見出し画像

【雑記】家族が恋人を連れてきた時って皆さんどうしてるんですか

昨日は、姉の恋人が初めて挨拶に来た日だった。
私がコロナに感染したことで随分延期になっていたが、ついに迎えた日だった。(ごめんなさい)

双子の姉妹しかいない我が家にとって、こんな事態は初めてだ。
しかも、姉の話によれば「結婚を前提に、まずは同棲したい」とかいうやつだ。

1週間前から地道に掃除が始まり、当日も掃除機の音がやかましいぐらいだった。大掃除や引っ越しの時以上にやったんじゃないかってぐらい。
ちなみに、私の部屋は当日の数時間で一気に物置と化した。

正直私は気が気じゃなかった。これはあまりにも未知すぎる。
いったい何が起こるのかわからないし、もし対応を間違えれば姉の幸せを壊してしまうかもしれない。それはいけない。

しかも、実は私は姉の恋人と少しだけ面識がある。
両親は初対面だから良くも悪くもニュートラルな目でお相手を見るだろうが、私だけは情が湧いた状態からスタートする。何かあった時フォローするとしたら、私の役割になるだろう。

この場において、一番の不安要素は父だった。
理由はお察しいただけるだろう。
こういう挨拶の時は、父親の対応でほぼ空気が決まるからだ。
「テキトーな事を言ったら、それなりの態度をとらざるを得ない」とも言っていたし、お相手を恐縮させないといいが。


そんな事を考えているうちに、その人が来てしまう。

手土産を受け取り、リビングのソファに座ってもらい、母がお茶をテーブルに並べる。

以前会った時の印象や、姉の話から察するに、彼は「シャイで、口数は多くないタイプ」。
しかもこんな日なのだ。お相手が緊張するのは当然で、軽い挨拶のあとは無口に。

それは良いとして、さらに困った事に、我々一家も当然こんな場に誰も慣れていない。誰も段取りが分からない。口も上手くない。
父はいつも通り無口だし、母は静観している。
姉は何を言い出せば良いのかわからなさそうだ。

さっそく訪れる沈黙の間。

まだ何も始まっていないのだから、歓迎したくない訳ではない。

なのになんだ、この気まずい一瞬は。

あまりにも居たたまれない場に、普段は鈍い頭と口がまわる。


「ごめんなさいね、うち全員口がうまくないから」


姉がすかさず「そうなの、そうなのよ」と彼に笑いかける。
「じゃあ、まずは自己紹介から?」と母。
これでようやく、始めることができたのだった。

正直、私の今日の仕事はこれで終わりでもいいんじゃないかってぐらいだ。


その後は、姉からの紹介があり、彼自身の言葉の紹介があり…と、きっと世間一般の流れ通りであろう展開。

父はどう感じているか分からなかったが、変わらず無口。
代わりに、母が質問を連投し、彼の話を聴く場になった。
お仕事、お金、ご家族etc.
そこに私が時々、若干空気の読めない補足や、大きめの合いの手を入れ続ける。面接っぽくならないようにするための配慮だった、一応。

そんな時間がだいたい30分。
母なりに気になっていた事は訊き終わり、なんとなく一息ついた空気に。

「お父さん、なにかないの?」と母が振る。

そこでやっと父が姉の恋人に向かって口を開いた。


二人で暮らせば、これまで分からなかった事が見えてくる。
時間もお金も、自由ではなくなる。
喧嘩することもあるだろうが、それは折り合いをつけないといけない。
それは覚悟しておくことだ。多少のことは、お互いすぐに忘れた方が良い。

あとは…娘はひとり暮らしもした事がないし、仕事もまだまだだ。
段取りは良くないかもしれないが、そこは大目に見てほしい。

(一語一句こう言ったわけではなく、覚えている範囲で私が要約したもの)
(ちなみに父と母は、彼が来る直前までテーブルに出すグラスとお皿で揉めていたのだった)


これで、この会合はお開きとなった。

その後は、彼に姉の自室を少しだけ見学してもらい、玄関までお見送りをした。


…ここまでの所有時間、40分。

1時間を想定していたのに、予想以上にコンパクトだ。
顔合わせって、こんなものだろうか。


まぁ、なんにせよ、無事に終わってよかった。

父が怒鳴ったり威圧したりして、お相手が何も言えなくなる…みたいな、最悪な展開は訪れなかった。
終始口数の少ない父だったが、まぁ、「許さん」「だめだ」と言わなかったし。暗黙の了解ということだろう。


ああ、これでストレスの要因が一つ減った。

我ながら、ムードメーカーとして一役買えたのではないか。

その解放感と自己満足で機嫌がよくなった私は、
会合後すぐにひとりカラオケに直行したのであった…。



…ちなみにその夜は、姉がお相手家族との顔合わせだったそうで。

事前に予約されたお店でしゃぶしゃぶをたらふくご馳走になってきたんだそうな。

顔合わせ時間は約2時間。終始にぎやかで穏やかな空気だったらしい。
食事代だけではなく、帰りのタクシー代まで付与されるという、手厚い待遇。


うーん。

顔合わせって、おもてなしって、難しい…。

次回はたぶん、お食事になるのだろう。

多少グレード上げないと、お相手に見合わない。

またムードメーカー、頑張らないと。


野乃









サポートに相応しいnoteを書けるように、サポートに相応しい人物になれるように、今後も努めて参ります。 もしも、万が一サポートして頂くようなことがあれば…泣いて喜びつつ大切に使わせて頂きます!