同人誌即売会(イベント)初参加について
1.前置き
好きな作品の二次創作を某サイトで見ていたら、「次回イベントで本出します!」の文字を見つけてしまった。これは是非欲しい。出来れば現地(イベント)で、実際に買ってみたい。
でも周りに同人誌即売会(イベント)について詳しい人いないしマナー違反とか怖いなぁ、と思っている方。是非一度参加して、イベントの熱を味わって欲しいです。
ちなみに参加に年齢制限はないので(幼児はダメですよ)、小学生も参加できます。もちろん年齢制限(18禁)の本は買うことができませんが、全年齢向けの本やグッズであれば問題なく購入できます。
事前準備(当日までにやっておくこと)
2.参加したいイベントを決める
この章では何をするの?
イベントについて、参加するにはどうするのかについて。
2.1.イベントについて
大型イベントの準備(椅子や机を並べたり、当日の受付など)をしてくださっているのはイベント運営をしている会社さんです。
・赤ブー(赤ブーブー通信社)
https://www.akaboo.jp/
・スタジオYOU
https://www.youyou.co.jp/index.html
などがあります。
まずは赤ブーの「まずは一般参加してみよう。」(https://www.akaboo.jp/guide/item/p0003.html)を読んで、イメージを掴んでみてください。
私たち買い物をする人は「一般」参加、本などを売る人は「サークル」参加といいます。イベントには「参加」をします。私たち一般参加勢はお客様ではないため、自分のことは自分のことでやらなければいけません。
2.2.イベントの見つけ方
イベントを見つけるときは、
・サイトで見つける
・PixivやTwitterで見つける
・「作品名(カップリング名)+オンリー」で検索する
の3種類を使っています。
・サイトで見つける
赤ブーのHPに行くと、開催イベント一覧という場所があります。
例えば「5/3(東京)SUPER COMIC CITY 30 -day1-」を開くと、当日開催される「オンリー」が出てきます。イベントはオンリーが集まってできています。作品であったり、カップリングであったりをひとまとめにしたものが「オンリー」です。例に挙げたスパコミ(SUPER COMIC CITY)は女性向けイベントの中では特に大きなイベントのひとつです。
開催イベント名をクリックして開くと、オンリーの名前と作品名が書いてあります。
さらにクリックすると、それぞれのオンリーの開催情報ページに飛びます。開催日時や開催場所、入場方式などが書いてあります。
・PixivやTwitterで見つける
普段二次創作を見るときは作品名やカップリング名で検索を掛けていると思います。
Pixiv(創作作品の投稿サイト)であれば、本のサンプルとして上げている投稿作品に、タグやタイトルにオンリー名が入っていることが多いです。「#お品書き」「#(オンリー名)」という具合です。Twitterではオンリー名が省略されたりすることもあるので、検索には工夫が必要かもしれません。
・「作品名(カップリング名)+オンリー」で検索する
Googleなど検索ツールを使い、作品名やカップリング名と「オンリー」もしくは「オンリーイベント」で検索します。検索結果一覧にオンリーのサイトが出てくると思います。オンリー名や開催日時を確認します。
その他
・何度も開催されるオンリーは番号が振られています。「(オンリー名)3」であればそのオンリーは3回目の開催ということです。次の開催回が第何回なのか見ておきましょう。
・推し作家さんが参加するイベントは一体何という名前なのかしっかり見ておくと良いですね。
・これらのイベントやオンリーは非公式であり、公式とは全く関係がないものなので気をつけてください。公式に問い合わせをするのは絶対に禁止です。
3.会場地図とサークルチェック
この章では何をするの?
