夏の匂い。

夏は、いつ終わるのだ。
暑すぎる。

月曜火曜と屋外の用事があったのだが、陽射しが真夏のそれと変わらなかった。
そりゃあ、命の危険を感じる陽射しよりは少しはマシだが、比較対象がおかしいでしょうよ。

朝晩とか少し涼しくなって、脳が涼しくなってきたと認識してるのに、日中は暑いから、どっちに適応すべきか混乱している。
身体もこんなん対応できない。
エアコンつけるから、脳はやっぱ夏やんってなっとる。

まあ、それはさておき。


匂いと記憶が結びついている、というのは実感がある現象だ。
プルースト効果とかいうらしいが、一般的にどの程度記憶は想起されるのだろう。
出来事や場面が克明に浮かぶものなのだろうか。

先日、ふいに嗅いだことのある匂いがした。すぐに何の匂いかわからないのに、何か変な感覚になる。
懐かしさと、少し、嫌な感じ。

オシロイバナだ。
夏の夕方頃の匂い。
小さい頃、遊んでいた道路沿いに咲いていた、あの花の匂い。

幼い懐かしさと、ネガティブな印象。
蘇る感覚は、何故かザラッとしている。

特段、嫌な出来事や記憶と結びついているわけでもないのに。
子供の頃を思い出すのは嫌な感じがする。
良かったことも嫌なことも、具体的には何も覚えていないのに。

健忘とかじゃなく普通に忘れているだけだと思うが、オシロイバナは懐かしさと不穏さが想起される匂いだ。
特にトラウマとかではないと思う。

似たものに、沈丁花の匂いもある。
めったに嗅ぐことはないが、沈丁花の匂いはもっと小さい頃を想起する。
まだ何者でもない自分、という感じ。

例えば、昔使っていた香水とかのように、知っている匂いとして思い出すのとは、ちょっと違う想起の仕方をする。

自分の場合は、何もドラマチックなことなど無い。

ただ、小さい頃が思い起こされて、ふと、嫌な気持ちになるのだ。
なんだかいたたまれなくなる。


えー、なんでだろうね(笑)