190520mon 癌宣告をひとりで受ける
基本的に会社の健康診断ではAをとっていた私は、健康に自信があり、大きな病院とは縁がない人生を送って来た。そんな私が紹介状を持って初めての大きな総合病院へ。受付を終えて乳腺外科外来へ。紹介状に先生の名前が書いてあったから女性の先生であることだけは把握済。自分の診察番号が表示され、診察室へ。頭の良さそうな先生。いや、頭いいから医者になってるんだと思うんですけども。
今日はどこまでわかるんだろう、と思いながら椅子に座る。
「●●先生(紹介元)から説明はされましたか?」と聞かれ、針生検について説明されたことを伝える。「うーん、まだ32歳ですね…」???
「診断としては、乳癌です」
あっ。
あれっ。
今、癌を宣告された。さらっと、落ち着いたトーンで。でも不思議とまた私は落ち着いていて、泣くこともなく取り乱すこともなく、さらっとひとりでそれを受け止めた。気持ち、先生の目は「お若いのに残念ながら」という表情をしていた気がするけど、もともとそういう表情なのかもしれない。「乳がん手術を受ける方へ」というパンフレットを手渡されて説明を受けた。とにかくまだまだいろいろな検査があるようだ。検査結果が全て出て、治療方針を決めるときにはご家族と一緒に来てくださいと言われた。テレビで見たことあるやつ。
ショックだったのは、このままだと手術は全摘出になるということ。さすがに、ショックだった。
それから血液検査などをしに場所を移動。疲れているのか、美人の友人に似た人を見かける。するとその美人から「病院にいるよ!今どこ!」とLINE。あっ。
私が今日病院なのを覚えてくれていて、仕事を早退して病院に駆けつけてくれていた。バカかよ、最高かよ。検査を終えたらもう昼すぎ。急がないと午後からの仕事に遅れそう。時間のない私に、友人が病院内の売店でおにぎりとお茶を買って来てくれた。てか癌を宣告されてそのまま仕事行くのかよ、バカかよ、真面目かよ。
バカ真面目な私はきちんと出社して、上司に正式に癌のことを報告し、普通に仕事をした。
そしてようやく父親にメールで報告した。慌てないで聞いて欲しいんだけど、という前振りで。病気どうこうというより「お金のことお願いすることがあるかも」と。父親は驚きはしても、心配したほど動揺していない様子だった。でも本当のところはわからない。