会社を辞めて1年。0地点に戻り、また最初から、新しく描き始める時期だった。
私は昨年11月に会社員を辞めて、もうすぐ1年になります。
今は、カウンセラーになるための勉強に一番エネルギーを使いたいので、必要最低限の仕事(バイト)をしています。
正直、不安はずっとあるのですが、会社を辞めて1年経って言えることは「立ち止まってよかった」ということ。こんなにも自分について考えた時間が今までなかったからです。
今回はこの1年間を簡単に振り返りたいと思います。
会社員の、わたし
会社員として働いていた頃、仕事のことが頭から離れず、休みの日でも休めていない、楽しめていない自分がいました。当時は、シェアハウスという名の一つ暮らし、東京在住、会社員、という立ち位置だったため、その環境に慣れようと努力しました。しかし、いくら頑張っても自分に合わないため、自分自身を苦しめていました。
前に進めば進むほど、自分の体調は悪化するばかり…。「仕事は辛くて当たり前なもの」「大変じゃない仕事なんてない」「みんな頑張っている」が口ぐせになり、仕事を辞めない理由を必死に探していました。今考えると、ちょって追い詰められていて、「この仕事を辞めたら生きていけない」と本気で思っていました。余裕がなさすぎる、危うい自分でした。しんどい自分に少しずつ気づいて「ここは勇気を持って立ち止まらないと、目の前が真っ暗のまま‥。怖いけど、立ち止まる選択をしたい。」と思うようになりました。
立ち止まった、わたし
会社を辞めてから、実家に帰ることにしました。とにかくこの環境から逃げたいと思いました。東京から自然豊かな実家に戻り、今でもホッとしたことを覚えています。引越しの段ボールが実家に届いたので、荷ほどきと部屋の整理から始めました。部屋の整理は、会社に入社してから1回もできておらず、会社を辞めたら絶対にやりたいと思っていたひとつでした。
その他にも、自分のやりたかったことに時間をたっぷり使いました。心の底から楽しむためにも、この時期だけは、仕事のことは考えないようにしました。ただひたすら自分のやりたいことをするだけの時間をつくりました。それが、今まで頑張ってきた自分へのプレゼントだったのだと思います。その時は、自分の中からエネルギーが満ち溢れてきて、気持ちが明るくなっていました。
1ヶ月間、自分のやりたいことに時間をつかった後は、本題の「これからの仕事」について考えていきました。「自分のやりたい仕事は何だろう…?」というテーマを真剣に考え始めたのは2回目。1回目は就職活動の時。その時と違うのは、やはり社会人経験があること。自分の部屋や喫茶店にこもって、会社員の時に自分が書きためていたメモの整理をしながら、どんな仕事をしていきたいのか考え続けました。
不安でいっぱいな、わたし
メモの整理ばかりしていると、一周回って何がやりたいのか分からなくなっていました。「どうしよう…」「1か月半もメモ整理したのに、自分の進みたい方向が分からない。これからどうすれば…」と勝手に落ち込み始めました。会社を辞める前の私は、このメモを整理をすれば何か見つかるはずと信じていたからです。
途方に暮れている時、たまたま立ち寄った本屋さんで、ある本に出合いました。それは、個人事業主として仕事をしている、カウンセラーさんが書いた本でした。ペラペラとページをめくって読み進めていくと、いつのまにか涙がこぼれていました。「あぁ、そうだ。私、心理学に興味があって、カウンセラーになりたいと思っていたんだ。そんな気持ち、もうとっくに忘れていたな…」と絡んでいた糸がスルスルと緩んでいきました。
勉強を始めた、わたし
その後、本の著者でもあるカウンセラーの方のカウンセリングを受けて、「カウンセラーを目指したい」という気持ちが強くなり、勉強を始めました。しかし、一切働かず、勉強だけの生活は不安だったため、アルバイトを始めました。学生以来だったので、なんだか懐かしく感じました。オープニングスタッフだったので研修を受けたのですが、今まで研修を実施する側だったので、研修を受ける側になったのが新鮮でした。あくまで、勉強をメインに時間を使いたかったので、バイトは週3回にしました。
勉強は、通信講座から始めて、4月からは産業カウンセラー講座に通いました。自分の進みたい方向が少し見えただけでも、気持ちが少し前向きになりました。
いろんな考え方を知った、わたし
産業カウンセラー講座に通い、一番収穫だったのは、カウンセリングの練習ができたこと。やはり、実際に自分がカウンセラー役やクライエント役(相談者)になって体験しないと分からないことだらけでした。
また、ほかの受講生の考えや感じ方を知ることができたのも大きかったです。自分という、1人の人間の考え方しか知らなかったから、周りがどんなことを考えどう感じているのかを知ることで、「そんな考え方もあるのか!」「同じ場面に遭遇しても、この方はこうゆう捉え方をしているのか!」という気づきが多かったです。私がいかに悲観的な考え方をしていることに気づかされました。
産業カウンセラー講座終了後、今は試験に向けて勉強を続けていますが、直接出会った人だけではなく、note、TV、本、インタビュー記事など、その人がどんな考えや感じ方をしているのかを知ることが学びになります。それが、新たな気づきになりますし、自分を知るきっかけをくれます。
やってみたい気持ちと、わたし
「カウンセラーになりたい」という気持ちに気づいてから、勉強を始めて、実際にカウンセリングを受けたり練習をしてみて「なりたい」という気持ちがより強くなりました。新しい何かを見つけたというより、やりたいことは私の中にあったもので、それを実際に学んで体験したことで「なりたい」という気持ちがより強まったという感じです。「なんとなくカウンセラーになりたい」ではなく「本当にカウンセラーになりたい」と思うようになりました。
また、自分のやってみたいの中にも「度合い」があることを知りました。自分のやりたいことが変わっていなくても、やってみたい「度合い」は変わっています。上手く言葉にできないのですが、やってみたい気持ちは日々揺れ動いているので、濃くなるものもあれば、薄くなるものもある。「より濃くなったやってみたいものが何なのか?」を時間をかけて実感できるようになったという感じです。これは目に見えないものなので、分かりづらいです。
「この1年間、勉強ばかりで前に進んでいるのかな…」とよく不安になっていました。なぜか「お金を稼げている自分は価値がある」「進んでいる」と思うのに、将来の夢に向かって勉強している時は、「お金を稼げてない自分はだめだ」「進んでいない」と思ってしまいます。外からみると極端な考え方なのに、当の本人は信じているから気づきにくい。外から見えるものだけが成果に感じるけど、毎日コツコツ少ない時間でも勉強している自分が進んでいないわけがない。そんな自分を認めてあげることが、自分の成長も感じられる一歩なのかもしれません。
不安って環境を変えたとしても、ずっとあるものなんだと気づき、不安とどう付き合っていくのかを考えていくことが大切なのかなと感じました。会社員でも、今でも、どうせ不安があるなら、私は自分のやりたいことをやって不安になりたいものです。
この1年を振り返ってみて
この1年を振り返って、今まで半信半疑だった気持ちが、実際に学び体験をして、昨年よりも自分の進みたい方向が見えてきました。
最初から自分のやってみたい気持ちを信じることはできなかったけど、時間をかけて確かめる時間をつくったからこそ、少しずつ自分のやってみたいことを信じられるようになりました。
今は、ゼロ地点に戻り、
また最初から新しく描き始めている時期です。
ことのはさら