サークルチェック(当日参加するサークルさんを事前に確認)し、欲しい本の目星を付けておきます。それを元にサークルリストを作り、当日行く場所や買うものが分かるようにします。
3.1.地図の見方
会場地図の印刷方法は後述します(3.2を参照)。
外周に沿って配置されているサークルさんを「壁」、内側に連なっているサークルさんを「島」、島の中でも両端の飛び出ているサークルさんを「誕席(誕生日席)」と呼びます(今は「壁」以外の呼び方はあまりしないかも)。「壁サー」というのは壁サークルのことで、「壁」に配置されているサークルさんのことです(「シャッター前)とも言います)。人気のサークルさんが壁に配置されていることが多いです。
「番地」とはサークルさんの出品場所のことです。番地は「アルファベット大文字orひらがな+数字(+a or b)」で構成されています。「A-11a」「あ-11」のようになります。アルファベット(ひらがな)順に、1から、そして数字が小さい方からa、bと並んでいます(会場地図にはabは書いてありません)。ab両方を取っている大きなサークルさんは、abの表示がないこともあります。つまり、あ1a→あ1b→い2a→い2b(A1a→A1b…)と並んでいる訳です。
作品ごと、カップリングごとに固まって配置されます。
3.2.サークルチェック
イベント探しでオンリー名を見つけることができたら、PixivやTwitterなどで検索してみましょう。「お品書き」がたくさん出てくると思います。お品書きには本のサンプルや、番地が書いてあります。お品書きが上がるタイミングにはバラつきがありますが、イベントの前々日~前日に確認すると良いでしょう。
その本が欲しいなと思ったら、「番地」「サークル名」「本の名前」「値段」を見ます。
もうひとつの探し方は「NAVIO」を使った、サークルカットを見る方法です。「電子カタログNAVIO」(https://www.b2-online.jp/navio/)は赤ブーのイベントと連携して、電子上でイベントのカタログを見ることができるサイトです。(無料で使えますが、無料版だとイベントの数日前にならないとカタログを見ることができない点には注意してください。)
NAVIOで参加したいイベントのアイコンをクリックします。「サークルを探す」という項目にある、参加したいイベントが開かれるホールをクリックします。「サークルカット」と呼ばれるサークル紹介の絵が、番地順に並んで出てきます。ここでサンプルを確認したり、サイトに飛んだりしてサークルチェックすることもできます。会場地図の印刷もNAVIOからできます。
3.3.サークルリスト作り
当日買う本のリストを作ります。人気作家さんの本は開場後すぐに売り切れてしまうことがあるためチェックが、また効率よく欲しい本を買うためには必要になってきます。
筆者がサークルリストを作るときはExcelで作っています。手書きでも何でも大丈夫です。
(番地) (サークル名) (Pixiv/Twitterのアカウント名) (本の名前) (値段) (備考欄)
というような形です。上から番地順に並べます。サークル名、アカウント名は当日必要になることがあります(後述5.2)。備考欄には「〇〇時まで不在」「少部数」というようなメモ書きに使っています。
サークルリストが出来たら、会場地図にマーカーで印を付けます。カップリング名を書き入れるなど、とにかく分かりやすいように使います。当日はこの会場地図一枚で買うものを把握できるように、必要なことは書いておきます。
筆者はサークルリストをイベント前日の夜に作ることが多いです。サークルリストと会場地図をそれぞれ印刷して持っていきます。
4.いよいよ準備
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当日までに準備しておくこと。チケット、お金の両替や持ち物などです。
4.1.チケット
イベントに参加するときの入場方法について調べておきましょう。事前にチケットを購入しておくのか、事前に抽選があるのか、当日に購入するのか。オンリーのサイトに書いてあります(2.3を確認)。無料で入場できることもありますが、基本的には有料です。パンフレット(サークルカットが載っている本)を入場チケット代わりにするイベントもあります。
例えばスパコミは当日購入します。
チケットが確認できたら、会場までどう行くのか事前に調べておきましょう。
4.2.両替
本の値段はピンキリですが、消費税など端数が出る金額にはなりません。100円玉、500円玉、1000円札をたくさん用意しておきましょう。できるだけお釣りを出さないようにします。10000円札など高額紙幣は基本的に使いません。開場直後の高額紙幣をNGにしているサークルさんも多いです。
両替は銀行や郵便局など両替を行っている施設で行います。ゲーセンの両替機を使って小銭を持ち帰ってはいけません。ただし両替には手数料が掛かるため、前々からお釣りの100円500円を少しずつ貯めておくと良いかもしれません。
