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ノンフィクション代表・荒谷の半生②【世界を舞台に広い視野とコミュニケーションの大切さを学ぶ】

日本の通信・IT業界の変遷とともに歩んでたノンフィクションの代表、荒谷。前回は、NTT時代のエピソードから、仕事の本質について考えはじめたきっかけをご紹介しました。

今回の舞台は、NTT国際本部時代。1990年代後半、NTTは国際進出の規制緩和を契機として、世界に羽ばたこうとしていたころの話です。荒谷は、この大きな転換期に重要な役割を担っていきました。

経理から突然「国際本部」へ異動

「実は、国際本部への異動は私にとって予想外でした」と荒谷。「私はそれまで財務経理の仕事をしていましたが、ある日突然、『お前、英語できるか?』と上司に聞かれたんです」。当時、NTTは国際化に向けて急ピッチで準備を進めており、語学力と専門知識を兼ね備えた人材を探していました。そこで荒谷に白羽の矢が立ったと言います。

「正直、私の英語力はそれほど高くなかったのですが、財務経理の知識には自信がありました。『やってみます』と即答しましたね」。

この決断が、荒谷のキャリアを大きく変えることになりました。国際本部に配属されてみると、そこはまったくの新しい世界。国内事業とは異なる課題や可能性に直面し、「毎日が学びの連続でした」と振り返ります。特に印象に残っているのは、各国の会計基準の違いに対応する必要性だったそうです。

「日本の会計基準をベースにしていては、国際ビジネスは成り立ちません。各国の制度を学び、それを統合するシステムを作る必要がありました」。

海外拠点のシステム統一化に尽力

NTTの国際本部では、主に外貨建て系システムの設計・構築・実装を主導し、海外拠点のシステム統一化に尽力しました。「世界中の拠点がバラバラのシステムを使っていたんです。統一するのは大変でしたね」と荒谷。

仕事は、単なるシステム構築にとどまりませんでした。世界各地を飛び回り、現地スタッフとの直接のコミュニケーションを大切にしたのです。「言葉の壁はありましたが、経理の仕事は世界共通。身振り手振りでなんとかなりました」と話します。この経験は荒谷に大きな気づきをもたらしました。

「外国人の方々が日本について詳しいのに、私は日本のことをあまり知らない。これではいけないと思いました」。

また、1998年のサッカーワールドカップでは、スイスのジュネーブで日本代表を出迎えるという貴重な経験も。「日の丸を持って迎えに行きましたよ。仕事以外の面でも忘れられない思い出です」。

これらの経験が、後の荒谷のキャリアに大きく寄与。世界を相手にビジネスを展開する視野の広さ、異文化コミュニケーション能力、そして自国の文化や歴史をしっかりと理解することの重要性を学んだと言います。

「この時期に得た経験と気づきが、今の自分の基盤になっています」。この国際的な経験は、後にベンチャー企業の支援や自身の会社経営にも活かされることになりました。


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