを救ってくれる(わかってくれる)みつこを待っていた。この展開とキャラクターにユイちゃんと同じ境遇を感じてしまってならないのです。月と太陽だとドラマのセリフで言われていた二人を思い出さずにはいられないのです。

衣装も青と赤でいいですね。

大九明子監督作品は今回が初めて。飛行機の中で文字が宙を漂う演出は、映像だからできることでいいですね。ハラハラしたのは、温泉旅館のセクハラ事件と、多田とのデートシーンでした。笑顔でごまかした過去や男性の恐怖体験は、きっと多くの人が経験していると思います。私は水に流して忘れたことにしました(なかったことにはしてません)が、こうやって映画の中でしっかり描ける。尺もすんごい取ってるけど、このシリアスな展開は他のくすっと笑える場面によって映画(娯楽)としてのバランスが取れていると思いました。大九監督はその塩梅がなんてうまいんでしょう。

公式サイトでみつこの部屋の小物が公開されてるのもよかったです。みつこの部屋、超超かわいい真似したいと思ってたので、なおのこと嬉しかった。映画の小道具、インテリアのページがあるのって珍しい気がします。

『私をくいとめて』は鑑賞者に色々考えさせつつ、気分良く終わり、前向きになれる映画でした。私は元日に"おひとりさま"で観に行ったわけですが、じっくり考えたり浸るなら一人で見たほうがいいかもしれません。それか価値観のあう友達とか。その日は私以外の一人鑑賞も多く、見終わった後周りを見渡して仲間がいると「ふふふ」とちょっと嬉しくなるこの感じは、こっそり家のコーヒー砂糖を舐めた時のような幸福感に似ています。

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