Ratings for Shadowverse 数やらない学
※本記事は、「シャドウバース Advent Calendar 2021」の企画記事です。
Toby(@toby_24ss)さん主催の企画です。
12月1日~12月25日まで昼と夜に一つずつ、19日からは昼にさらにもう一つ、25日は夜にももう一つShadowverseに関する記事が公開されます。
概要は下記をチェック!
本日昼のゆきのさん・ふりぃさんの記事はこちら
はじめに
初めましての方は初めまして、のな(@nonome_tan)と申します。
本記事ではレートで高勝率を出す為の筆者の取り組み方を書きます。
記事の概要上、情報の信憑性担保の為に実績を記載します。
Ratings年間勝率(突発・アフター含まず)
2020年度 392勝208敗 勝率65.33%
2021年度 360勝167敗 勝率68.31%
全体勝率 944勝511敗 勝率64.87%
その他
・レート杯x3
・JCG優勝x5
1.本記事の概要
直近二年間の試合数と勝率のまとめ
タイトルで「数やらない学」と銘打っていますが、実際はShadowverseに多く時間を割けず数が出来ないが正しいです。
平日のRatings試合数を5試合前後、休日の試合数を10試合前後として25+20を3週間なので135戦~150戦程が限界値と感じています。
大前提として試合数は挑戦する機会に直結するので、数が少ないのは純粋に損でしかないです。
Ratingsで結果を残されている方の記事を拝見すると、多くの方が沢山やる事を推奨しています。至極正論です。
では数が大正義なのかというと、それは半分正解で半分間違いです。
挑戦する機会を得る為には試合数が必要ですが、それを活用する為には質が必要となります。
直近のレート杯圏内に辿り着いた方々の戦績。
出場方法としては2パターン。
①50戦前後で70%近い勝率を叩き出し、最小限の試合数で圏内に入る。
②200戦~をこなし、勝率65%前後をキープして最後に上振れる。
Ratingsのシステム上最終レートが評価基準=連勝が必須。
①の場合、勝率は当然大事。②の場合でも最終的には連勝して瞬間的に高い勝率を出す必要がある。
ミクロな視点で見た時、数を沢山やる場合でも質が大切になる。
本記事の趣旨は数をやらずに勝とうという話ではなく、獲得した機会を逃さない為に対戦に関わる要素を最適化して「1戦の質を高める」 です。
2.メンタルの安定
誰でも何かが掛かっている試合は緊張します。
これは経験を積むことで払拭できますが、一朝一夕で改善されるものではなく人間である以上全く緊張しない事は不可能です。
緊張を除くメンタル面で影響を及ぼす事象は可能な限り減らし、試合に持ち込まないようにする事を推奨します。
☆コンディションを万全にする
・疲れている時は風呂等でリフレッシュする。
・先にやる事を終わらせる
・連敗した場合は止める
・ノルマを課して義務化しない
上記は筆者の例です。
疲れている時と他にやる事がある時は、そちらに意識が向いてしまい細かいヒューマンエラーを引き起こしがちなので先に解消しています。
連敗している場合は運によるものもありますが、大体運に引っ張られてミスをしている場合が多いです。「負けを取り返す」という思考になったら一旦休憩します。
1日n戦のノルマは課していた時期がありましたが、毎日決まった試合数取り組めるか不確定なのと義務感から億劫になってしまったので辞めました。
当然ですが人によって異なるので、一例です。
自身が一番集中できる取り組み方を見つけましょう。
取り組み方として非常に参考になった記事
今年の3月~9月頃まで真似していました
☆1戦毎に振り返る
リプレイを毎試合振り返る事は当然有効ですが、時間がかかります。
筆者のおすすめは備考欄付きの戦績記録シートを用意し、備考欄に直前の試合の簡易的な振り返りを記載する事です。
運負けと感じたら運負けと書きますし、細い択を通して勝ったら自分が上手くて勝ちとも書きます。振り返りが必要と感じたらその旨を記載します。
一旦直前の試合の感想を備考欄に留め、次の試合に余計な思考を持ち越さない事が目的なので1行で問題ないです。
副産物的として、Ratingsの戦績では判定できない同一クラスの別アーキタイプを仕分けれたり、先後を一々見返す手間が省けます。
また、複数回登場する勝ちパターン・負けパターンは後述する大局観の確立と修正に役立ちます。
MTG用の対戦記録シートを弄って使用させていただいています
自前でより使いやすいものを作れる方はそちらで
☆運に振り回されない
Shadowverseがカードゲームである以上運の要素は少なからず存在します。
試合中に相手の動きが強すぎて萎えてしまう事は多々ありますが、嘆いたところで相手の動きが弱くなる訳ではないです。
逆に自分が投げやりになってしまい、わずかな勝ち筋を逃す可能性すらあります。試合中はなるべく平常心を保つ事が目標です。
試合内容に何も感じなくなってしまうのもそれはそれで問題なので試合外では存分に感情を発散した方が良いです。
