移動する石
私は石が好きだ。父方の祖父は鉱脈を見つける鉱脈師だった。父も山歩きで自ら採集した石コレクションを持っていた。私が好きなのは水晶や鉱物。石を持ち歩き、眠る時に握りしめたり、枕の下にいれたりもする。ブラジルにはブラジルの、アーカンソーにはアーカンソーの、ヒマラヤにはヒマラヤの、日本には日本のその鉱山独特のバイブレーションが宿っているのを感じられるようになった。
そして。石は時々移動するのだ。オーストラリアの砂漠で巨石群を見た時も、彼らには意志が有るのを感じた。生きているのだ。夜になったら彼らは砂の上を自ら移動する。ここに何件か私の経験をシェアしたいと思う。
グリーンカルサイト:15年前。幼い子供達をお絵かき教室に連れて行っていた。先生はプロの絵本作家で、幼児から中学生までが黙々と絵を描くアツく楽しいクラスだった。幼児クラスはピクニックシートを各自持参し、床に座って絵を描いた。クラスが終わり帰りの用意をしていた時に、ピクニックシートの下にゴツっと硬い小石くらいの手触りがあった。なんだろうと思って見てみたらなんとそこにはグリーンカルサイトが有った!!!シートを敷いた時には確かにそこには何もなかったのに。先生は「きっとノンリーさんの物になるべき石ですよ。貴女が見つけたのですから。」と言って下さった。この石は今でも私の好きな石のうちの一つである。上に挙げた写真がその石、グリーンカルサイト。
水晶勾玉:私はペンダントにしていた勾玉を東向きの窓の鍵の部分に掛けて日光でパワーチャージしていた。石がキラキラとても喜んでいる様に見えたので、数ヶ月ほどそのままにしていた。数日前急に思い出して見てみたら、無くなっていた。周りを見渡しても、どこにも無かった。ここは2階。窓は閉まっている。数日までは確かにそこにあったのだ。
スモーキークオーツ丸玉:私は好きな石を時々ブラの中に入れて出かける。ある日、スモーキークオーツの2.5センチほどの丸玉を入れて犬の散歩に出かけた。冬の寒い日で何枚も着込んでいたのに、帰宅してみたら無くなっていた。…数週間後の雪の薄く積もった朝。アパート内のいつもは踏み込まない敷地で、私は一箇所ポコっと丸くなっているところを偶然目にし、雪をよけて見た。するとそこには…無くした私の水晶が有ったのだ!!!しかも無傷で。私はとても嬉しかった。