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魅力がある場って?[Footwork & Network vol.23]

2022年は、様々なところへ越境した1年であった。一言で越境と言っても、1回だけ行って終わるところもあれば、何度も足を運びたくなるところもある。その違いはどこにあるのか、何度も行きたくなるところにはどんな魅力が潜んでいるのか。4人との出会いを通して振り返ってみる。

大河内博子さん

7月の初め、鬼丸食堂の手伝いで香川県三豊市へ行った。その時にはじめて博子さんに会った。はじめましてで会ったばかりの博子さんの行動に私は驚いた。三豊市に着くや否や、はじめましての私たちを車で産地直送や三豊市で有名なうどん屋さんへ連れていってくれたのだ。それだけではなく、おすすめのお店を教えてくれたり、朝ラーメンに連れていってくれたりと私たちのためにたくさんの時間を割いてくれた。鬼丸食堂当日には、次の日に朝イチで出張に行かないといけないにも関わらず最後まで鬼丸食堂にいてくれた。これらの行動は全て私たちを想ってしてくれたことで、全く自分の利益になる行動ではない。人のための行動がどれだけパワフルなものか実感した。そして私自身も博子さんのために何か行動をして恩返しをしたいと感じた。

森正裕紀さん

森正さんとは、8月末に森正さんが運営しているポップアップスペースのひがいけポンドで行われたCleanup & Coffee Club(通称CCC)に参加した時に出会った。私がキャストとして携わっているIKEBUKURO LIVING LOOPのスペシャルマーケットと同日開催で行われたひがいけポンドのイベントに私が顔を出した際に、森正さんと交わした会話が印象に残っている。スペシャルマーケットの翌日の朝に、池袋のグリーン大通りでIKEBUKURO LIVING LOOPが主催するCCCが予定されていた。そのCCCに森正さんは「用事があって参加できなさそう」とおっしゃっていた。しかし、翌日の朝グリーン大通りに「次の予定に間に合いそうなので来ました」と森正さんの姿があった。時間を見つけて顔を出してくれたことに喜びを感じた。理由をつけて行かないことはいくらでもできる。しかし、短い時間でも参加することで、距離がグッと近くなる感覚があり、自分自身もまたひがいけポンドに行こうと強く思った。

宮田サラさん

サラさんは、先ほど少し名前の出たIKEBUKURO LIVING LOOP(以下リビングループ)の運営をしていて、私のゼミの先輩である。リビングループに、昨年は当日のボランティアキャストとして参加していて、今年はコアメンバーとして準備段階から一緒にやらせてもらっている。昨年までサラさん1人で行なっていたことを、今年からコアメンバーが分担して行うようになった。コアメンバーは主に学生で、慣れないことが多かったり、学業との兼ね合いからスムーズに進まないことがあったりと、サラさんが1人でやっていた昨年の方がうまくできていたこともあったかもしれない。しかし、サラさんは”まちなかリビングのある日常”というコンセプトの共有だけで、学生がやりたいように任せてくれた。その結果、学生の意見から、今年の新たな試みとして”まちなかリビング展”がリビングループに生まれた。効率だけを求めることが全てではないのだと感じた。

青木純さん

純さんは、IKEBUKURO LIVING LOOPの運営をする株式会社nestの代表である。私の中の運営というイメージを覆してくれたのが、純さんだった。リビングループの準備では、率先して人が足りないところに駆けつけて手伝ってくれたり、重い什器を運んでくれる。リビングループ中は、美味しそうに何かを食べていたり、出店者さんと楽しそうに話をしていたりする姿をよく見かける。運営は運営らしくと思って、ボランティアスタッフとして参加した当初は行動していたが、純さんの姿を見て、自らがリビングループの雰囲気を作ることの大事さに気づいた。自分自身が楽しむことが”まちなかリビングのある日常”を体現することにつながり、リビングループを居心地の良い空間に変えていく、まさに自作自演だと感じた。

4人を振り返ってみると共通して振る舞いに私は魅力を感じていた。また行きたくなるコミュニティには中心になる人がいて、その人の振る舞いがコミュニティの雰囲気を作っているのだ。個人の振る舞いが与える影響の大きさを実感した。2023年もいろいろなところに越境して、魅力を感じる場所や人について自らの言葉で言語化していきたい。

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