上手かった箇所はしっかり自分を褒め、下手だった箇所は熱くならず冷静に違った箇所を分析して次に備える、とんでもない上振れに吹き飛ばされたなら文句の1つや2つ言ってもバチは当たらないです。
3.思考量を減らす
構築に採用されているカードのテキストや挙動を把握する事は大前提として
採用圏内の守護と回復、面ロックに対して取れる行動を抑えます。
攻め込まれている時にデッキ内に受けるカードがあるのか、逆に攻めている時にロック択を取っても裏目があるかどうかの判断に役立ちます。
昨今の環境デッキは選択肢の幅が非常に広く、試合を通して手順や思考量が膨大になりがちです。無論逐一検討するのも大切ですが試合中の90秒に纏め切るのは至難の業と言えます。
可能な限り思考量を減らす為には、計算量を省略する「逆算」と、ある程度使用する構築について理解を持つ、「大局観」を身に付ける事が大切です。
☆逆算から求める
昨今の構築は明確なフィニッシャーを持っていることが多く、何も考えずにゲームを進めるとそのターンにはゲームが終わります。
自分に残された猶予ターンを逆算して求め、それに向けたゲームメイクをします。
PPの使い方を考える時にも応用が利き、必ずプレイするカードを決め、残りのPPで使用するカードを決めるほうが思考量が減って楽です。
8T「宿命の狐火・セッカ」+「九尾の決意」の特大バースト
「場を離れたエルフフォロワー」の20到達が大体8T
↓
7Tまでにゲームを決着するor8Tまで体力を高く保つ
9T「極地の創造主・ベルフォメット」の超強力盤面
登場ターンが遅くサーチも利くので欠損を祈るのは難しく除去も困難
↓
8Tに体力を削っておき、盤面を無視して体力を削り切る
or出てくる前に決着を目指す
勿論上記のデッキがそれ以外の勝ち筋を持たないわけではないので、猶予ターンを固定化するのは良くないですが、なあなあでゲームを引き延ばす択を取るのはそれ以上に良くないです。
試合の流れの中で相手が何ターン目にゲームを決着しようとしてるか常に気を張るようにしています。
☆大局観
1.勝ち筋
概要:ゲームに勝つときの展開
目的:目指すゲーム展開を理解し、それに沿ったプレイを把握する
2.キルターン
概要:自分が何ターン目に勝利する事が出来るか
目的:自分と対面が目標とするゲームレンジを把握し、有利不利を理解する
3.パワースパイク
概要:自身・対面双方が持つ特定ターンや特定状況を達成した時に発生する強力な行動
目的:上記の行動そのものとそれに向けた対策を理解する
4.マリガン
概要:目指すゲームプランに必要なカードを探す
目的:対面毎にゲームに必要なカードを理解する
構築に対する認識として上記を抑えています。
ゲーム中に毎ターン考える必要がある要素と照らし合わせてみると、
・このターンの自分の行動…勝ち筋・キルターン
・次のターンの相手の行動…パワースパイク
・動いた後の手札の残り方…勝ち筋
・ゲーム終了までの猶予ターン…キルターン・マリガン
対応している箇所はあらかじめ考えておくことで試合中のミスが減り、再現性の高い展開に対応できるようになります。
同時に基礎を抑えていることでアドリブが必要な再現性の低い場合にも正着を踏みやすくなります。
○具体例
DOC環境ナーフ前のラストワードNcの場合
「破壊されたラストワード付きカード」をラスワカウントと省略します
1.勝ち筋
①《人外魔境・クリストフ》をラスワカウント10でプレイして制圧する。
②打点札を組み合わせて削り切る。
③《インモラルディザイア》を複数回プレイして大打点を出す。
2.キルターン
ラスワカウント10を達成する事で
・《人外魔境・クリストフ》のリーダー付与効果
・《一刀の幽鬼・カゲロウ》から加わる《魂の一刀》
・《鎖状のネクロマンサー》のファンファーレ
上記のカードが強化されデッキパワーが飛躍的に上昇する。
カウント10達成ターンが6前後である事を考えると上振れは6T、平均的には7Tをキルターンと見積もる。
3.パワースパイク
①ラスワカウント10の《人外魔境・クリストフ》をプレイする。
対策:面を広げて処理漏れを狙う。
②《インモラルディザイア》の効果が複数付いたフォロワー+自壊カード。
対策:回復を駆使してバースト範囲から逃れる、《鎖状のネクロマンサー》に付与される事が多いのを加味して守護を立てる。
③《オミナスタイラント》をプレイして面を除去する。
対策:守護が立たず回復もないターンなので次ターンのリーサルを構える。
4.マリガン
勝ち筋・キルターン・パワースパイク全てでラスワカウント10が重要。
マリガンではその達成を早めるカードが欲しい。
①コストパフォーマンスが高いラスワカウントを稼ぐカード。
《死門を繋ぐ者》《オミナスタイラント》《セレスト・マグナ》《忌まわしき再誕》《ボーンフリーク》
②勝ち筋に直結するカード。
《永遠の花嫁・セレス》
※固定せず対面毎・環境毎にアレンジする。
最適なマリガンを見極めるのは困難なので、ベースとなるマリガンは後述する情報源から入手しし、試合毎に振り返って良し悪しを判断する方がデッキを正しく評価できる可能性があります。
