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小説 おかず甲子園 2年目春の甲子園決勝戦(一応最終回)

「EHK名古屋放送局と豊橋支局の700万人視聴者のみなさん、こんにちは。私、倒壊高校放送部の中村と申します」
「本日は、春の甲子園大会の決勝戦を、尾張名古屋と三河のみなさんに偏向放送でお送りいたします」

「なお、我らが倒壊高校は、1回戦の海産大学付属高校戦を、エース担々麺くんの好投もあって、15対0の完封勝利」
「2回戦の作作学院高校戦を、エース担々麺くんの完投で、6対2の勝利」
「準々決勝で、夏に惨敗した焼浜高校との対戦になりましたが、終ってみれば担々麺くん完投で、8対4の勝利」
「準決勝は銀河連合高等部との対戦になりました。途中7回裏に8対7まで銀河連合に攻められましたが、9回表に4点追加。最終回はうにくんにリリーフさせて、終ってみれば12対7の快勝」

「さて、決勝戦です。対するのは、あの強豪NK学園に快勝したおいしんぼ高校。はっきり言って怖いですw」
「放送席には、本日もお馴染みのゲストを4名お呼びしています」
「まず最初は、無能教師、運だけの教頭と言われてん十年w やっと野球部GMで花開いた男、倒壊高校の教頭 杉下茂さん」
「この紹介はいつもながら糞ムカつくんですがw フォークボールは投げられない杉下茂です!」
「お次は、EHKとは仲が悪いことで有名な美容外科医 高津克也さん」
「YES!の後を言うとEHKでは放送事故になる高津克也です」
「お次は、栃木で黒毛和牛を家畜で飼っている謎の先輩 ひでじさん」
「高津の永遠のライバルひでじです。よろちくび」
「最後は、大学進学ではライバル校の赤日ヶ丘高校出身なのに、なぜか倒壊高校野球部応援団長の中共ドラサンズオーナー 犬島宙一郎さん」
「実は放送部中村くんが大好きな犬島宙一郎です。よろしくお願いします」
「主音声では、つまらなそうな解説者の紹介していますが、こっちの方が全然面白いですよ」
「(一同)全くですw」

「では、倒壊高校のスターティングメンバーの紹介をします」
「1番は俊足の切り込み隊長 ライトを守るアジ一夜干しくん」
「2番は先発完投型投手として転校生でやってきたのに、杉下さんには強肩を買われてキャッチャーに転向させられた強肩強打俊足のキャビアくん」
「3番はスーパースターとして特待1期生として入校した センターを守る辛子明太子くん」
「4番は肘の故障を乗り越えて、今や頼れる主軸に サードを守るビーフカレーくん」
「5番は野球に求められる能力全てがプロレベル。転校生でやってきた次の日からは絶対的エースになってしまった 担々麺くん」
「6番は唯一の1年生レギュラー。強打と俊足を買われている レフトを守るお好み焼きくん」
「7番は二刀流として特待1期生で入校。彼も頼れる男です ファーストを守るてっちりくん」
「8番は本来なら4番に座ってもおかしくないスーパースター転校生 セカンドを守るとり天くん」
「9番は唯一のプロパー2年生。中学から倒壊という男 ショートを守る味噌くん」

「試合開始です」
(中略)
「(2番バッターキャビアくんに)2球目を投げました」
「あーあ、当たりました」
「キャビアくん、デットボールで一塁へ」
「(ひでじ曰く)これ、わざとやろw ゴーヤ連に電話しようかw」
「(一同)ないないw」
「続くバッターは3番の辛子明太子くん」
「ピッチャー第1球を投げました」
「あ、打ちました!」
「センター前にポトリと落ちるヒットで、ワンナウト一二塁に」
「(高津曰く)さすが!スーパースター!」
「続くバッターは4番のビーフカレーくん」
「ピッチャー第1球を投げました」
「あ、打ちましたが... ぼてぼての当たり」
「あ、ピッチャー慌てたのか、お手玉を!」
「記録はエラーのようです。ワンナウト満塁に」
「(ひでじ曰く)エラーでもなんでもええで満塁や」
「続くバッターは5番の担々麺くん。大チャンスに担々麺くん」
(中略)
「4球目をなげました」
「あー、これもぼてぼての当たり」
「あーあ、と思ったらショートがホームに悪送球!」
「ショートのエラーが記録されました。倒壊1点目が入りました。ワンナウト満塁のチャンスが続きます」
「(杉下曰く)おいしんぼ高校らしくないですね」
「そうですね」
「(ひでじ曰く)そんな話はどうでもいい!1点入って万歳!」
「続くバッターは6番のお好み焼きくん」
「ピッチャー第1球を投げました」
「あー、平凡なセンターフライだ!」
「と思いきや、まさかの落球!」
「帰塁していたランナーも慌てて走り、2点追加の3点目でワンナウト一三塁に」
「(犬島曰く)こんなこともあるんですね」
「私中村も信じられない気分です」
「チャンスは続くのですが、バッターボックスには7番のてっちりくんが入ります」
(中略)
「2球目を投げました」
「またぼてぼての当たりです」
「今度は無難に処理して一塁送球でツーアウト。その間に三塁ランナーは生還しました」
「ツーアウト二塁。尚も得点圏にランナーがいます」
「(ひでじ曰く)ええでええで」
「続くバッターは8番のとり天くん」
(中略)
「3球目を投げました」
「またまたぼてぼてのショートへの当たりですが...」
「あー、ファーストに間に合わない!とり天の脚が勝った!」
「(高津曰く)とり天くんは俊足ですね」
「記録はフィルダースチョイスが付きました」
「ツーアウト一二塁で、続くバッターは9番の味噌くん」
「第1球を投げました」
「あー、これは会心の一撃だ!辛子明太子くん以来のまともな当たりで、2点追加で6点目が」
「(杉下曰く)意外性の男、味噌くんがタイムリーを放つとチームは盛り上がります」
「味噌くんのライト線に引っ張った2点タイムリーツーベースヒットで、ツーアウトながらランナー二塁でチャンスは続きます」
「打者一巡で、バッターボックスには1番のアジ一夜干しくんが入ります」
「第1球を投げました」
「見事な流し打ちがレフトに飛びました」
「二塁ランナーの味噌くんは生還、そしてアジ一夜干しくんは二塁で憤死!」
「1点追加で7点目が入りました。倒壊高校の非常に長い1回表の攻撃は終わりました」
「(犬島曰く)3安打で7点って草野球みたいですねw」
「(一同)www」

(こんな展開になったので、ずっと端折ります)

「9回裏ツーアウトランナーなしまで来ました」
(中略)
「(1番バッターうなぎくんに)6球目を投げました」
「打ちました。力のない打球がライトへ」
「アジ一夜干しくんががっちり捕球して試合終了!」

「何と倒壊高校の横綱相撲、16対3で倒壊が勝ちました!」
「(一同)まさか、春の甲子園を連覇するとは!」
(一応、完)

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