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小説 おかず甲子園 1年目3月

練習試合 座古川高校戦

3月第1日曜日 練習場にて

試合は36対1で勝ちました。
まーくんは8回に1失点で、最終回はキャビアの調整登板をしました。
ちなみに下記オーダーで春の甲子園大会は戦います。

1年目3月のオーダー
1 キス天 三
2 アジ一夜干し 右
3 辛子明太子 中
4 ハンバーグ 一
5 てっちり 左
6 麻婆豆腐 投 (キャプテン)
7 アボカド 捕
8 イカ天 遊
9 味噌 二
- キャビア リリーフ投手

春の甲子園大会1回戦 海産大学付属高校戦

3月第2土曜日 阪神甲子園球場

「監督、甲子園初勝利おめでとうございます!」
「いやいや、強いチームを作ったGMと選手諸君のおかげです」
「でも、1回裏に9点も取れたのにはびっくりでした」
「で、終わってみれば、まーくん完投の11対3。選手諸君には恐れ入りました」

春の甲子園大会2回戦 EGGハイスクール戦

3月第3水曜日 阪神甲子園球場

「GM、今回もベスト8、おめでとうございます!」
「監督、今回は次も勝ちたいね」
「初回にまーくんが1点とられても、2回の裏に打者一巡で5点取れるんだから、本当に選手諸君はすごいです」
「そして最終回にもう1点取られただけで、まーくんはまた完投」
「8対2って、なんか県大会見ているみたいですね」

春の甲子園大会準々決勝 銀河連合高等部戦

3月第3土曜日 阪神甲子園球場

「GM、ベスト4進出おめでとうございます!」
「昨年の夏を超えられたよ」
「この試合も3回に満塁ホームランありのビックイニングがありましたね」
「5点取れたけど、アボカドの満塁ホームランにはびっくりした」
「そしてまーくんは完封勝利」
「10対0って、ちょっと気持ち悪いわ」

初の試練が...

3月第4月曜日 甲子園球場近くの草野球場にて

宿舎で高校野球見ていたら、コーチからの電話が。
「GM、大変なことになっています!至急、近くの草野球場に来てください」

慌ててタクシーで駆け付けたら、キャビアが蒼褪めた顔で、
「ビーフカレーくんとキャッチボールをしていたら、ビーフカレーくんから爆発音が...」
「おい!ビーフカレー大丈夫か?」
「どうやら肘が爆発したらしい。ものすごく痛いです」

「コーチ、マイクロバスで病院だ!練習は一時中断!」
診断の結果、重い肉離れで、元には戻らない重症でした。

春の甲子園大会準決勝 作作学院高校戦

3月第4火曜日 阪神甲子園球場

「あー!ハンバーグの打球がスタンドイン!」
「GM、勝てましたね。あーあ、しんどかったけど、決勝進められます」
「こういう勝利のときは、あの人が」
「中共スポーツの高浪がやってきますた」

「選手諸君、監督、GM、劇的な勝利おめでとうごさいます!」
「ありがとうございます」

「まずはまーくん、初回ノーアウトで満塁にされ、いきなりのサードエラー。最悪のスタートでした」
「その後の3番白身魚フライくんがフォアボールでしたから、尚更でした」
「続く5番のひれかつくんはファーストゴロで失点したものの、アウトは取れて」
「少しほっとしました」
「でも6番メンチカツくんにはタイムリーツーベース。アウトを一つ増やしたところで、8番かきあげくんにもタイムリーツーベースヒットで、5点も献上、どんな心境でした?」
「いやー、恥ずかしいばかりでした」
「でも、この後立ち直るまーくんは、凄い!10回まで無失点でした。最終11回キャビアくんにマウンドを譲ったことは、監督やGMとは取り決めあったんですか?」
「同点に追いついたときに、GMが何回まで投げたいんだ?と聞いてきたんで、10回と答えました」

「そして1回裏、辛子明太子くんが反撃の狼煙のホームランを」
「ストレートの速い球を思い切って引っ張ったら、ライナーがスタンドに入りました」
「続くハンバーグくんもホームランを」
「辛子明太子くんの真似をしてみたら、僕のも入りました」