4.3.持ち物
持っていくもの
・チケット
(事前購入であれば。スマホでQRコードを見せることもあります)
・会場地図
・サークルリスト
・ボールペン、マーカー
・お金
・年齢確認ができるもの
(18歳以上の方)(18禁の購入は18歳以上、高校生不可)
・カバン
(A4が折れずに入るもの。マチ付のトートバッグが良いです)
(キャリーは会場内では使わない方が良いです。というか密過ぎてキャリーを引けないです)
(サークルさんから袋は貰えません。大きめのカバンを用意します)
(ノベルティ(おまけ)を頂けることがあります。缶バッジ、メモ帳、マシュマロなどなどサークルさんによって様々です。それらもカバンに入れます)
なるべく持っていくべき
・水分補給ができるもの
(真夏であれば凍らせたペットボトルが良いかも)
・暇つぶしができるもの
(入場までの待ち時間を過ごせるもの)
・クリアファイル、ケース
(コピー本などの薄い本、ペーパー(漫画の特典のような、おまけの用紙)を入れることができます)
あったらいいかも
・折り畳み椅子(当日数百円でレンタルできることもあります)
・日傘、雨合羽
(日傘・雨合羽については後述5.1参照)
・扇風機、カイロ
(季節に合わせて)
やっておくこと
・新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」のインストール
(現在の新型コロナ状況に依ると思います。2022年6月時点)
・b2オンラインの登録(https://www.b2-online.jp/event/)
(当日に参加ボタンを押して、入り口でスタッフに見せる必要があるイベントがあります。b2オンラインで調べてください)
4.4.さしいれについて
サークルさんに何か贈り物をすることもできます。まずはサークルさんがさしいれを受け付けているか確認しましょう。
生もの(他常温で保存できないもの)、激しく好みが別れるもの、かさばるものなどは避けましょう。サークルさんは閉会までいらっしゃることもあり、夏の高温で痛むものはNGです。そもそも食べ物飲み物はサークルさんが欲しいと言っていない限りは止めておく方が良いです。相互フォローなど知り合いでなければなおさら、さしいれは止めておくべきでしょう。
何か伝えたいのであれば、感想を書いた手紙がベターです。手紙を断られることはおそらくないと思います。
4.5.取り置きについて
イベント前に、サークルさんに「取り置き」してもらうこともできるかもしれません。「私のために一冊取っておいてください」とお願いすることです。開場直後に慌てて行かなくても、落ち着いた頃に行って買うことができます。
相互フォローなどの知り合いであるか、取り置きOKですと言っている方にお願いしてみましょう。もし何も取り置きについて言っていなければ、基本的に取り置きはできないものと思っておいて大丈夫ですが、どうしても!という方は一度聞いて見ると良いでしょう。
取り置きをお願いしたら必ず買いに行くこと、事情があり行けなくなった場合は必ず連絡をします。本の代金は当日支払います。
イベント当日の動き
5.当日
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イベント当日の動きについて書きます。イベント会場に入る前、会場内でのマナーなど。
5.1.イベントの朝と入場
開場時間よりも早く行って、待ちます。開場後にできるだけ早く目当てのサークルさんに並ぶためです。見物に行くくらいのノリであれば、開場後にゆっくり来ると良いでしょう(待ち時間もなく快適です)。
何時から並んで良いのかはイベントによります。大抵9時~11時開場なので、並び開始は7時前後のことが多いです(目安です。詳しくはサイトを確認しましょう)。
チケットを購入して列に並び始めた後は外に出ることができません。買い物は入る前にしておきましょう(設営トイレがありますので、トイレに行くことはできます。長蛇の列になっています)。
チケットを購入し、待機列に並ぶことができたら、天気が良ければ基本的には座って待ちます。トイレに行くときは左右(もしくは前後)の人に声を掛け、列を一時抜ける旨をしっかりと伝えましょう。
列が動かなくなったら雨傘・日傘を差しても問題ありません(強風など差すと危ないときはスタッフさんの指示に従います)。開場が近くなり、再び列が動き始めたら傘を閉じます(密集して動くため、傘が当たると危ないためです)。雨合羽が必要であれば着ておきます。
開場が近くなると、列のまま会場へ向けて進みます。途中でチケットを掲げるように指示されることもあります。そのまま入場です。会場に入ると皆ばらばらっとなって思い思いのサークルさんへ向かいます。本当にあっさり放り出されます。
5.2.会場内のこと(購入)
