チェンマイの定番パン屋「Nana Bakery」:おいしいパン屋は意外と少ない
タイのセブンイレブンに売っているパンは、正直あまりおいしくない。日本のセブンイレブン感覚で菓子パンを買うと、がっかりすることが多い。今回は、そんなチェンマイのおいしいパンチェーン店「Nana Bakery」を紹介する。
タイにパンの文化はない
そもそもタイで、パンという概念はあまり発展していない。というのもアジア諸国のパン事情について、よく言われている定説がある。それは、植民地宗主国によって大きく左右されるということだ。例えばフランス領になった経験のある国は、パンがおいしいと言われている。ベトナムなんかがそのよい例だ。反対にイギリスの植民地になった国では、パンの文化は存在するが、味はあまり期待できないと言われる。ミャンマーへ行ったとき、バスで配られた車内食のパンはとても不味かった覚えがある。
しかしタイは、どこの国の植民地にもならなかった国。パンを好む欧米人はタイに定住してこなかった。そのためパンを製造するという概念が発達しなかったのだ。しかし観光化が進んできたここ数十年間、多くの欧米人がタイへ訪れるようになった。最近ではチェンマイなどで、外国人がパン屋やカフェを開くことが多い。本場の国から来た人のお店は、たいていおいしい。しかしローカルなお店のパンには、あまり期待ができないのが現状だ。
チェンマイのおいしいパン屋さん「Nana Bakery」
そんなチェンマイには、おいしいベーカリーがある。その名は「Nana Bakery」。チェンマイ市内に6店舗を構える安心のパン屋さんだ。並んでいるパンは豊富なラインナップ。クロワッサンなどの定番パンから、キッシュやピザなどの本格パンまで様々だ。
もちろん味もおいしい。ベーコンやソーセージを使うパンは、タイで特にはずれが多い。しかし「Nana Bakery」のパンは、クオリティの高いベーコンやソーセージが使われており、おいしく頂くことができる。そしてタイにはあまり根付いていないチーズやほうれん草を使ったメニューも豊富だ。行くたびに今日は何を食べようかと迷ってしまう。
市内のカフェのほとんどは「Nana Bakery」と取引している?
チェンマイ市内のカフェに必ずと言ってよいほどある、クロワッサン。しかしいつも頼んでいると、あることに気付き始める。それは、どの店も同じクロワッサンではないかという事。チェンマイ市内に無数にあるカフェ。もちろん独自に作っているお店だってある。しかし彼らの多くは毎日クロワッサンを作っているとは思えない。どこかに発注しているのだ。
あの形とふわふわ感。そう「Nana Bakery」のクロワッサンそのものだ。また街を歩いていると「Nana Bakery」と書いたトラックが走っているのをたまに見かける。私の想像でしかないが、チェンマイ市内のカフェは結構な確率で「Nana Bakery」のクロワッサンを取り扱っているのではないかと思う。真相はわからないが、高品質なクロワッサンが至る所で食べられるとは嬉しいことだ。みなさんもチェンマイを訪れた際には、「Nana Bakery」のパンを試してみてほしい。