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出会い、そして気づき[Footwork & Network vol.21 No.9]

新たな出会いがテーマのFootwork&Network略してF&N。

今年の4月から大学3年生になり、私が所属する長岡ゼミには後輩と同期が増えた。今回はその中の一人であるかのんについて紹介する。


かのんは私と同じ経営学部の3年生。

初めて会ったのは今年の卒業式当日。昨年度の4年生のゼミ生を送り出す際に、新ゼミ生も数人参加していた。その中にかのんもいて、少し言葉のラリーを交わす中で、柔らかい雰囲気の持ち主で笑顔が印象的であったが、特別に強い印象は抱かなかった。

4月からゼミで深く関わるようになり、かのんは珍しい過去の持ち主であることが判明した。大学2年生に進級する際に、理工学部から経営学部に転部したのだ。

理系から文系へ。さらには専門的な分野のイメージがある理工学部から抽象的な分野のイメージがある経営学部へ。私自身、経営学部は「なんでもできそうだから」と選んだことや転部という選択肢が1回も頭によぎった経験がなかったことから、なぜ経営学部に転部を決めたのか深掘りしたくなった。

聞くといくつかの理由が挙がった。

・星や宇宙に興味があり理工学部に入ったが、高校の延長であるかのように計算してばかりで苦痛に感じ、実践の場だと思っていた大学の姿とは異なった
・経営に関する授業を受ける機会があり、理工学部でやっている授業と異なり、実生活に近い学びがあったことに衝撃を受けた
・同じ勉強だとしても経営学に対しては楽しいという感覚が芽生えた

印象的であったのは、話している時の私とかのんの対照的な姿だ。

私は「待って、なんでそう決断したの?」「躊躇はなかった?」などと次から次へと質問が湧いてきて、驚きや好奇心など様々な感情が前面に出ていた。
彼女はそれとは裏腹に淡々と自分のこれまでについて話していた。

一番衝撃的だったのは、最初の質問で「なんで経営学部に転部したの?」と私が聞き、かのんが理由を答えてくれた最後に「転部についてする前もした後もこんなに深く考えたことない」と言ったことだ。

そのときは、転部が大きい決断でもなければ、当たり前のように語るかのんが不思議で仕方なかった。

しかし振り返ってみると、彼女の発言は一貫していることに気づいた。自分の感情や思い描く理想に忠実で、楽しみながら学べる選択をした結果が転部であった。つまり判断基準が外発的ではなく、内発的なのだ。

だからこそ、同じ学部で卒業まで過ごすという一般的に“普通”とされることが、かのんにとっては“選択肢の一つ”であり、それを選ばなかっただけのことだと腑に落ちた。

かのんとの対話を通して、自分の今までの決断は、自分で決めている(内発的)“つもり”になっているだけで、実は与えられた選択肢から選んでいる(外発的)だけだったのかもしれないと感じ、“世の中“の当たり前を“自分“の当たり前として何も疑問を持っていないことに気づいた。

今回得たこの心得をこれからは念頭に置きたい。

自分が真剣に楽しむための決断は、周りに囚われず自分との対話を。

◯最後に

この4月、同じゼミという共通項にいながらも、大学生活の過ごし方が異なるかのんと出会い、新たな気づきが生まれたことに“出会い”というものの面白さを実感した。

これまではコロナ禍で大学に入学して外に出ることに消極的になっていたが、新たな場に行くと更なる気づきがあるかもしれないと思うと、これから様々な場所へ足を運んでいこうと強く思うきっかけとなった。

Footwork&Network、足を運んで出会う。
そこに気づきが生まれ、学びにつながる。

#melc2022  #FandN

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