登山者を殺す『疑似好天』の観測in那須
こんばんは。
今日は2023年11月18日に那須で見られた『疑似好天』のことを書いていきます。
そもそも『疑似好天』とは?
一時的には天候が回復するがすぐにまた大荒れになるような一時的な晴れ間のことを言います。
実はこれ、かなり怖いです。
あまりにも天候が急変するからです。
そして大きな気象遭難が起こるときはこの天候急変が多く関わっていると思います。
その一部始終を書きます。
この前の月に那須で起こった気象遭難は4名もの方が亡くなりました。
那須は風が強くて有名とよく聞いていたのでどんな地形をしているのか確かめたくて訪れました。
前日の17日は二つ玉低気圧が接近し10時頃までは大荒れでした。
ロープウェイは動いていたものの、スタッフさん方みんなに心配されました。
雨雲レーダーを見て弱まるタイミングを見て出発。
茶臼岳では霰が顔に当たって痛かったですが風も弱まり三斗小屋温泉煙草屋さんに無事到着。
素晴らしい露天風呂に入りながら空を観察すると次第に青空が。
次の日の天気図は冬型になるので荒れる前に帰ろうと思って就寝。
ここから18日の記録を写真とともに。
はい、快晴です。まず思ってた天気図以上の晴れ、風もかなり弱い。
最高の登山日和ですね。多くの人がこのままルンルンで登山するでしょう。
これはちゃんと予想していましたがさすがに日本海側には多くの雲が。
一番高いとこで横にビヨーンと伸びているのがかなとこ雲。
さて、雲が出てきました。
隠れてて見にくいですがレンズ雲もあります。
(レンズ雲は悪天の前兆になることも、とにかく風が強い時に現れます)
雲の底にあるもやもやが尾流雲。雨や雪が途中で蒸発している。
この天気の急変は風の急変から始まる。風向が変われば風上側を要チェック。
「あの雲やばそう」と思ったらヤバいです。逃げましょう。
尾流雲が地面につけば降水雲になり雨や雪をもたらす。
ここに積雪があればホワイトアウト。
風下側の登山口でこれなので稜線はなかなかひどそう。
無事下山。
今回は荒れたのが遅かったため特に事故はなかったです。
が、朝の快晴が同じで天候の急変が午前中に起こってしまうと多くの方が稜線でこの雲に直撃してしまいます。
今回の天気の急変にあわないために。
天気予報を見る。ただしテレビ等地上の予報ではなく山専門の信頼できるものを見る。
天気図を疑い、今の空も疑う。
今回は朝の天気が快晴でしたが冬型に移行すれば天気は崩れると思っていれば慎重な行動になると思います。
エスケープルートをしっかり把握する。(風下側or樹林帯)
風上側の雲を意識する。
以上、個人的に大興奮な疑似好天でした。
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