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富士山へのはじめての挑戦
人生で一度は富士山を登ってみたいと、幼い頃から漠然と思っていました。
そして今年、ついに富士山にチャレンジすることに! 60歳を超えた義父と夫、3人での登山になりました。わたしだけが富士山初心者です。
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須走コースから朝6時に登山を開始しました。この上ない晴天で、富士山はくっきりと見えました。
富士山の目標
・富士山でコーヒーを淹れる
・富士山でカップラーメンを作って食べる
・山頂に行けなくてもいいから3人元気に帰還する
・登山後に銭湯を楽しむ
歩き始めて15分で息があがってしまい、正直驚きました。普段運動をしているので、「この程度で息があがっていたら、先が思いやられるな…」と不安になりました。義父曰く、「登山開始のときが一番しんどいから、最初からペースを上げないほうがいい。徐々に体が慣れていく」とのこと。
その言葉通り、1時間ほど経つと登山のリズムがわかってきて、体も慣れてきました。時々休憩を入れながら、山頂というよりも山小屋を目指して歩いていました。
いくつも山小屋があるのですが、目の前に山小屋が見えても、なかなか到着しない現象はなんなんでしょう? 一歩一歩足を前に出すことが、こんなに辛いなんて人生初の経験でした。止まらずに、ゆっくりでも歩き続ければ近づいていく——そう信じる以外に考え事はありませんでした。
私はもともと10年以上バスケをやっていて、試合中に全てのシュートが入る「ゾーン」に入る感覚を知っています。登山にもそれに似た感覚があるのですね。自分の歩くリズムを身体が覚えて、スムーズに登れた区間がありました。その瞬間だけは、「登山って楽しいかも!」と思えました。
13時ごろ、8合目に到着しました。体力と時間の問題もあり、そこをわたしたちの「山頂」としました。持参したコンロでお湯を沸かし、カップラーメンを食べました。しかし、風が強くてなかなか点火せず困っていたところ、紳士的なお兄さんがマッチで点火してくれました。その火を3人で大事に使って作ったカップラーメンは本当に美味しかった! 何より温かかったのが嬉しかったです。
17時ごろ、無事に下山しました。須走コースの下山ルートは角度が急すぎて、わたしはほぼ滑り降りる形に。60歳を超えた義父も少し膝が痛そうでしたが、3人で笑いながらゴールに辿り着きました。
ホテルに着き、車のドアを開けて外に出た瞬間、「酸素がある! 空気がおいしい!」と全身で感じました。それが富士山チャレンジで一番印象的な瞬間でした。酸素があるって、こんなにも体が楽になるんだと実感しました。
そしてそのまますぐに銭湯へ飛び込みました。最高のひとときでした!
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