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バックパックの話(UL系)
友人からの誘いで久しぶりにテント泊のバックパックのパッキングをしていました。残念ながら計画は中止になりましたが、バックパックについて気になったこともあったので、バックパックについて書いてみます。
紹介するのは登山や自転車で使っている、主に UL(ウルトラライト)系のバックパックです。
テント泊用のバックパックが加水分解…?
10年以上前に購入したものですが、テント泊用に GREGORY BALTORO 75 (グレゴリー バルトロ 75) という大型のバックパック(ザック/リュックサック)を使っていました。
UL系のバックパックとは正反対で、けっこう重いのですが、がっちりとした背中のフレーム、ハーネス、ウエストベルトが身体にフィットして、荷重のかかり方もいいので比較的楽に歩けて気に入っていました。
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今回、このバックパックに入れていたキャンプ道具を取り出そうとしたら、手にベトっとした感触がありました。生地の裏のコーティングが加水分解したのか劣化していました。接着剤のようにくっつく状態ではないのですが、このまま使うのはちょっと無理かなという感じです。
数年前に他のバックパックも同じような状態になって、捨てるしかないかと思ったのですが、ベタベタになったコーティングを手で擦って剥がして使えるようにしました。
今回のバルトロの劣化したコーティングはガムテープなどでも取り除けそうです。
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この症状は経年劣化として避けられないものかとも思いますが、バルトロを購入する前に使っていたドイター(Deuter)のバックパックの生地のコーティングは今でも問題ありません。わりと信頼していたグレゴリーがこうなったのはちょっと残念でした。
バルトロ75 がベタベタになってしまったこともありますが、今回は以前に購入していた軽量な大型バックパックにパッキングしました。
My Trail Company(マイ トレイル カンパニー) LT 70
重いものの抜群のフィット感、安定感で重装備でも歩きやすいバルトロ75 でしたが、やはりそれなりの重量は身体にかかってきます。腰の状態がよくなかったので、装備を軽くしようと思って購入したのが My Trail Company LT 70 でした。しかし、いろいろあってその後キャンプ泊をすることはありませんでした。
My Trail Company は、かつての UL(ウルトラライト)アウトドア製品メーカー GoLite の後継メーカーでしたがすでに事業を終了しています。
GoLite はアパレルメーカーとして再出発していますが、以前のULギアをリリースしていた会社とは別物のようです。
昨年(2024年)あたりに GoLite の ULギアが復活したということで、この製品を取り扱っているショップがいくつかあります。以前と同じようなラインナップが展開されているようです。メーカーサイトやアメリカの記事などを検索してみましたが見つからず、復活の経緯、メーカーなどの詳細はわかりませんでした。
LT 70 は、GoLite のバックパックと同じ構造になっています。
背中に薄い板が入っていて、ハイドレーションパックのポケット、ホースの取り出し口、背面には薄いメッシュのバッド、ポケット付きの比較的柔らかいウエストベルト、前面の大きなポケットなど、一般的なバックパックの機能を備えています。また、底の前後に厚み(奥行き)を絞るフックとループがあって、容量を調整できるのが特徴です。
前面の両サイドにはトレッキングポールなどを取り付けるための下部のベルトのループ(トレッキングポールループ/アックスホルダー)と、上部のゴム紐のループとフックがあります。トレッキングポールなどをサイドのポケットに入れなくていいので、ポケットを有効に使えて便利です。
GoLIte、My Trail Company のバックパックは、本格的な ULのバックパックからすると過剰な装備と思われそうですが、細かいところにも気を配られていて、一般的な感覚からするととっつきやすい製品だと思います。
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ちょっとパンパン…ポケットに荷物詰め込みがち
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今回、あらためて LT 70 にパッキングして背負ってみましたが、軽量ザックのわりにはフィット感もよく、楽に背負えました。ただ、冬季キャンプの装備は想定されている重量をオーバーしているかもしれません。
GOLITE JAM 35
登山を始めてしばらくしてから、ウルトラライトハイキングに興味を持ちました。その頃に購入したのが GOLITE JAM 35 でした。
本格的なウルトラライトのバックパックは、ただの袋にハーネスを付けたようなシンプルなものですが、そこまで本格的なものを使いこなせる自信がなかったというか、ちょっとそこまでは無理という感じだったので、先に My Trail Company LT 70 で説明した一般的なバックパックに近い GoLite を選びました。
それまでバックパックといえば絶対に2気室と考えていましたが、UL系のバックパックはもちろん1気室です。GOLITE JAM も1気室ですが、フロントに大きなポケットがついているので、けっこう荷物を分けることができます。
