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建設業界の経験から学ぶ「地方DX」の教訓と実践
ノンフィクションは、地方企業のDX推進支援を通じて、伴走型のコンサルティングを実践しています。そのスタイルは、単なるDX推進やICT化に留まらず、DXの推進を通じそこで働く従業員のスキルアップや思考も同時にバージョンアップしていく点に特徴があります。
今回は、ノンフィクション代表荒谷が実際に関わった建築業界の経験から、「地方DX」についてどのようなコンサルティングプロセスを築いてきたかを、ご紹介します。
M&Aから始まった企業再建プロジェクト
荒谷が携わった、とある中小企業のDX推進プロジェクトでは、買収後の現場が直面する不安や課題に深く向き合う姿勢が成功の鍵となりました。「買収された会社の従業員の多くは、将来に対する漠然とした不安を抱えていました。そこで、彼らの声を直接聞くことから始めました」と荒谷は振り返ります。
ノンフィクションのコンサルティングプロセスは、丁寧なヒアリングや資料の読み込みを通じた適確な現状把握に始まり、課題の特定と解決策の立案へと進みます。
たとえば、このプロジェクトでは、従業員との対話を重ねる中で不満点を整理し、給与体系や労働条件の改善策を提案しました。DX化はそれを達成するために不可欠であるということを理解していただいてから進めることで、買収後の従業員の信頼を同時に回復することにも繋がったのです。
従業員へのヒアリングから経営方針の転換に
全従業員を対象としたヒアリングを実施し、企業文化の課題を洗い出しをした結果過去の管理体制に対する不満や、新しい経営陣に対する不安を抱える人が多くいることがわかりました。これらの声を集約し、経営陣と共有することで、経営方針の改善に反映させました。
また、DXの推進に伴い従業員のスキルアップ支援にも力を入れました。DX/ICT推進を新たな経営陣が強引に行ってしまうと、高齢者が多い従業員との間にハレーションを引き起こす可能性が高いため、「このあたりは丁寧に進めましたね。現場全体の能力向上を目指しました」と荒谷は言います。
このように、単なる経営統合によるDX推進ではなく、企業全体の成長を目指した包括的なアプローチが取られました。
その結果、「DXの推進は、人を中心に据えるべき」と荒谷は語ります。その哲学に基づき、ノンフィクションは経営者にも従業員にも寄り添い、地方企業が新たな成長を実現できるよう尽力しているのです。