小説 おかず甲子園 another story ep.2-2

アルティメットトーナメントと言う愉しみ

全国大会とは違う愉しみとして、アルティメットトーナメントがあります。
こちらは周回ごとに指名するドラフト選手を9人以上集めたチームが、トーナメントを行うものです。
弱小高校にて、オフシーズンに行われるデストーナメントに趣きが似ています。
こちらは初回挑戦で（予選Eグループの）ベスト8まで行けました。ここでは準々決勝で負けた試合の模様を実況中継でお送りしようと思いますw

倒壊高校 1 - 2 長崎おかず高校

「こんにちは、倒壊高校放送部の中村です」
「本日は、Eグループの3回戦を、Youtube Live でお送りいたします」
「我らが倒壊高校は、1回戦はチーム数の都合による不戦勝でしたが、2回戦の北海道の青龍学園高校戦は、エース担々麺くんの完投で、8対4の勝利でした」

「さて、準々決勝です。対するのは長崎おかず高校。強いのか弱いのか、わかりませんw」
「放送席には、ゲストをお呼びしています」
「倒壊高校野球部を作り上げた漢、これ以外にも業績はものすごく、何と！ 今では中共ドラサンズの取締役GMに！ 日本一の野球馬鹿、高浪守義さん」
「野球でも馬鹿を極めるとプロ野球球団の社長になれます。私、野球馬鹿の高浪です」

「では、倒壊高校のスターティングメンバーの紹介をします」
「1番は投手としての入団も肩の故障により打者転向した不屈の漢 セカンドを守る鰹のタタキくん」
「2番は野手センスの塊 センターを守る生ガキくん」
「3番は野球に求められる能力全てがプロレベル 絶対的エースの担々麺くん」
「4番は白鬼と呼ばれ相手チームから恐れられているアメリカからの留学生 サードを守るフォアグラくん」
「5番はスーパースター的運命の選手 ライトを守る飛騨牛しぐれくん」
「6番は強肩強打の捕手 ホームを守る麻婆豆腐くん」
「7番はフォアグラくんと並ぶ打撃の神様的存在 ファーストを守るブリの照焼きくん」
「8番は走攻守の三拍子揃っているぞ ショートを守るとり天くん」
「9番も三拍子型だ！小さな巨人こと レフトを守るいくらくん」

（4回表まで飛びます）

「これまで先発の担々麺くん、うにくん双方とも点を与えず、0対0で4回表の攻撃に入ります」
「打席には、4番打者のフォアグラくんが入ります」
「ピッチャー第1球を投げました」
「外角低めのスプリットにタイミングが合わないのか、空振り」
「カウントノーボール、ワンストライクで第2球を投げました」
「内角低めのシュートを思い切り引っ張りました！」
「これは伸びるぞ！ホームラン！」
（中略）
「しかしうにくん、後続は断ちました」
「フォアグラくんのホームランによる1点のみの、1対0で倒壊高校のリードで4回表は終了しました」

（中略）

「6回裏の長崎おかず高校の攻撃です」
「依然として1対0で倒壊高校のリードです」
「中村くん、この試合2点取ったほうが勝ちですね」
「高浪さん、私もそう思います」
（中略）
「6回裏もツーアウトランナーなしまで来ました」
「打席には、2番打者のプルコギくんが入ります」
（中略）
「フルカウントから第6球を投げました」
「高めのストレートを気持ちよく打ち返しました！」
「あー、バックスクリーンに飛び込んだ」
「ホームランで同点にされました」
「中村くん、ここで後続を断てるかが重要です」
「高浪さん、その通りだと思います」
「打席には、3番打者のポン酢くんが入ります」
「ピッチャー第1球を投げました」
「縦に落ちるスライダーに手が出ずワンストライク」
「第2球を投げました」
「低めのストレートを気持ちよく打ち返しました！」
「あー、バックスクリーンには飛び込まなかったが、フェンス直撃でツーベースヒットだ！」
「あーあ、でも気を取り直して後続を断ちましょう」
「ツーアウト、ランナー二塁で、4番打者のトンテキくんが打席に入ります」
「ピッチャー第1球を投げました」
「あ、ランナーがスタートを切っています」
「外角低めのフォークボールをキャッチ後、すぐに投げるのですが... ランナーが速い！盗塁成功」
「ツーアウト三塁で、ワンボールノーストライクです」
（中略）
「ピッチャー第5球を投げました」
「外から内へ曲がるカーブを打ち上げた！」
「ショートフライでスリーアウト」
「何とか後続を断ちました」
「1対1で6回裏が終わりました」

（中略）

「9回裏の長崎おかず高校の攻撃です」
「依然として1対1で同点です」
「中村くん、予言になってしまいましたね」
「とほほですが、この回は抑えてもらって、延長戦に賭けましょう」
「打席には、3番打者のポン酢くんが入ります」
「ピッチャー第1球を投げました」
「落ちるスライダーがよく落ちてワンボール」
「ピッチャー第2球を投げました」
「外角低めのストレートを流しました」
「ぼてぼての当たりですが、幸いしてサードへの内野安打！」
「ノーアウト一塁で、4番打者のトンテキくんが打席に入ります」
（中略）
「ピッチャー第3球を投げました」
「外角高めのツーシームをピッチャーゴロでワンナウト」
「この間にランナーは二塁へ、ワンナウト二塁です」
「打席には5番打者のマグロカツくんが入ります」
「ピッチャー第1球を投げました」
「内角低めのチェンジアップを引っかけましたが... サードのフォアグラくん、どこに投げるか躊躇して... フィルダースチョイス」
「あーあ、さっさと一塁投げて欲しかったなぁ」
「ワンナウト一二塁で、6番打者のゴーヤくんが打席に入ります」
（中略）
「ピッチャー第7球を投げました」
「外から内へ曲がるスライダーを引っかけて、ピッチャーゴロ」
「その間にランナーは進塁、ツーアウト二三塁です」
「この回外野に打球飛んでいないのになぁ...」
「打席には、7番打者のうなぎくんが入ります」
（中略）
「ピッチャー第3球を投げました」
「落ちるスライダーを引っかけて... セカンドゴロ...」
「あー、セカンドの鰹のタタキくん、ホームへ投げたぞ」
「あーあ、やっちまった...」
「ランナーの方が脚が速い！」
「長崎おかず高校のサヨナラ勝ちです！」

「外野に打球ゼロでフォアボール、エラーもなく、1安打で負けですか... この後の杉下校長との北新地での会食、キャンセルしようかしらん」