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小説 おかず甲子園 エピローグ

祝勝会

8月某日 イオンモール内のまるわ食堂にて

「選手諸君、ご父兄の皆さまおめでとうございます!」
「これから、倒壊高校野球部の祝勝会を始めます」
「私、本日の司会を務めることになりました。放送部の中村です」

「それでは、杉下校長にこの夏の戦いを振り返ってもらいましょう」
「杉下です、選手諸君、せんべい監督、くさもちコーチ、ごまだんご寮長、星野GMの皆様に置きましては、立派な成績を修めたことを感謝しております」
「ただ、NK学園に延長11回にサヨナラホームランで負けたことだけは悔しかったです」
「夏の甲子園大会だけは勝てないですね。今年もベスト4でした」
「長々と話すと、くさもちコーチが怒り出すので、この辺にしときます」
「杉下校長、ありがとうございます。そうですね、春には勝てたNK学園に負けたのは悔しかったです」

「それでは乾杯の音頭は、せんべい監督にお願いします」
「せんべいです、NK学園に負けたことは悔しいのですが、選手諸君はめちゃくちゃがんばったと言うことで、乾杯!」
「乾杯!」

「あ、私のスマホに高浪さんからのLINEが!」
「あ、杉下校長、ぜひ読んでください。これ祝電ですよね」
「杉下校長、星野GM、せんべい監督、くさもちコーチ、ごまだんご寮長、選手諸君、そしてご父兄のみなさん、まずはおめでとう」
「僕の母校NK学園に勝てなかったことは残念でしたが、来月からの新チームがリベンジすることを期待しています」
「あと私事ではございますが、まだオフレコの話しながら、今秋より中共ドラサンズの監督が立浪和義氏に代わり、立浪氏からの指名もあり、NK学園後輩の福留孝介が2軍監督、私高浪が球団社長を務めることになりました」
「つきましては、まだ誰とは言えませんが、倒壊高校の3年生からドラフトで選手獲得をしたいと思う次第です」
「(一同)おー!すごいことに」
「(中村曰く)びっくりする話でした。でも高浪さんなら強いドラサンズを作れそうです」

「続きましては星野GMからの挨拶です」
「燃える男ニコイチこと、星野です。前回の春大会からGM職を杉下校長から引き継いで、春は優勝。夏は... 止めときますが、優勝できませんでした」
「高浪さんも言っていましたね、新チームでリベンジしましょう」
「ここにいる1軍2年生の4名、2軍にいる1年生、2年生の14名。合わせて18名でがんばれば、来年も甲子園を沸かすことができるはずです」
「選手諸君、一緒にがんばっていきましょう」

「最後にご父兄代表、味噌くんのお父さんの挨拶です」
「3年生生徒味噌の父です。思えば3年前の9月に「僕は甲子園を目指す」と言ったときには、正直困惑しました」
「それまでは、名大医学部に進学してもらえるものと思っていましたから」
「でも、本人の意思は固く、9月から硬球を使った練習、11月からは野球部の寮に入り、野球漬けの毎日」
「学校の席次は下がる一方、今じゃB群で中の下です」
「もうこうなったら、1浪で不治汰学園医学部でいいじゃんと私なんか言っているんですが」
「本人は野球で自信つけたのか「3浪まではさせてください。必ず旧帝大の医学部に行くから」と言っています」
「ありがとうございます。私中村は野球漬けじゃないのにB群です」

運命のドラフトは?

中共ドラサンズの1位指名は、まーくん(麻婆豆腐)、2位指名は辛子明太子くん、3位指名はとり天くんでした。
本当は担々麺くん、キャビアくん、ふぐさしくんも取りたかったみたいでしたが、担々麺くんは広島じゃけんカーブの1位指名、キャビアくんは北海道日本公フーズフーズの1位指名、ふぐさしくんは阪珍タイガーバームスの3位指名でした。
二刀流四天王と内野と外野のスーパースターは、やっぱり人気ありますね。

最後に

愛すべきクソゲー「おかず甲子園」で自分が主人公にした小説を書いたら、どうなるかってことで書いてみました。
楽しめたでしょうか?

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