フィギュアスケート21‐22 覚書②   かなだいとアイスダンスあれこれ

フィギュアスケートファンになってかれこれ20年近く経つけれど、ここ数年はTV放送をチェックするくらいのゆる~い「お茶の間スケオタ」     最近はスケートのことで頭が一杯になったり、試合を見て胸が締め付けられるような気持になるのことはあまりなかったのだけれど・・・
今シーズンはオリンピックもあり、気になる選手のこと、プログラムのことを自分の覚書として記します。

かなだいの二人がカップルを結成し、北京オリンピックを目指すと聞いたとき真っ先に思ったのは「トップアスリートというのは何という欲の深い人種なんだろう」ということでした。
二人ともこれまでスケーターとして日本人初の記録を出し、特に髙橋さんは引退後もレジェンドスケーターとして数々の興行を成功させている。この期に及んでまだアスリートとしての実績を手に入れたいのかと・・・

ちょうど四年前、平昌シーズンにテサモエ組が現役復帰した時も同じことを思いました。あちらはさらにスケールの大きな欲の深さ・・・過去のオリンピックで金銀メダルを獲っていながらさらにもう一回金メダルが欲しいということでした。
平昌での演技は凄まじいほどの執念、熱量を感じました。その結果、金メダル候補のパパシゼを下しての勝利。そのシーズンのパパシゼには技術、芸術どちらも死角はないと思われましたが、執念、熱量だけは足りなかったのかもしれません。
テサモエの優勝が決まった瞬間TVの前で「うほっ」と変な声を出してしまいました。自分自身もその執念にねじ伏せられたような、完敗したような・・・フィギュアスケート見ていて初めて味わった気分でした。

で、かなだい、祝☆四大陸銀メダル。
オリンピックシーズンの四大陸とはいえ、これは本当に凄いことなんじゃないでしょうか!?
自分はもともと髙橋大輔大好き勢ですし、外連味のあるもの、インパクトがある分かりやすいものに目がない質ですので、昨シーズンからこの組の演技を見るのが楽しみでした。二人とも天性の「華」というこの競技では圧倒的に有利になるものを持っていて、演技を始めると自然と目が離せなくなる。
何が凄いって、RD、FD共にあんな派手なコスチューム、違和感がなく着こなす選手って、フィギュアスケート界広しと言えども中々いないと思います。

NHK杯からワルシャワ杯の快進撃・・・この勢いは全日本でも有利に働くんじゃないか?と思いましたよね。彼らの今シーズンの進化はもちろんですがそれ以上に、マスコミの取り上げ方、注目度、人気・・・による後押し感がハンパなかった。皆、彼らの華やかさに目眩まされたように、日本のアイスダンス界を変えてくれるんじゃないか・・・と浮ついていました。
正直、小松原組が気の毒になるくらいでした。スポーツの世界では仕方のないこととはいえ、相手が悪い、タイミングが悪すぎたと。なので、全日本でミスをするなら小松原組の方ではないかとも思っていました。
ところがどっこい、な結果になってしまったのですが、全日本で平常心を保ち、自分のやるべきことをやった小松原組にはただただ恐れ入りました、甘く見ていてごめんなさい、という気持ちになりました。

かなだいは全日本、四大陸と続けて転倒という手痛いミスになってしまいました。アイスダンスにおける転倒って、シングルとは全く違うものなんじゃないかなと思うのです。実際の減点以上にジャッジの心象が悪くなるんじゃないかなあと。(その昔、旧採点時代はシングルでも転倒=アウトのイメージでしたね)
このカップルは普通何年もかけてやるようなことを1~2年で仕上げてしまいました。技術的なことは出来てしまったのかもしれませんが、やはり、二人で滑るという土台の部分はまだまだ経験が足りないということでしょうか。
さあ残るは世界選手権・・・特にRDは「日本をテーマにしましたよ」に終わらずに、日本土着でありながらクールでかっこいい!に昇華させた今まで見たことがない和プロだと思います。対して、FDはバレエというコンサバな演目を持ってきました、このコントラストはとてもいいと思います。なるほど「ラ・バヤデール」はエスニックな雰囲気のある二人にぴったりで、アジア人スケーターのバレエプロにはこういう手があったか!?と一つのロールモデルにもなったのではないでしょうか?
ぜひぜひ世界選手権では今期最高の演技ができますように!
(どうか、どうか転倒しませんように・・・)




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