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小説 おかず甲子園 2年目8月

夏の甲子園大会2回戦 大地育成高校戦

8月第1土曜日 阪神甲子園球場

「昨年と同じ組み合わせでしたが、昨年より余裕で勝てましたね。監督」
「昨年はあんまり知らないけど、あんまり強くない高校だね」

試合は初回から5点も取って、担々麺は初回の1失点だけで完封しました。

夏の甲子園大会3回戦 EGGハイスクール戦

8月第2水曜日 阪神甲子園球場

「GM、結構余裕で勝てましたね」
「ですね、昨年はこの辺で四苦八苦していました」

試合は倒壊が終始リードして、最後担々麺は捕まっていましたが、12-4で倒壊が勝ちました。担々麺はこの試合も完投です。

夏の甲子園大会準々決勝 寄集目大学第三高校戦

8月第2土曜日 阪神甲子園球場

「昨年は勝てなかった準々決勝、辛くも勝てたからうれしいです。監督」
「知らんけどw 勝ったからええわ」
「あ、高浪さん!」
「おめでとうございます。僅差だと取材に来る私、高浪ですw」

「監督、GM、選手諸君、勝利おめでとう!」
「ありがとうございます」
「今から取材をさせてください」

「まず1回裏に先制点への足掛かりを作りながらの2回の盗塁失敗。監督どう思いますか?」
「あんたも細かい人だね」

「4回表に2点先取され、5回裏にようやくできたワンナウト一二塁、バッターボックスはイカ天くん。センターへツーベースヒットを打ち返した感想は?」
「内角高めから落ちるシンカーを素直に打ち返したら、飛距離も出て良かったです。まずは1点でも返さないと」

「しかし担々麺くんは、6回にもソーキそばくんにホームランを打たれ、3点目を取られ、3対1に」
「落ちるスライダーを簡単に流し打ちでホームランにされて、かなりショックでした」
「でもその裏にワンナウト一塁の場面で、辛子明太子くんが見事なタイムリーツーベースヒットを」
「あれは外角低めに落ちるカーブで確実にボール球ですよね。よく打ち返すことができたと自分でも思います」

「その後もちくはぐな攻撃が続くものの、担々麺くんが投げぬいた9回裏、まずは担々麺くんのホームラン、続いてまーくんのホームラン、圧巻でした!」
「ありがとうございます」

「監督、今日のヒーローは?」
「あんたみたいな細かい人は嫌いや」

8月第2日曜日 北新地の某串揚げ店

「杉下さん、今日は飲みますよ!」
「高浪さん、どうされました?」
「僕はバントや盗塁のサインの多い監督は💩だと思っているんですよ」
「あー、確かに。高校野球の監督って、そういう手合い多いですよね」
「で、先日紹介した、元調味義塾のアレ」
「あ、今の監督ですね」
「アレは、あんまり積極的でないという触れ込みで紹介したんだけど、超いまいち」
「あ、昨日の監督インタビューもちょっと険悪でしたね」
「そうそう。と言うことで、恐らくは契約の問題ですぐにはクビにできないと思うけど。秋の県大会中にはいい人探すから」
「わかりました」
「紹介しといて、クビにしろという自分も大概💩だと思うから、今日は自棄酒なんですよ」
「高浪さんの自棄酒初めて見るから、興味津々」
「そうやって、かまってくれるから、杉下さんは好きやわ」
「たまには、アスパラガス(のフライ)とヘネシーのジンジャー(エール)割りで乾杯!」

夏の甲子園大会準決勝 焼浜高校戦

8月第3水曜日 阪神甲子園球場

「あー、惨敗ですね。GM」
「ですね、今までえんがわも、くさやも攻略できたのに、まつたけには勝てなかった」
「惨敗の責任は私のクビでお願いします」
「わかりました」

試合は、担々麺が完投するものの、9回表2対1で1点ビハインドの場面から、焼浜4番のはまぐりに3ランを打たれ、万事休す。
その裏の攻撃は、ツーアウトランナーなしでハンバーグがソロホームランを打つがそれだけ。5-2で焼浜の快勝。

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