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8月週報④ どら焼き、ワクチン、食堂車

8/21 土曜日

ビッグイシュー日本版のリレーインタビュー連載がまとまっている書籍「99人の小さな転機のつくりかた」を読み終えた。

「人間っていうのは何者かにならなければいけないという父の口癖が強迫観念のように思い出されていたんです。何者というのは有名とか大金持ちと言うことではなく、自分の中の一番大事なところを使って何かをするという意味なんですが」

という一節がぐさっときた(どなたの言葉だったのかを忘れてしまった、たぶん、父が文学関連で、自身も結局その職で、という女性だったように思う)。「自分の中の一番大事なところを使う」こと、自分の命を土俵に乗せること、私にはできていない。何者かにならなければならない、ならない、のかあ……ウッ、となった。

あと、まあ、皆さん仰ってたけど、転機がこれ!みたいなのは無くって、一日一日を必死に積み重ねてきていたらいつの間にかここですよ、言うなれば毎日が小さな選択、転機の繰り返しですよ、と。まあ、そうだよなあ。

私自身の転機はどうだろうか。っていうか「転機」を考えるにはBefore/Afterがあるわけだけど、それにあたるものってなんだろう。「キャリア」という意味だと明確に転職がある。性格というか、価値観が変わった、という意味だと夫と付き合い始めた11年前とかだろうか。転職するとき職務経歴書を書いていてひしひしと感じたのだけれど、自分のやってきたことに名前をつけたり、感情抜きで文字にして淡々と残すことって定期的にやったほうがいい。それで価値を再発見できることもたくさんあったな。

15:00ごろからは街を散歩し、人の少ない店を探しに探し、こじゃれた洋食屋のアフタヌーンティーにぬるりと滑り込んだ。私しか客はおらず、レモンタルトの味をかみしめた。深呼吸できるっていいな。

夫による夕食は冷製コーンスープ、パン、ハンバーグ、たまごサラダたち。
洋食が食べたい、と私が喚いていたからだろう。うれしい。


たまごサラダはめんつゆが隠し味だそうで、食べ終えずに残しておいて、明日薄切りの食パンにはさんでサンドイッチに……などと考えたのもつかの間、無論その場で完食した。

8/22  日曜日

のそのそ起き出して、本を読んで、手紙の返事を書いて過ごす。日が傾き始めたら散歩する。最近の週末はずっとこんな調子で、案外悪くない。気に入っている。ルーティーンができるっていいなあ。散歩しつつ読書しようと入った猿田彦珈琲のどらやき、美味しかった。もっと騒がれてもいいんじゃないかな、と思う。

昨日から読んでいる、河合隼雄「母性社会日本の病理」、ゴールデンカムイの考察でこの本に触れている人がいて読み始めたのだけれど、なかなか面白い!河合隼雄を読むのは学生時代ぶりだ。

もともと精神分析学は学生時代に授業を取っていて、結構熱心に取り組んではいたものの、去年、平沢進にはまってさんざんユングのことなど調べたときの知識がかなり下敷きとなって読み進められている。ああ、何かにはまって突っ走る経験って、なんだかいいもんだな~と思った。

夜は夫に和食を作ってもらった。


低温調理による鰯の梅煮、鶏胸肉のみぞれ煮、きのこ汁、パプリカのグリル、キャベツの塩昆布和え。
鰯、美味しかったなぁ。梅干しは実家から送ってもらった手作りのもの。市販の梅干しははちみつが加えられているものが多く、私はあまり好んでは食べない。もっとシンプルでいいんだよ。

寝る前にヨガをした。マタニティヨガというやつだ。先日出産したばかりの先輩に教えてもらった動画を参考にした。今までなんでやらなかったんだろう、というレベルで足のむくみがラクになり、腰の痛みが緩和され、「私の身体こんなに可動域広かったのか」と反省した。使わないと身体ってどんどんピキピキと凝り固まっていくんだな。

8/23  月曜日

やる気がしない。これまで手掛けていた企画が一段落して、次の仕掛を始めなければならないのだけれど、立ち上がれない。谷に落ちた感じだ。会社の人と話したいな。どうしてもこれって、リモート環境だと難しい。仕事に関することでの刺激が欲しいな。

モチベーションを自分でどうにかできないから、いつまでたってもだめだな、と思う。
みんなモチベーション低い時ってどうしてるんだろう。自分以外がみんな、何食わぬ顔して平気でちゃんとしっかり生きている気がして、なんだかみじめな気持ちにもなる。

唯一いいのは、涼しめな日が続いていることだ。天気、うまいことやってんじゃん、褒めて遣わすぞ。「おしゃべりな銀座」を読み始める。「銀座百点」というタウン誌の連載をまとめたもの。いろいろな著名人による「銀座」をテーマにしたエッセイたち。

好きな街はどこ、と聞かれたら銀座は必ず入るなあ。あとは神保町かな。ああー、街自体はそんなにだけれど(景観とか)、浅草橋周辺には好きな店も多いな。東京以外だと、横浜の日本大通りから大さん橋に続くあたりなんかはとても好き。ベタだけどみなとみらいも好きだし、山手周辺も大好きだ。ここらへんは子どもの頃のいい思い出が全部詰まっている。
去年宿泊したホテルニューグランドとかももうたまらなかったな。ステディな後輩と泊まったのだけど、人も少なく散歩し放題。2人してもうずっとかわいい、素敵、と夢心地だったな。