容量も日帰りだけでなく、山小屋一泊程度でも十分使えました。(コーヒーを淹れる程度の道具込み。)
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底面の容量変更のループとフック
冒頭で説明した生地のコーティングが劣化してベトベトになった別のバックパックは、この JAM でした。久しぶりに使おうとしたら、たしか内ポケットだったと思いますが、ベタベタになっていて、もう捨てるしかないかと思いました。手で擦ると取り除くことができたので、ちょっと大変でしたが、すべて取り除きました。また、縫い代から裂けてきてしまって、当て布で補修しました。個人的にはそこまでしてでも使い続けたいバックパックです。
修理については、GoLite はあまり当てはまらないかもしれませんが、シンプルな作りほど補修が簡単で、素人でもなんとかなると思います。
TRAIL BUM / BUMMER (30L) 旧モデル
現在、主に自転車用に使っているバックパックです。特に自転車用というわけではなく、山歩き、普段使いも含めて使ってみたかったので購入しました。
日帰り、一泊程度の山歩きには、GO LITE JAM 35 を使って気に入っていましたが、いとこが 本格的な ULバックパックを購入したのをみていて、自分も欲しくなりました。その製品が何かは忘れてしまったのですが、大きなメッシュのポケットがとても使いやすそうでした。それに機能的に似ていたのが TRAIL BUM の BUMMER でした。
TRAIL BUM は日本のブランドです。
背中にフレームとなる板やパッドは無く*1、ウエストベルトもありません。ただの袋に両サイドのメッシュポケット、前面の大きなメッシュポケットがついているだけの感じです。
*1 : 現行モデルには取り外し可能な背面パッドが装備されているようです。
トップはドローコードで絞るようになっていますが、絞らずにロールトップとして使うことは想定されていないようで、少し短いのが残念なところです。それでも、ロールトップとして使っていますが、今まで物が出たり開いてしまったりしたことはありません。
ハーネスのパッドは当初のものから柔らかいものに変更されているそうです。私のものは固いものなのか、背負ったときに肩から首よりの部分に圧迫を感じ、もう少し湾曲したものがいいのかと思っていました。しかし、自転車での利用が多いせいか、長く背負っていて肩、首が痛いということはなかったと思います。
※ 仕様については現行モデルとは異なるかもしれません
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ドローコード/バンジーコードは後から付けたものです
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背面は本体の生地のみです
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ドローコード/バンジーコードは後から付けたものです。
メッシュポケットの材質は伸縮性が無いものですが、けっこう丈夫そうです。ゴム紐は交換できそうです。ここも気に入っている点です。
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ドローコード/バンジーコードで機能拡張
サイドにドローコード/バンジーコード(ゴム紐)を通すループがあるので、サイドとフロントにクロスして通して、荷物を挟めるようにしています。
ショルダーハーネスにアクセサリーを取り付け
ショルダーハーネスに縫い付けられているウェビング(テープ)にはミリタリーバッグのモールシステムのように、ベルトを通せるように複数箇所に縫い付けがあります。そのときの目的、装備などによって、スマートフォンを入れるポーチなどのアクセサリーを付けています。
バックパックパッド
本格的な UL バックパックのためと言っていいと思いますが、BUMMER には背面の外側に蒸れ防止のメッシュのパッドがありません。このため、汎用のバックパックパッドをつけています。
UL バックパックは背面で背負うのが特徴らしいので、位置がズレるような外付けのパッドをつけるのは邪道のようにも思いますが、快適さを優先しています。季節や荷物の量によって、異なる製品を使い分けています。
これについては話が長くなるので、別途投稿しようと思います。
シンプルだが、自分好みの使い方ができる。
シンプルなバックパックですが、上記のように工夫して自分好みの使い方ができるところが気に入っています。
TRAIL BUM / STEADY (40-50L) 旧モデル
BUMMER を気に入っていて、よく使うので、もう少し大きいモデルも持っておきたいと思い購入しましたが、一度も使ったことがありません。
2泊、3泊程度の旅行をするときによさそうなのですが、まだ出番がありません。先の静岡旅行では、BUMMER に荷物をパンパンに詰めて行ったのですが、これを使えばよかったと思います。
40-50L と可変のためか、BUMMER と違ってトップが長めでロールトップとしてしっかり閉めることができます。また、BUMMER にはないウエストベルトがあります。バックパックの荷重がかかるようなしっかりと固定するものではなく、ずれないようにする程度のシンプルなものです。(現行モデルは裏がメッシュでベルトも太いものに改良されているようです。)
シェルターなどの本格的なウルトラライト装備のキャンプはもちろんですが、小さなテントで荷物を少なくすれば、キャンプにもいけるかもしれません。
※ 仕様については現行モデルとは異なるかもしれません