俳句実況 勝手に鑑賞ごめんなさい 番外編 プレバト春光戦 2024
プレバト春光戦 2024 3月28日放送
自分の覚書としてプレバト春光戦の鑑賞を勝手にさせていただきます。
まずはやはり村上さんの句から・・・かな?
8位 花曇昼夜の区別なき赤子 村上健志
添削:花ぐもり夜を泣き昼を泣く赤子
今回は「説明的」と言うことでこの順位になってしまいました。
この「説明的」というのは俳句のダメ出しの中でも上位のあるあるですが、始めたばかりの頃は(いいや今でも?)本当に悩まされました。
とにかく意味が分からない、「説明的な句」と「説明的じゃない句」の区別がつかない、歳時記に載っている句でも「これは説明的じゃないの?」なんて突っかかってみたり・・・
年月を重ねるうちに自分なりに分かってきたというか、自分が作るときに気をつけているのは「まるっと纏めてはいけない」ということ。業務報告風ではなくおしゃべり風、まるっと纏めるのではなく、いかに映像として目に見えるように描くのか・・・ 今回のこの村上さんの句の添削はその点が分かりやすかったです。
今回は全体的に自分の好きな句、腑に落ちる添削が多かった回でした。
では気になった所だけ勝手に鑑賞させて頂きます。
決勝1位 出郷の車窓を叩く飛花落花 千賀健永
個人的にとても好みな俳句作家である千賀さんが優勝で嬉しい~
この句もお題の「桜」真っ正面から取り組んでいて、しかもかなり類句がありそうなシチュエーションを見事な一句に仕上げましたね。
「出郷」という少し古風というのかレトロな言い回し、「車窓を叩く」のが「飛花落花」という大仰な、でもそれが心象風景に重なっています。
いいベタが一番いいという見本のような句です。
予選1位 苗代の桜や鬼の住まいする 梅沢富美男
これは文句なしの予選一位だな、と思いました。
他の句とはスケールの違いを感じました。
一瞬意味が分からなかったのですが、それでもいい、いやむしろそれがいい、というのか・・・
昔話のような、日本人のDNAに訴えかけるようなインパクトのある句です。
予選2位 刑務所を囲む桜の仄白き 千原ジュニア
夏井先生も仰っていましたが「を囲む」が上手いなあ~と。
同じ光景を見たら「あ、俳句にしたい」と思うことでしょう。
でもこんな風には中々ね・・・
予選6位 さくらさくらむすめのたましいのいろ 犬山紙子
添削:さくらさくら子のたましいのさくら色
犬山さんらしい愛情深くポエティックな句ですよね。
ただこれは本当に添削の方が分かりやすく、より多くの人に訴えかける句になったなあと思いました。
予選7位 濠の端の羽音走りて初桜 中田喜子
添削:濠の端を羽音走れり初桜
とても繊細な日本画のような風景ですが、こちらも添削後の方が分かりやすさがグンと増してきます。