ヨガのおかげか、夕方まで足がむくまずに過ごすことができた。ダウンドッグすごい。

そして、悩んでいたけれど接種することに決めたワクチンの予約ができた。自衛隊ありがとう。

8/24  火曜日

火曜の朝は業務がバタバタなのだけど、なんとか朝のヨガができた。えらい。その後の身体が本当にラクなんだよなあ。
昨晩は、胎動がものすごくあって眠りが浅かった。「今夜のパーティー会場はこちらですか!」こちらじゃありませんよ。寝かせてくれ。
ワクチン副反応で体調崩す夢も見た。半分うなされてるような感じだったんだろうな。

「おしゃべりな銀座」読み終えた。
植松伸夫「最後の夢を生んだ街」
中川李枝子「銀座と私」
似鳥鶏「銀座のウシツツキ」
が特に好きだった。特に、「ぐりとぐら」の中川李枝子さん。昭和の戦時下の、幼い女の子たちが口々に「戦争が始まる前はね、わたしのお母さまはうんとおしゃれして銀座に行って……」みたいなお話に花を咲かせるさまが本当にかわいらしく、何度も読み返してしまった。

8/25  水曜日

寝不足で貧血のような感じ。胎動が~などと書いていたけど、よく考えたら寝る前にゴールデンカムイのことを考えていて、なんだかんだ夜更かししていた記憶がある。結局、自分が寝ないのが悪い。

ランチはリンガーハット。いつも「野菜たっぷりちゃんぽん 麺ハーフ」を選びがちだったけれど、新製品の「彩り野菜のちゃんぽん」が野菜の量が多くて、バジルソースにそそられ、麺ハーフがなかったけれど選択。食べすぎた。食べ物を残す、ということが昔からできない。負けず嫌いとかでは決してないのに、食い意地だけはものすごい。

そんな寝不足と食べすぎの代償として、午後はひらすらに眠いし胃がつらい。エネルギーが消化に奪われていくのをひしひしと感じる。最近、子が体内に占める面積を増して、胃が明らかに小さくなっている。

そんな中、夕方には夫が外から直帰。私の終業前に帰ってきた。それまで元気がなかったけど一気に元気が出た。他人の目があると、人間やはり気を張れるものなんだな。赤坂からの直帰だったとのことで、しろたえのチーズケーキを食べたかったな、などと考えた。

なんだかパーティーしようぜ!というような気分になり、寿司を買ってきてもらう。アプリで予約して受け取り。便利な時代だなあ、大好き!
待つ間に私は鶏もも肉をグリルし、ロメインレタスとアボカドと人参ときゅうりのサラダをつくる。成城石井のドレッシングアソートに入っていたシーザードレッシングがおいしい。

そうこうしていたら夫に急に電話が。そこから仕事に。緊急事態のようで、明日からどたばたするようだ。

8/26  木曜日

朝からそれなりに仕事する。それなりにタスクがたまり、それなりにやる気が充填される。
セブンイレブンの豆花と、ルマンドの小さいやつをおやつに。

夜はサーモンをホイル焼きに。ロメインレタスときゅうりとトマトの雑~なサラダにかけた成城石井のドレッシングがおいしい。今日はにんじんのドレッシングだ。

なんだかもう、木曜日になると、気力なのか体力なのか、まあ両方なのだろうけど「尽きた」感がものすごい。

夫の帰りが遅い。大変そう。

8/27  金曜日

やる気がわかない。一体どうしたんだろう。どうしたいんだろう。

午後には自衛隊の大規模接種へ。東京駅から大手町まではとバスに乗せてもらえた。先般、パレスホテルから見ていた和田倉噴水公園をはじめ、皇居周辺を地上から見ることができてわくわくした。

案内の人々がとても明るく感じよく、久しぶりにこんなにたくさんの人の顔を見たからか、やたらと元気をもらってしまう。ありがたいなあ。心がほぐれるのを感じた。やっぱり、人と接することでしか癒されない部分ってあると思う。

帰りの時間がちょうど、帰宅ラッシュとかぶりそうだったので小一時間、茶をしばくことにする。クラシックな、列車の食堂車を模した内装の洋食屋。プリンアラモードと迷ったけれど、濃厚そうな味に惹かれるものがあって、ガトーショコラ。小麦粉不使用だそう。ホットコーヒーとともにいただく。


内装のランプがとても私好みだった。えんじ色のふちが品があってかわいい。荷物棚なんかも再現されていて、こういう旅がしたいなあとぼんやりと過ごす。本を読もうと持ってきていたけれど、なんだか今日はそういう気がしなくて、ひたすらこの空間を味わうことができた。


じんわり痛くなってきた腕の存在感を感じつつ、それ以上に腰、というか下半身がばらばらになりそうな違和感を覚えつつ、ゴールデンカムイのファンブックを読んでから寝た。

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