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パニアバッグはフロントにつけるか、リアにつけるか? 小径車の場合
パニアバッグを前後どちらかにつける場合、フロントにつけると安定して走れたという話です。
前後四つなら重量バランスがいいけれど…
パニアバッグというと、個人的には子供の頃に憧れたランドナーのイメージがあります。ランドナーのように前後四つつけると旅の気分もあがりそうですし、前後の重量バランスからいっても、四つがよさそうです。
しかし、荷物の量によっては、どちらか一方のみにつけることが多いと思います。また、カーボンフォークなどでフロントにキャリアをつけられなかったり、その逆にフロントにしかキャリアをつけられないこともあるかもしれません。
輪行で四つのバッグを持つのは大変
輪行での使用を考えると、鉄道などでの移動時に四つのバッグを持ち歩くのは大変です。
スイスでのサイクリングの前までは、フロント、リアのどちらかであれば、なんとなくイメージ的にリアのみが普通じゃないかと思っていました。リア用のパニアバッグの方が大きく、キャリアの積載可能重量も大きかったことも理由でした。
しかし、あるショップの人が、自分は前つける派だと言っていたのがずっと気になっていました。わかっている人はフロント派なのか?と…
700Cホイール スポーツ車の場合
以前、キャリア用のダボが無いシクロクロスで長距離を走っていたときは、クイックリリースで固定したリアキャリアにフロント用の小さめのパニアバッグをつけて走っていました。フロントフォークはカーボンフォークでダボもなかったことから、バッグをつけるなら、ハンドルかサドルかリアしかありませんでした。箱根越えもこの装備で走っていたので、フルサイズの自転車ではリアのみでも問題なさそうでした。バッグが小さめで荷物も少なかったからかもしれません。
そもそも、同じリアでも小径車と違ってバッグをつける位置が異なるため、重量バランスもそれほど悪く無いような気がします。
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BikeFriday Pocket Llama での経験
バイクフライデーには前後のキャリアが用意されているので、前後にパニアバッグをつけることができます。購入時、リアのパニアバッグしかつけるつもりはありませんでしたが、緊急用に使えたりするかもしれないと考えて、前後のキャリアをつけていました。
リアのみ/平坦な道
アリゾナでのサイクリングでは、リアにパニアバッグをつけて、キャンプ道具をキャリアの上に載せて、リアにかなり荷重がかかった状態で走っていました。
長い登りもありましたが、それほど急な登りは無く、全体的に平坦な道路だったため、特に問題なく走っていました。
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リアにのみ/登り坂
スイスでのサイクリングでもリアにのみパニアバッグをつけて、フロントには小さなバッグをつけていました。
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フロントが浮いてしまう
スイスではけっこうアップダウンがあり、ダートの登りも走りました。
ダートの急な登りではフロントが浮いてしまいました。小径車の短いホイールベースも影響しているように思います。
写真を見るとわかりますが、バッグがリアホイールの中心よりも後ろに位置していて、小径のためバッグがほとんど車体の末端にあります。
そんな状態でなんとか登り切った山道もありましたが、旅の終盤の峠越えでは、浮いてくるフロントを押さえようとすると安定して走れず、膝の激痛と疲れもあって、一旦は走るのをあきらめて押し歩きしてしまいました。
リア用のパニアバッグをフロントに装着してみると…
なんとなくパニアバッグをフロントにつけたらどうかと思ってやってみたら、驚くほど安定して走れるようになりました。フロントキャリアをつけていてよかったと思いました。
しかし、フロントにつけるには大きく重すぎると思ったため、ハンドルを大きく振られないように気をつけて走りました。
ダートを終えて、舗装路の登り坂でもフロントにつけた状態で安定して走ることができました。こんなに走りやすくなるのかと思ったものです。
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下りでは重量バランスを考えると怖いので、リアにつけなおして走りました。
個人的な結論は…リアときどきフロント
バイクフライデーを持って、ニュージーランドに行ったときは前後四つのパニアバッグを持っていきました。走っているときのバランスはいいのですが、やはり輪行で四つのバッグを持つのは大変です。大きなバッグに四つのパニアバッグをまとめて入れて移動しましたが、大きくて重くて大変でした。
輪行ではできるだけ荷物を減らして、基本的にはリア用のパニアバッグをリアに装着。急な登り坂のときはフロントに付け替えるという、スイスでやっていたスタイルがいいかなと思います。
やっぱりフロントが正解なんだよとか、ずっとフロントでもいいじゃないかという意見もあると思います。その通りだとも思います。
個人的には、フロントにずっとつけたくないという思いがあります。大きな荷物を積んでハンドルが振られた時の感覚と、フォーク、ヘッド、ステムまわりへの負担が気になります。荷物が少なければ、ずっとフロントでもいいかもしれません。
使用しているパニアバッグと輪行時に気をつけていること
使っているパニアバッグは、たぶん定番といっていい、オルトリーブのフロントローラークラシックとバックローラークラシックです。防水であることが選ばれている理由だと思います。
手提げ状のベルトを持ち上げるとラックからそのまま取り外せるので、着脱は容易です。その分、盗難が心配なのと、フックの部分がプラスチックのため、海外サイクリングではスペアパーツを持っていきました。また、飛行機に預けるときなどは、フックの部分が壊れないように取り外しました。プラスチックパーツの破損の心配がなければ、言うことがないのですが、長旅、飛行機輪行では一番気になるところです。