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幸せのかけら ~5.結婚記念日にはサプライズプレートを~

心にほっこりとぬくもりを!
日常の小さな幸せを探してみましょう。

毎年結婚記念日には、ちょっと豪勢にレストランでディナー。神戸北野のフレンチや神戸牛のフルコースなど。
美味しいけれど、後で明細を見て愕然としたことも。なんたって、1食で半月分の食費だったから。
ディナーではなくランチならお得!(特に今、夜は出にくいし)
というわけで今年は、ランチに行くことに。

と、ここで問題が発生。
例年は自称食通の主人が、お店を厳選し予約をしてくれていた。が、ランチにしたとたん、テンションが下がってしまったらしい。

ならば今年は私の出番。近場で、行ってみたかったけれど少し高くて行けなかったところに、即予約。
「ネットで予約なら気楽!」なんて思っていたら、最後にデザートプレートにメッセージを入れる欄が。人間心理って不思議。欄があると書かなければいけない気がしてしまう。
たぶん電話で聞かれたら、絶対断っていたと思う。
だってメッセージを口頭で伝えるのって、かなり恥ずかしくない?
でも「書くのなら平気」ということで、メッセージを入れてもらうことに。

主人と私のプレートには「結婚○○周年おめでとう。これからもよろしく」
考えた挙句、結局当たり障りなく。

せっかくだから子どもにも、入れてもらおう。
息子には「Fight!」
娘には「夢、つかめ!」
ありがちでシンプルだけど、言いたいことは伝わるはず。

普段こんなサプライズをしたことがないので、誰かに相談したいところ。
でも言うとサプライズにならないので、そこはぐっとガマン。


さて当日。
ちょっとおめかしした娘と私。それに対し思いっきりカジュアルな主人と息子。まあジャージじゃないだけましか。

デザートみたいにおしゃれな前菜から始まって、ジューシーで肉汁が滴りおちるメインまで。お料理は、とても美味しかった。

ここで誤算が。出てくるスピードがとても遅かったのだ。
普段、5分で食事をとる我が家。食べに行っても一瞬、お店の回転率にかなり貢献していると思う。
そんな我が家にとって、これはかなり苦痛。
お料理とお料理の間がもたない。
会話をしようにも隣のテーブルが近すぎて、あまり大きな声で喋れない。
主人と息子が時計を何回も見始め、イライラしているのが伝わってくる。
娘と二人で「まあまあ」となだめながら、なんとか待ち続ける。

「デザートは、もういいにしよう」と、誰かが言い出しそうな気配。
思わず「プレートにメッセージを頼んでるから」と言ってしまいそうに。
なんとか口を閉じ、耐える。
まつこと2時間半あまり、ようやくたどり着いたデザートの時間。

まず、主人のもとにデザートが運ばれてきた。
「おめでとうございます」の言葉とともに置かれたプレート。
チョコレートで書かれた文字を見て、思いっきり恥ずかしがる主人。
「写真を撮りましょうか?」と聞かれたものの、即行でお断り。
(お店の注目を浴び、私でさえ「いいです」と言ってしまった)

子どもはと言えば、冷やかしでニヤニヤしている。
だが子どもたちよ続きがあるのだ、次は君たちの番。

ポーカーフェイスの息子。
息子と目が合うと、母の言いたいことは十分伝わったらしい、軽く頷いた。

「なんでお店の人は、私のこと知ってるの?」と、純粋な娘。
(それは母が頼んだからよ。でもその反応は嬉しいわ)
3人の中で一番いい反応。それでこそメッセージを頼んだ甲斐があるというもの。

サプライズは成功!

と思って向かいの主人のプレートを見ると、ものの見事にメッセージが消されていた。「おめでとう」も「これからもよろしく」も、ぐちゃぐちゃ。

「きっとチョコレートをかけて食べた方がおいしかった」と思いたいけれど、間違いなく「早く痕跡を消したかった」のね。

かなり恥ずかしかったらしい。
確かに出会った頃、喫茶店で隣のカップルにバースデーケーキがサプライズで運ばれてきたのを見て、「絶対しない」って嫌がってたものね。
それを思えばメッセージを消すぐらい、可愛いいもの?

さてこのサプライズは、成功?

ままこれはこれで、私たちらしい結婚記念日ということで‥‥‥

【Thanks!   見出し画像:MOMO太郎さんによる写真ACからの写真】