ブラック企業からホワイト企業へ転職して幸せになれた情シスの話①【全5話】
こんばんは!今日は祝日の前夜ということでちょっと自己紹介がてら、とある情シスの話を書いていこうと思います。ブラックな闇要素は少なめでハッピー要素多めなので暇つぶしに楽しんでいただけるかな。地方の情シスにこれから飛び込む方は参考になるかも、なるといいな、なるかな?
注:本noteはITスキル的要素はなしです
( ー`дー´)キリッ
前職はブラックパワハラモラハラ企業
前職は経営企画部の社長秘書的な業務の傍ら、誰もできる人がいないからと任された基幹Sの入替やSaaS導入にPC入替にネットワーク対応、ベンダー様との調整やヘルプデスクを行う毎日。
完全にブラックになるまで、3年間くらいはできる都会の元大手企業の役員がいて、そばで働けて学びだらけだった。
当時の私にとって謎のビジネス用語を使う彼らは、ITは経営と結びついていることを力説し、システム入替やポリシー設定で悩んだ時も道を示してくれた。教え方はハードで辛いことも多々。でも、できる役員にただ認められたくて真夜中まで勉強した。この3年があったからその後の放置期間も自分である程度のことは決めていけたのだと思う。振り返ると、20代でこの経験ができたのは大きかった。
株主総会で役員の交代が決まり、20人くらいの送別会で私一人大泣きしたことを今でも恥ずかしくて覚えている。その後、事業部門から生え抜きがトップになり、周りをイエスマンで固めだし、職場の環境は大きく変化。
ITの仕事は、何もかも「雑用」とされた。
上場準備もあり、監査法人様や証券会社様から一定の水準を求められ、とても適当にはできない。なによりPCの不調等で困っている社員が私だけに助けを求める。
そんな時も「ほっとけ。こっちの対応して」と隣から社長指示。
されど困っている社員をないがしろになんてできない。
終業後に調べてこっそり連絡したり、幹部会議の間に対応したり。
ありがたいことに会議が多い会社だったので、特命の業務や資料作成は速攻で終わらせて、システム担当としての業務は会議中に行った。
ITへの理解が皆無の経営陣。もちろんIT業務=雑用を行っている私は評価されない。そもそも男尊女卑が激しい会社で女性というだけで、ほぼ「事務員さん」と呼ばれ名前すら呼ばれない。
それでも、社員からの「ありがとう」の声だけが支えで、私がいないと皆が困ってしまうという責任感と小さな子どもを持つ私を雇っていただけるだけでありがたいんだという思い込みで、色んなことを我慢して10年以上が経った。
子どもが小学校にあがったら転職活動をしよう。
なんとなくだけど、私もっとできる気がする。
やりたいこともたくさんあるのに、もう我慢したくない。
ずっとずっとそんな野望を持ち続け、ひたすら忍耐。
2週間の転職活動
やりたいのは「システム専任」。堂々とやりたいし、その仕事で評価もされたい。
そして、叶うことならひとりじゃなくて、チームで仕事がしたい。
これまで憧れていたふたつのことを転職活動の目標にした。
されど、子どもがまだ小さく18時過ぎにはお迎えが必須。
まだコロナ前でリモート勤務はメジャーではなかった。
そして、地方かつ自宅から限られた範囲で「システム部門」がある企業はそんなになかった。それでも、書類は通るし、面接では褒めたたえられた。
その場で「助かる!来てよ!」と言われる。
私「大変言いづらく、私事で非常に申し訳ないのですが、子どもがまだ小さく18時過ぎにはお迎えが必要で残業が難しいのですが・・・・」
面接官「いーよいーよ。お子さんいる方多くてみんな帰ってるし。熱とかでたり、イベントあるときは休んでいーから」
まじで?!
信じられない。
そんな世界が存在することは知っていたけれど、空想上の世界じゃないの?
されど、2社目・3社目でも同じように言われる。
そして、3社ともに内定をその場でいただけ「ぜひ来てほしい」と懇願されるのだった。
もっと早く気づけばよかったな。
社外の人は私を評価してくれる。
ブラック企業に退職を告げる
上司に退職を告げると、今度は社長が出てきた。
給料も上げるし、待遇も良くするという。
何を言われても何も耳に入らなかった。
その日から私は社長に「裏切者」と陰で呼ばれ、完全無視をされた。
忖度した周りの社員も合わせて私と話すのを気まずそうにした。
私はそれを察して誰にも話しかけないようにした。
ホテルで全社的な定期イベントがあった。
私はいつものように、スライドや動画を作成し、裏方でプロジェクターやPCや音量の調整係をしていた。
営業表彰が行われた。トップ営業マンのスピーチが始まる。
「・・・・最後に、今月でmomさんが卒業されます。10年以上本当にお疲れ様でした。皆さん、momさんには本当にお世話になりましたよね!感謝の気持ちを込めて盛大な拍手をmomさんに送りましょう!」
まさか、だった。
同僚の照明係がスポットライトを会場の隅っこにいる私にあてた。
沢山の拍手と笑顔と視線が私に届いた。
胸がいっぱいで、苦しかった。ただ、涙があふれた。
ここで働けてよかった。初めて、報われた。
雰囲気のせいだろう。無理やりテンポの遅い拍手をしている中央の席に座っている社長が小さく見えた。
退職日が来た。
社長に忖度して、送別会も花束もない。
「ごめんね」こっそりトイレに追いかけて伝えてくる同僚もいた。
「大丈夫。わかってる」
そう、誰よりもわかっているのだ。
そして、社長は悔しいのだ。誰よりも信用していた私が去ることが。
だから恨みがこんな形で出ているんだ。
それだけ私は社長にとって都合のいい社員でいたんだ。
主演女優賞、もらわなきゃな。
定時。いつもより多い荷物でいつも通りドアを開けて退社した。
私、辞めたぞ!
ブラック企業からホワイト企業への転職後に幸せになれた情シスの話②へ続く