かめきち vs おーくぼ
英語で生活していたとき「vs.(バーサス)」という表現を割と使っていた。この「vs」は必ずしも「阪神 vs オリックス」のように「対立」を表すだけではない。単純に「異なる二者を比較する」ために用いられることが多い。
はい、これテストに出まーす。(出ません。)
先日「こどもリハビリかめきち」のかめきち先生🐢と「繊細さんへの物事の伝え方」について話す機会があった。我々は日頃から子どもの話ばかりしているのだが、面白いことにおーくぼとかめきち先生の思考回路はほぼ真逆であることが分かった。
という事で、かめきち vs おーくぼ スタートです。
1.HSPさんに伝えたいことがある時の かめきち vs おーくぼ
HSPという言葉をご存知だろうか。
Hyper Sensitive Person (ハイパー センシティブ パーソン)の略称で、日本語では往々にして「繊細さん」と呼ばれる性質を持った方々の呼称である。
書籍「気がつきすぎて疲れる「繊細さん」の本」(武田友紀 著, 飛鳥出版)などを筆頭に、近年になって俄かに浸透してきたパーソナリティのひとつである。
この繊細さんに向けて「何か伝えるとき」に、自分だったらどんな意識で、何を、どう伝えるのかについて話し合ったところ、我々の取る行動が真逆だったというわけだ。
【前提条件】
まず、今回のロールプレイにおける前提条件を述べる。
対象(以下Aさん)は、架空の人物である。
AさんはHSP、いわゆる「繊細さん」である。
Aさんは、私の仕事をする上での部下(的な)立場にいて、とあるタスクについて間違った方法を覚えてしまっている。
我々はそれを訂正する立場にあり、どうしてもAさんに対してその間違いを指摘しなければならない。
という状況だと仮定する。
以上を踏まえた上で、我々はどうやってAさんに物事を伝えていくだろうかというロールプレイである。
準備はいいだろうか?
それでは、参りましょーう。
ROUND1:感情的に伝える or 感情を込めない
まず、かめきち先生(以下🐢)のターン。
🐢:自分目線の感情を入れないように話す
「自分目線の感情を込めて話すと、私情が絡んで指摘がブレる。言っていることをいつも統一させて相手を混乱させたくないから自分目線の感情は入れない。」
🐢:客観的事実を述べる
「指摘に感情が入ると人格否定っぽく受け取られるリスクがあるかな?と思う。あと、感情を入れると『みんなのことベース大好きだから、大丈夫♡』ってなって問題の解決にならない私のパーソナリティ(笑)」
と綴ってくれた。理路整然としていて実に正しい。
それに対しておーくぼ(以下🥸)のターンである。
🥸:自分目線の感情を入れ込んで伝える。
「感情は込める。ただし、抽象的かつ肯定的なことに限る。正しいとか間違っているとかは一旦置いといて、ここまで歩んできた「過程」を肯定する。例えば、『あなたの存在の「ここ」が好きなんですよね!』『ほんま毎日頑張っててすごいと思ってるんですよねぇ』『いっつもありがとうございます』みたいな感じ。」
🥸:客観的事実を伝えるのは最後の砦。
「相手が「感情」というフィールドで戦っているときに、「理論」という武器を持ち込んではいけない。感情をよく拝聴し、理論が通じる様な状態?関係性?気持ちの余裕?を整えて、聞いてもらえる準備ができてからいよいよ最後に客観的事実をお伝えする。」
「いきなり理論で言われると、どんなに正しかろうが優しい言葉遣いだろうがツラい。」
以上がそれぞれの意見だ。
🐢:自分目線の感情を入れないように話す。
🥸:自分目線の感情を入れ込んで伝える。
🐢:客観的事実を述べる。
🥸:客観的事実を伝えるのは最後の砦。
のっけから真逆をいく私たち。
まだ始まったばかりだ。
ROUND2:解決策の提示方法
続いては「解決策の提示方法」について話し合ってみた。
「伝える」という目的は一緒なんだからそこまで変わらないでしょ?と思ったワタシはまだ甘かった。まずはかめきち先生のアンサーから。
🐢:本人にある程度解決策を提示する
「(自分が上司的な立場で)動いていただいている立場だったり、協力していただいている立場上、ある程度のロールモデルを提示して道のりを分かりやすくすることは重要だと思ってる。舵取りをするみたいなイメージ。」
責任感あふれるかめきち先生らしい方法である。
対しておーくぼはというと…
🥸:本人にある程度解決策を出していただく
「結局のところ人は、自分で考え出した解決策しか頭に残らないし、身に付かない。なので、相手に考えてもらうきっかけを作る。それで相手が出した解決策を聞いて「それは違うやろ」ってなっても、『なるほどねー面白いねー』って受け止めてから『こういうケースはどうすればいいかな?』って別のケースを投げかけて、また考えてもらうのを繰り返す。」
解決策を提示する vs 解決策を提示してもらう、だと…?