4.デッキ選択
これといった正解は無いです。
筆者の主観と経験則を多分に含む事をご了承ください。
☆Tier1は最初に使う
環境頭のミラーは大局観さえ掴めていれば相手のミスで勝てる場合が多く、運の要素が少ないので特にこだわりがない場合最初はTier1を使います。
最終的に勝率や環境の影響で使わなくなるとしても、対面が選択している確率が高いので最低限立ち回りを学ぶ意味があります。
昨今のTier1は環境を通してずっとTier1である事は殆どないですが、カードプール・環境の変化で返り咲く事が多いので、使うリスクが少ない最序盤で感覚を掴んで損はないです。
☆デッキの取捨選択
構築をいくつも使う時間は残念ながら無いので、勝率が出ているかぎりは同じ構築を使用します。勝率が出ていない場合には大局観ミスか、環境に構築があっていない可能性があるので乗り換えを検討します。
大局観によるミスの場合、自力で間違いに気づくのは困難なので情報を活用して修正する必要があります。
環境の変化の場合、常についていくのは不可能なので後述する大きな変化を除いては構築を変える事は少ないです。
1.既存のTier1より強いデッキの登場
ロキサスE、撤退R、ラストワードNc...etc
早く気付く事が出来た場合ラッキーなので大人しく乗り換えます。
単純なデッキパワーが周りを圧倒しているのが台頭した要因なので徐々に使用率が増えますし、早めに触っておかないと面倒です。
開拓が日に日に進み、差が開いていくので厳しい展開です。
2.Tier1をメタったデッキの流行
ラストワードNc最強→消滅を沢山積んだデッキの台頭→ラストワードNcが減少→消滅デッキも減少・ラストワードNcが復帰→... よくあるメタゲーム
選択肢は幾つか有ります。
①Tier1の練度を盾にして使い続ける。
②メタの影響を受けないデッキを選択する。
③自分もメタデッキを使用する。
構築を変えるリスクとデッキ勝ちの可能性を比較して選択します。
筆者はリスクの方が大きいと感じるので①を選択する場合が多いです。
5.情報を集める
☆Twitterから得る
・じ(@dimochi222) JCG決勝トーナメントの構築・順位
・ ^D^(@d__sv) JCG予選決勝の結果・アーキタイプ
・ニクロ(@nicro296) 大会・プロリーグ・DSALの構築の比較
(ところてんというDiscordサーバーを運用されています)
・じゅっきー(@jyukki_sv)大会の上位入賞者・アーキタイプ
・Zhiff(@Zhiff_SV) 大会のアーキタイプ数
(敬称略)
JCG、DSAL、RAGE、プロリーグなどのデッキを纏めてくださっている方々。
画像形式なので非常に見やすいです。感謝。
☆周りの環境から得る(チーム/窓/サブスク)
通話・文章の両方で情報共有を行う調整環境がほとんどだと思います。
どちらが優れていると言う事は無いですが、通話の方が文章を書く手間が省けますし、直接疑問点を聞けるので手っ取り早いです。
時間が合わない場合も多いと思うので文章による議論もある程度は欲しいです。自身の好みと優先度で決めましょう。
チーム・窓がなく調整環境がない場合でも、現在はサブスクリプション文化が活発です。環境毎に幾つかのnoteが出ますし、メンバー限定ディスコードというものもあります。
活用させていただいている物
無料ではないがそれに見合った高品質の情報が得られる
☆配信から得る
何も失わずに経験だけ得る事が出来る貴重な場なのでレートに潜るほど纏まった時間はないけど手が空いている時に消化しています。
序中盤の択のない場面は飛ばし飛ばしで見て難しい局面は一時停止をかけ、自分だったらどういう択を取るか検討、その後実際に配信者の択を確認し、同じならば大体感覚はあっていそう、違ったならば鵜呑みにするのではなくあくまで自分の択と比較して良し悪しを計ります。
環境序盤はどの方もTier1を選択していることが多いですが、環境が進むにつれて個性が出てくるので自分のデッキ選択に合わせて見たい配信を決めると良いです。
配信頻度が高く強いデッキを強く使う方なのでTier1を使う場合おすすめ
おわりに
長々と話しましたが個人的な「数やらない学」の結論は、数の少なさをデメリットとして認識し、試合外の要素を効率化して「1戦の質を高める事で数の差を埋める」です。
(あくまで筆者の取り組み方の一例なので最適解はわかりません。
累計1100試合程度の話なので上振れの可能性も十分にあります。
レート杯常連の強豪の方や、自分なりの取り組み方を確立している方には
無用の話です。)
これを見てくださった方が、参考にして1戦の質を高める事で勝率を少しでも上げる事が出来たなら幸いです。
明日12/21の記事は、
昼の部1:ぜろでんさん
「平成JUMP!〜もし彼らが令和Shadowverseに帰ってきたら〜」
昼の部2:wagasodeさん
Shadowverseにおける「棋譜」の導入可能性と試作
夜の部:とーふさん
「ありがとう清浄、さようなら清浄」
です。お楽しみに。