フリーランス一年目、家を買う!-住宅ローンの審査に通った理由-
長男がわんぱくになって部屋中をバタバタと走り回るようになり、さらに2人目の子どもが生まれるということもあり、そろそろ広い持ち家に引っ越したいと考えていた我々。
しかし、専業主婦とフリーランス物書きの夫婦が家を買おうと思い立ってまずぶつかる壁が「住宅ローンを組めるのかどうか」という問題でした。
しかもフリーランスの夫は一年目で、一般的に自営業の人がローンを組もうと思ったら、最低でも2ヵ年分の確定申告書類が必要なんだそうですが、我が家は当然一年目の書類しかありませんでしたし、年度の途中まではサラリーマンでしたので、実質6ヶ月分の収入しか証明できないという状況でした。
担当の不動産屋さんも、あらゆる方向でアピールして頑張ってみますとはおっしゃってくださったものの、夫は40歳を超えているし、ただでさえ自営業だとローンの審査には通りにくいと聞くので、私たちはダメもとで事前審査の申込みをしました。
が、不思議なことにアッサリ通ってしまいました。不動産の担当者さんからお聞きしたその勝因は、意外にシンプルなことでした。
自営業を始めてまだ年数は短いけれども、大きな買い物をなさろうとしている方の参考になればと思い、簡単ではありますがローンが通るまでのあれやこれやをお話しさせていただきます。
まずですね。我々が何者なのかですけれども。
夫は40代でフリーランスの物書き。
物書き自体は何年も続けていますが、いったん勤め人になり、経歴が途切れてローンの申込はフリーランス1年目として申請することに。
数年間の確定申告はしていましたが、なにぶん何年も前のものでしたので、その控えは手元には無く、すぐに提出することはできませんでした(税務署で手続きをすれば発行してもらえるようです)。
妻である私は20代ではあるけれども専業主婦ですので当然ローンを組む力はないとみなされます。
ただ、看護師や教員などの資格を持っていて勤務経験があり、子育てがひと段落したら復職する意思があることを示せば、心証は良くなるそうです。一応そのテの資格は持ってますし、勤務経験もありました(今回は全く役に立ちませんでしたが…)。
まあなんと、与信もへったくれもない夫婦。
だけれども、フラット35なら可能性がわずかにあるとのこと。その弱々しくも力強い言葉を信じて、担当さんに仮申請手続きをお願いしました。
不動産屋さんの言うことには、ローンの事前審査の結果には「否認」「留保」「承認」の3つがあるそうです。
否認は門前払い。おととい来やがれでございます。本審査に進めてもらうことすらできません。
留保ならば、本審査に進むことはできるけれども、承認されるかどうかは五分五分ですよというもの。話くらいは聞いてやるといった感じです。
承認と言われたならば、もちろん本審査に進むことができます。この審査は形式的なものであり、ほぼローン申請は通るそうです。
でも、私たちの状況は先述の通りですので、私も夫もまあ無理やろな、力と実績をつけて2〜3年後に再チャレンジかなと思ってました。
数日後、ショッピングセンターでプラプラお買い物をしていた時、私の携帯電話に不動産屋さんの番号から着信が…!
ローンの件やな…。
「はい〜…ワタクシでございます〜…。お世話になっておりますう」
「アッ、株式会社〇〇ハウスの者ですが〜。ローンの仮審査がですね、今回通ったということで〜。今後、ご融資担当の者から連絡がございますのでよろしくお願いします!」
と、めちゃくちゃ明るい声。
あれっ。えっ?!通ったの???
にわかには信じられませんでしたが、出張中の夫にとりあえずメッセージを✉️
夫も驚いていました。
お金を借りるのは私ではなくもちろん夫なので、以降のやり取りは全て会社と夫が行いました。
ローンの仮審査は、「留保」ではなく「承認」で文句なしに通っていました。
トントン拍子に手続きは進み、あれよあれよという間に契約完了。
フラット35とはいえ、なぜフリーランス1年目、40代の夫がローンを組むことができたのか、本人も不思議だったらしく、担当さんにその理由を尋ねてみました。
担当さん曰く「確定申告が黒字になっていたからでしょうね」と。
当たり前過ぎて思い付きませんでしたけれど、黒字だから返済能力があるとみなされ、貸してくれることになったみたいです。
夫も私も、サラリーマンを辞めてから空白期間がなくすぐに収入が発生しているからだろうとか、東京の会社との長いスパンでの契約があるからだろうとか、いろいろな理由を考えていましたがどれも違ったようです。
こんなに分かりやすい理由でもって貸してくれるのに、ではなぜフリーランスの人はローンを組みにくいのか?
一般的に、確定申告ではみなさんできるだけ払いすぎた税金を取り戻すべく、赤字になるよう申請するんだそうです。節税です。
これをするとたしかにお金は返ってくるのですが、書類の上では儲からない仕事で日々カツカツの生活を送っている人とみなされてしまうわけです。
貸す側だって、フリーランスが節税のために赤字で申請することは承知の上ですが、お金の貸し借りですから事務的に書類を見なければならないわけで、当然ながら赤字の人にはお金を貸すことはできないのだそうです。
なるほど〜。
じゃあウチは節税してないのかということですが、実は我が家の確定申告は妻である私の仕事なのです。青色申告の申請期間を過ぎてしまったため、その年度は白色申告だったのですが、それでも初めての確定申告は分からないことだらけで、ビクビクしながら書類を書きました。
不適切なことがあれば、逮捕やら罰金やら…。そんなことにならないよう、とにかく誠実にバカ正直に書きました。
節税のためにえっ?と思うものまで経費に計上することは特に個人事業主では珍しくないことなのだそうですが、マルサの女みたいなのがお家に来たら怖いので、私はしませんでした。来ませんけどね、普通に。先方も忙しいのに。
結果、まあまあの黒字の確定申告が出来上がりました。
これがローンを組むときに非常に有利に働いたようでした。
そのほかにも、不動産屋さんが決算前にその物件を早く手放したかったっぽいことや、銀行が融資の実績を作りたい時期であったことなど、私たちにとっての好条件が重なったことも要因の一つではありましょうが、今回無事に理想的な物件を入手できたのは私の正直さの勝利とも言えそうです🎖
融資担当者の方からは「今年度の分からは、安心して赤字で申請してくださいね」と言われたそうです。いいのか…??
そろそろ家を買おうかなあとお思いの自営業の方、ちょっとだけ節税は脇に置いといて、バカ正直に「黒字になってますよ〜」な書類を作成してみてください。
もしかしたら、アッサリと住宅ローンが組めてしまうかもしれません。
今は家がなかなか売れない時代ですし、ローンを組む人も多くはないようで、お金を借りるハードルは案外低いようです。
フリーランス一年目であっても、住宅ローンを諦めることはなさそうです。
不動産屋さんも、かなり一生懸命ローンが通るようにアプローチしてくれますので、お家を買おうとお思いの方は、前向きな気持ちで試しに不動産屋さんに行ってみてはいかがでしょうか😚