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「何をやる?」ではなく、「なんのためにやる?」

東京都練馬区にある共同住宅「青豆ハウス」。住む人と集まる人が一緒に育てる共同住宅というのがコンセプトである。そんな青豆ハウスの1階にまちのキオスク「まめスク」が昨年9月に誕生し、11月に始動し、私は12月から関わるようになった。青豆ハウスとまちを繋ぐ場として「まめスク」で何ができるかを、住人の方たちと大学生数人で共に考えている。

交流の場としてまめスクで何ができるか。イベントを行う案がいくつか出た。ボードゲームやカードゲームを行う日があったり、地域の子どもたちが宿題をしに集まる日があったり、地域のお菓子屋さんが出張で販売しに来る日があったり。どれもまちとの交流が生まれる良い案ではあったが、何かみんなしっくりこない様子だった。そこで、青豆ハウスとまちを繋ぐということにフォーカスを当てて、改めて考え直すと、どうすれば交流が生まれやすい環境になるかという議論になった。ただ何かイベントをやっていてもフラっと立ち寄るには少しハードルを感じるかもしれない。だからイベントをやる前に、まめスクという場所を知ってもらったり、まめスクに関わる人がどんな人なのか知ってもらったりすることから始めようということになった。そこで第一弾として『まめ日記』というまちとまめスクの交流ノートが誕生した。まめスクに関わる人たちがその日の出来事やふと思ったことを残したり、まちの人がまめスクについて気になることや今後やりたいことを記したり、自由になんでも書いて、青豆ハウスとまちでやり取りができるようにした。

まめ日記-まちとまめスクの交流ノート-

ただノートを置くだけでは気づかれにくく、まちの人たちがいつでも書いてくれるようになるには程遠いと、接しして1か月くらいで感じた。そのため第二弾として、近寄ってきやすさを意識して、ブックポストのようなものを設置してみようという案が出た。どこか温かみを感じらりんご箱のような木箱をいくつか置き、住人さんやまめスクメンバーが本に限らず好きなものや紹介したいものを中に入れる。軒先に置くことで、今まで通り過ぎていた人たちが興味を示してくれることを期待している。木箱はつい最近設置し、どのようになっていくか未知数であるが、このようにまめスクを交流の場にしようと試行錯誤をしながら、現在進行形で進化している。

軒先に設置した木箱

何か物事を行う際に、やること自体を目的とするのではなく、やった先にどんなことを生み出したいのかを見据えることが大切だとまめスクに関わって改めて感じた。やることに重きを置くと一時的で消費的なものになるが、なんのためにやるのかを考えることで、長期的に価値を見出せるものになる。まめスクが青豆ハウスとまちを繋ぐ場として定着するには、継続的に育てていく必要がある。その答えのない問いを手探りでより良いものに進化させていこうとしているまめスクの取り組みに、初期から関われていることに私自身ワクワクを覚えている。今後まめスクがどう変化していくか楽しみだ。


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