Art saryo-アート茶寮-へようこそ
どこからでも訪れることができて、どこにもないお店をここnoteにオープンしたいと思います。
Art saryoーアート茶寮ーについて
着想源は、村山早紀さんの『カフェかもめ亭』という小説です。
異国情緒溢れる港町にあって、お客様が物語を紡いでいく場所。
偶然訪れる場所なのに、そこに来ることは必然だったと思えるような場所。
劇的に人生を変えることはなくとも、誰かが小さな希望を見出せるような場所。
そんな場所で提供したいなと、思っているのは美術の楽しみ方です。
私は、美術館にあるものだけが美術だとは思っていません。
美術という言葉だと美しいものが美術だとおもってしまうけれど、私は美術の「び」はびっくりの「び」という考え方が好きです。ちょっとダジャレのようですが、藤子・F・不二雄が、SF(science fiction)を、「すこし・ふしぎ」と表現したのにも通じる、わかりやすい表現だと思います。新鮮な驚きが得られるような、世界の見方を少し変えられるような、いろんなモノやコトを伝えたいなと思います。
茶寮という形態にしたのは、茶室とカフェの間のような場所にしたかったからです。
私は茶道はならっていませんが、茶室は日本の美意識を凝縮したような場所だと考えています。街の中にあるのに、世俗とは隔絶していて、狭いのに無限の広がりを感じさせて、閉じているのに開かれているような空間。
それに対して、カフェは誰でも入ることのできる場所ですが、そんな開かれた場所だからこそ、さまざまな人々を受け入れる包容力があります。そして、カフェは近代ヨーロッパの文化の発信地でもありました。
静かに自分をみつめられるような場でありながら、美術の魅力を発信する場にしていきたいと思います。…自分でハードルを高くしてしまっていますが、理想はそんな感じです。少しずつ理想の形に近づけていけたら、と思っています。
お店のイメージ
お店の内装はこんなイメージです。
何の制約もないので、光庭、天井まで届く本棚、ステンドグラスなど、好きな要素を詰め込みました。
ちょっとわかりにくい絵ですが、中庭をL字に囲んでいる店内です。私は、夜が好きなので、ほんのり暗くしています。庭の中は、魔法が使えて、いろいろな美術作品を幻視させてくれる設定です。映画を観るときは、魔法は使わずに、野外映画館になります。
この絵を描いていたら、いつのまにか1日が過ぎ去っていきました…。
茶寮なので、もうすこし和テイストでシンプルな感じでもよかったのですが。ちょっと詰め込みすぎたかな…。そのうち改装するかもしれません。
ricettaーリチェッター
さて、このお店で提供するのは、「ricetta-リチェッタ-」です。
ricettaは、イタリア語で「処方箋、治療法、レシピ」を表す言葉です。
英語のprescriptionとrecipeの意味を併せ持つ言葉といったらよいでしょうか。
Art saryo は、生きていくうえでお守りになるようなArtを処方する場にしたいので、ricettaという言葉は、私が作りたいものにとても近いと思うのです。
まだ人生経験も知識も浅いですが、心を込めて、訪れてくださった方の心に寄り添えるようなricettaを書きたいと思います。
ricettaは、すべて1話完結なので、気になるところからお読みください。
◆美術館の楽しみ方のアイディア集。
◆絵画の見方の一例を物語風に綴っています。
◆番外編。この連載を書いている筆者がどんなふうに美術とつきあってきたのかを語っています。エピソード0のようなイメージです。
◆夏の暑いときにおすすめの芸術作品をまとめました。
◆政治を変える力をもつ物語についてのお話。政治に興味のない方にもぜひ読んでいただきたいです。
◆ricetta 5です(初めての方にも読んでいただけるように、ricetta表記をやめました)。創作をつづけるヒントを紹介します。
◆ricetta6です。絵を描きたい、絵を描くのは苦手だと思っている方のためのフルコースです。
◆ricetta7です。名前のない感情をどう扱っていいのか悩んでいるあなたにおすすめの本の紹介です。
展覧会も開催しております。
店主の日常
店主の日常エッセイです。