「そしてゼロが並ぶ展開に終止符を討ったのはまーくんでした。ワンナウト一二塁のチャンスにタイムリーツーベース、さすがです」
「どうにかしたったです」
「更に続く7番アボカドくんのフィルダースチョイスで1点追加、8番イカ天くん三振の後の9番味噌くん。ツーアウト一三塁と言う同点に追いつく絶好のチャンス、どうでしたか?」
「痺れました!どうにか繋ごうと思ったら、サード強襲ヒットで同点にできて良かったです」

「そして延長戦に入り、最終回の11回表、リリーフしたキャビアくんが8球で三者凡退」
「初登板で失点すれば負け、0点に抑えれば勝ちって展開は痺れました」
「そして11回裏、えんがわの投じた初球、137球目をバックスクリーンに飛び込むホームランで〆ました!ハンバーグくん感想は?」
「まーくんも、キャビアも、味噌も他のみんなもがんばっているので、4番の仕事を自分もこなしました」

「監督、今日のヒーローは?」
「みんなですけど、特に言えば同点打の味噌、決勝打のハンバーグ、2回から無失点で抑えたまーくんとキャビアでしょうね」
「次戦も勝って、尾張名古屋に優勝旗を持ち帰ってください」
「ありがとうございます」

次戦のインタビューは、高浪なのか、荒木なのか。

春の甲子園大会決勝 NK学園高校戦

「あれ?俺って生きているんか?監督!」
「GM!僕も死んでいるかもしれません。おい!キャビア、俺たちをビンタしろw」
(バチン!)(バチン!)
「おー、いてーなw」「おー、いてーなw つーことは、生きているぞ!」
「優勝だ!みんなうれしいなぁ!」

「監督!GM!選手諸君!私高浪の母校、野球馬鹿高校に打ち勝っておめでとうございます!君たち倒壊も野球馬鹿になれましたね!」
「ありがとうございます!野球馬鹿万歳!」
「7回裏にスクイズ失敗したときに、荒木に「おい、倒壊の準備しとけ、俺の母校にも勝てんとは、(倒壊は)屁のツッパリにもならないなぁ」なんて話していました。ごめんなさいw」

「それでは取材しましょうか。まずは1回表に1点取られた裏、幸運が重なったワンナウト満塁。てっちりくんの打球はスクイズのようになり、同点になりましたが。感想は?」
「ツーアウトじゃなかったのが幸いでしたw」
「2回裏はまたまたラッキーが重なり、ワンナウト満塁。アジ一夜干しくんのぼてぼての打球はセカンドからホームへの悪送球で逆転に成功。感想は?」
「案外、大したことないのかな?僕たちと同じ高校生、もしかしたら勝てるかもと思いましたw」
「しかし、4回に2点、6回に3点、7回に1点と取られます。まーくん、感想は?」
「僕から見たら、同じ高校生に見えなかったです。野宮実業以来の負けを意識しました」

「そして、7回裏の反撃。一塁にヒットの味噌くんを置いて、キス天くんのホームラン、あれは鮮やかでした」
「外角低めのシュートを見事に捉え、バックスクリーンへ飛びました」
「尚もチャンスが広がり、ワンナウト一三塁。ホームランが出れば同点の場面で、そのホームランが最も期待できるてっちりくんでした。でも監督はスクイズのサインを出して... 失敗と」
「あれは私の判断ミスです...」

「スクイズ失敗のホームゲッツーという最悪の結果で、私高浪は負けを意識しましたが、8回裏先頭打者のまーくんがホームラン、さすがです」
「ありがとうございます。スクイズ失敗から立ち直って欲しいと思って、打ちました」
「そして、ワンナウト二三塁の同点が狙える場面で、キス天くんが走者一掃のツーベースヒットで、期待通りの同点に」
「右に思いっきりひっぱったのが良かったです」
「とどめは、先ほど「同じ高校生」発言をしたアジ一夜干しくんがタイムリー!エースくさやを引き摺り降ろしました」
「僕は同じ高校生だ!勝ってやる!の一心でしたw」

「そして、最終回はまーくんが〆て、完投勝利。本当に素晴らしい試合でした」
「ありがとうございます」
「最後に監督!今日のヒーローは?」
「スクイズのサインを出した私以外全員ですw」

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