いよいよケンカになってもおかしくないくらい真逆である。
ROUND3:感謝の伝え方
🐢:聞いてくれたことや受け入れてくれたことに関して感謝を示す。
🥸:感謝は最初。日頃の頑張りや時間をとってくれたことにまず感謝。最後は、次に繋がる課題を課しておわる。
これに関してはシンプルに書いとく。
今回のロールプレイは以上だ。
2.こんな真逆なやつとはやってられねぇ
実は他にもいろいろある。
基本、人に好かれていると思っているかめきち。
基本、人に嫌われていると思っているおーくぼ。
(性善説と性悪説的な?違うか。)
ロジカル思考 vs アート思考
直感型に見える理論派 vs 理論派のフリした直感型
シテアゲル理論 vs ナニモシナイ理論
(これについては別の機会に書きたい)
とにかく真逆なワタシタチ。
こんな真逆なやつとはやってらんねぇ!となってもおかしくなさそうだが、そうはならないのが面白いところである。むしろ相乗効果、やりたい事は加速している。我々のパーソナリティは真逆だが、共通の目的・目標の意識が共感しあっている。
なんか多分そんな感じ。
2-1 だからこそ話すことに価値がある
おーくぼはかめきち先生にはなれない。
一方で、かめきち先生もおーくぼにはなれない。
なる必要もない。
皆さんもそうだと思うが、彼女から学ぶことは山ほどある。これからも、誰も踏み入れたことのない新天地を切り拓き、突き進んでいくのがかめきち先生だろう。おーくぼには無いものを全部持って、今日もなにかと戦っている。
かっこいいよね。
そしておーくぼもまた、かめきち先生には無いものを持っている(たぶん)。だからこそ我々はいろんな話をするし、お互いに新しい発見を提供することができる。そしてお互い学んだことを活かして、今日も目の前の子どもの暮らしがちょびっとでも良くなるようにこの身を捧げている。(比喩と見せかけた直喩)
そういった意味で真逆の価値観で、かつ同じ目的地に向かう意義は大きい。
2-2 これが人類補完計画だったのか。
某人造人間アニメ・エ○ァンゲリオンの某ゲンドウ氏は、異なる人々がひとつに溶け合うことで、争いやすれ違いを防ぐことを目指した。
これを人類補完計画という。
確かに人間は不完全で多種多様だ。
でもひとつに溶け合ったって何も解決しない。
(てか溶け合えない。物理的に。)
本当の意味での人類補完計画とは、「足りない所を曝け出しあって、不完全を補完し合おうとする過程と結果」ではなかろうか。
そんな気がする。
いつも足りないところだらけのおーくぼを補完してくれている皆さんには、心の底から感謝しかない。まったく、大切なことはいつもマンガとアニメが教えてくれやがる。
2-3 僕たちはどう生きるか
以上が、かめきち先生との会話と講釈である。
あまりにも真逆で面白かったという備忘録だ。
私たちはよく仕事を一緒にする。
多分これからもする。
子ども達がよりよく生きていく環境を作る使命感に駆られているからだ。大きな目標を描いたとき、そこに同調してくれる人がいるのは幸せだ。また応援していただけたら嬉しいなっ