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和製エアプランツ・サルオガセの3つの魅力と山暮らし

前回、ヤドリギの魅力について書いたら、思いのほかたくさんの人に読んでいただいた。

とても嬉しかったので、その流れで今回は(山暮らしで出会える)お気に入りの植物(生物)第2弾、サルオガセについて書いてみたい。

サルオガセの3つの魅力

カラマツにぶら下がるサルオガセ。

信州の山間部に移住して、初めて目にした植物はたくさんあるが、サルオガセもその一つだ。

厳密にはサルオガセは「植物」ではなく「地衣類」に分類されるが、そんな珍しい(?)特徴も含めて、私が感じている魅力を紹介しようと思う。

(その1)フワフワの容姿(エアプランツのよう)

英語では「old man’s beard(お爺さんの髭)」と呼ばれる。

サルオガセの魅力1つ目、まずは何と言っても、そのフワフワの容姿だ。

我が家はカラマツ林で暮らしているが、針葉樹にぶら下がったサルオガセをたくさん見つけられる。

10cmくらいの小さいものもあれば、1mを越すような大きなものまで、サイズはいろいろ。

細いブラシのような、とろろ昆布のような、灰色がかったエメラルドグリーンのフワフワは、風に揺れて神秘的な雰囲気を漂わしている。

まさに和製エアプランツであり、我が家にとっては敷地内の自然の観葉植物(生物)だ。

(その2)キレイな空気の証明

触ってみると案外、ゴワゴワする。

2つ目は、サルオガセがいる環境について、とも言える。

サルオガセは、キレイな空気のある場所でしか生育しない、とされる。

空気中の水分を利用するサルオガセは、汚染物質の影響を受けやすいんだそうだ。

地衣類についての詳細は今回は書かないが、例えば地衣類の一つ、ウメノキゴケは大気汚染の指標にされているという。

そうした話しは夫のブログ記事の受け売りなのだが、そんな地衣類の説明を聞いて、サルオガセがいる環境に自分が住んでいる事に感謝したくなった。

(その3)スパニッシュモス(サルオガセモドキ)との関係性

こちらはサルオガセモドキ(通称スパニッシュモス)。

3つ目は、サルオガセ、というよりは「サルオガセモドキ」についてだ。

サルオガセの「モドキ」という名前の植物。

サルオガセモドキと名付けられたが(こうしたネーミングはちょっと可哀想な気もする)、現在はスパニッシュモス、あるいはウスネオイデスという名前で知られている。

エアプランツとして人気のスパニッシュモスだが、こちらは中央アメリカ及び南アメリカ原産の、どちらかというと熱帯の、パイナップル科の植物だ。

なので「モドキ」と言っても全く別の植物(生物)なのだが、確かに見た目は似ている。

そして、そのフワフワ、モフモフのような見た目は、確かに魅力的なのだ。

つまり、スパニッシュモスが巷でこれだけ人気なのだから、本家の(?)サルオガセも、存在を知られれば大人気になるかもしれない。

こうして書いているのは、少しでも多くの人に「スパニッシュモスも良いけど、サルオガセもね!」と言いたい気持ちもある。

街のスパニッシュモスを見て思い出す、山のサルオガセ

雪がからまったサルオガセ。

街に出れば、おしゃれなカフェやお店に、スパニッシュモスがぶら下がっているのを見かける。

そんな時に、私が思い出すのは、森の中でユラユラと風に揺れるサルオガセなのだ。

信州の標高1200mで暮らす我が家は、冬の寒さが厳しい。

しかし、サルオガセが生きられるくらい、空気は澄んでいる。

温暖で過ごしやすい気候&スパニッシュモスの生活も良いが、サルオガセと共に味わう、ピーンと張り詰めた冷たい空気に惹かれる。

そう、私はすっかり信州の山暮らしにはまってしまったようなのだ、サルオガセがいる自然の魅力に。

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