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子供の頃からの習慣の違い【日々のこと】

ひと昔前の話で恐縮ですが、会社勤めの友人と居酒屋で吞んでいました。彼は新入社員が電話も取れないと嘆いていた。私は仕方がないと思いました。物心をついた頃から携帯電話があって自分宛ての電話しか取ってこなかった世代。「上司に取り次げ」「要件聞いとけ」はコチラの想像以上に難作業なのだろうと思われました。

「でも2、3回もやれば出来ることない?」

私の共感が得られず食い下がってきた彼。その言い分は固定電話しかなかった時代を過ごした者だけの感覚だと、やはり共感が出来ませんでした。子供ながらに電話を取って見知らぬ大人相手に名前を伺い、親に取り次いだ習慣があってこその2、3回だと、口にこそ出しませんでしたがイマイチ顔で酒を舐める。

ちなみに私は海外経験が1回、むしろ無いと言っていいです。だからチップの文化が解らない。そんな私が2、3回のレクチャーで「もう覚えたね!」なんて放り出されたら、ツアーコンダクターにしがみ付いてしまいます。どの業種のどの人にどのタイミングでいくら渡せばいいのかチンプンカンプンです。頬を触れ合うような挨拶だってそうです。誰でもするの?異性で変わるの?どこら辺にどの程度?右から左から?そもそも何回?挨拶というよりもお焼香前の気持ちになってしまいます。

話が変わりますが、私の父は更に上の世代なのに珍しくも母を褒める人でした。人前で、子の前で、二人きりでも褒めていたと思われます。おかげで私も妻を褒めます。「キレイだ」「優しい」「美味しい」「似合う」なんの躊躇いもなく口癖のようになっています。そういう習慣だったから、そういう人になっただけ。それでも夫婦仲にとっては良い癖がついたものだと思っています。

話は戻って居酒屋ですが、話題は変わっていて「夫婦仲が悪い」と彼がこぼした。「奥さんのことって褒めてる?」と私が聞くと質問が矢継ぎ早に飛んできました。いつ褒めるの?何を褒めるの?どのタイミングで?どんな顔して?俺から褒めるの?アイツは褒めない。アイツが褒めたら俺だって褒めてやる。

父に感謝するとともに、彼が新入社員に手こずる気持ちも実感出来ました。もう少し共感しとくべきだったと、そして話題を変えなきゃよかったと、酒を煽ってはお茶を濁したという、ひと昔前の時代にあった身の上話です。

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