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2024/3/05

さいきんのあたしはバイト先に点在している鉄のドアノブの静電気に怯えるなどして、ちまちま生活しております。一瞬顔を出した春、なんだったんだ。鮮やかにUターンしてきた冬、おとといきやがれ。この時期の桜か梅かの論争が好きです。19年の人生で合計1時間は占めてそうな、あの花は時期的に桜か梅かと言い合う、適当にその場を埋めるやりとり、きらいじゃない。大学生の春休みは想像以上に暇でそれでいて長い。たまの娯楽はあれど、ほとんど毎日あるバイトでは充足感は得られず、きまって陥るのは時間の海に取り残されたような宙ぶらりんな感覚、逆に不安になります。そんな春休みだけどなんてったって積読消費(買って読んでなかった本を積読というよ)にもってこい。ルーティーン化された毎日にポケットサイズのそれがいろいろな景色を見せてくれます。どうしても自分の人生を自分としてしか愉しめない今日、開くだけで別の人生、世界を覗くことができる。語り手の視点に立ってもよし、神様に扮して登場人物を掌で転がしてもよし、それはちがうだろうと彼らの中を割り行ってもよし、本の果てない可能性とどこまでも都合の良いところがすきです。本といえば、バイト先(本屋)でお会計してるとき、お客さんが持ってきた本で無駄な想像するのがすき。いろいろな媒体で同じような情報が容易に得られるこの時代になぜこの人はこれを手元においておきたいと思ったのだろう。特に小説をプレゼントで渡したいんですけど、と言われたときにどきっとする。男のひとだと尚更。なんか言葉にできないけど、素敵!!!と手を握りたくなるので必死に抑えて目線で訴えかける、我慢。かんけいないけどこの前、新書を買っていったベッコウ色の眼鏡の学ランボーイとてもよかった。利発で寡黙そうな見た目だったけどリュックにいっぱい部活でマネージャーが作ってくれるフェルトのあれがいっぱいついてた。いつその新書読むの。あたしはお会計のとき、本屋オリジナルのしっぶいカバーじゃなくてくまモンが所狭しと並んだ見た目に五月蝿い、きいろいカバーをつけてあげました、ちょっといやそうな顔してた気がする。

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