サークルリスト片手にお目当てのサークルを探します。誕席のサークルさんの机の横に番地が書いてあります(アルファベットorひらがな)(3.1参照)。自分が今どこにいて、どう動くべきか地図で確認します。例えばPの列が2列ずつ、計4列あるとするなら、通路は3本あります。どの列に入るべきか見極めます。
目当てのサークルさんの場所へ着いたら、欲しい本の名前を言うか、指さします。「新刊」(そのイベントで初めて出す本)「既刊」(前のイベントで出した本)という言い方もできます。そして欲しい部数を言います。例えば一冊なら「一部ください」と言います(「一冊ください」でも問題なく伝わります)。全種類欲しいなら、「一部ずつ全部ください」とか言いますね。友人の分も欲しいと思ったら、「二部ください」と言います。常識の範囲内で、必要な分の冊数を買います。
お金を渡し、本を受け取ります。さしいれのみを渡すのであれば、ここでさっと渡します(話をしたい場合は後述5.4)。本をカバンにしまって、購入完了です。
取り置きをお願いしている場合は、サークルさんが落ち着いた頃に行きましょう。完売していたり、並びの列がなかったりしていれば行って大丈夫です。取り置きをお願いしたTwitterのアカウント名などを名乗り、「取り置きをお願いしています」と言います。代金を支払い、本を受け取ります。
5.3.会場内のこと(並びについて)
すでにサークルさんの前に列ができていることがあります。その場合はそこに並びますが、ルールがあります。初参加で一番分かりづらいところだと思います。
壁サーは外(会場外)に列を形成することが多くあります。列の最後がどこなのかしっかり見極めます。どう並んでいるのか分かりづらいので、「最後尾札」をしっかりと確認して並びます。
最後尾の人は「最後尾」と書かれている紙(B5くらい)を持って、掲げています。その札には「番地」「サークル名」が書いてあります。どちらかしかないこともあります(ここでサークル名が必要になってきます)。その札を持っている方に向けて、「代わります」(あるいは「持ちます」)と声を掛けます。そうすると札を渡してくれるので、同じように掲げます。札を持っているあなたが「代わります」と声を掛けられたら、「ありがとうございます」とお礼をして札を渡しましょう。
(人気サークルさんは開場と同時に物凄い列ができるので、紙が物凄い勢いで後ろに流されていきます。しっかりと後続へ最後尾札を渡します。)
列と列の間に隙間を空けるために、「途中列札」を使います。列が長くなると通行の邪魔になるので、隙間を作って通れるようにします。
列が進むと途中列ゾーンに差し掛かります。大抵分かりやすいようにテープで区切られています。隙間の向こうの列の人が進んだら、隙間を越えて並びます。並んだら、「途中列」と書かれている札を受け取ります。最後尾札のときと同じように「代わります」と声を掛けます。列が進み自分の後ろに人が来たら、途中列札を渡します。途中列札は隙間の「前側」で持ち、隙間の「後ろ側」では持ちません。2列で並んでいるときはどちらかの人が持ちます。通路に面している人が持つことが多いです(ここが途中列であることをしっかり見せるため)。
もし途中列から並ぼうとした方がいたときは、優しく「ここは途中列ですよ」と教えてあげてくださいね。
赤ブーのイベントでは運営さんが用意してくれた紙は「最後尾札は白色」「途中列札は黄色」のことが多いです。色で見分けましょう。
5.4.サークルさんへの挨拶について
サークル主さんと親交がある場合は、挨拶に行ってみると良いでしょう。忙しくなさそうな時間帯を狙い、話を始める前に必ずTwitterのアカウント名など名前を名乗ります。
開場後2時間くらい経つと、ちらほら完売が出始めます。列形成も落ち着いて、人がまばらになっていることと思います。サークルさんの前に人がいなければ、挨拶に行きましょう。
さしいれがある場合はここで渡すこともできます。
写真撮影をしたくなるかもしれませんが、会場内は撮影禁止です。もちろんサークルさんの写真を勝手に撮ったりすることもNGです。
5.5.会場内をうろうろ
大方買い物が終わったら、好きな島の辺りをうろうろ見て回ります。欲しいと思ったものは買いましょう。一期一会です。
中身が見たいと思ったら、サークルさんに「試し読みしても良いですか」(「中見ても良いですか」と言うこともあります)と声を掛けます。了承を得られたら、本を見せて貰います。見終えたら、買うか買わないかに関わらずお礼を言います。欲しいと思ったら買えば良いですし、自分には合わなかったと思ったらお礼をして離れて大丈夫です。
5.6.おしまい・他諸注意
欲しいものを全て買うか、閉会時間になったら帰ります。会場の出口を目指します。
ビッグサイトであれば、入場時に入ってきた屋外に繋がるシャッター部分ではなく、ビッグサイト内の通路を使ってビッグサイト入り口から帰ります。
帰りは特にチェックなどはないので、行きと同じ道を帰ります。
・トイレは会場内にあります。ただし長蛇の列なので、並ぶ覚悟はしておいてください。
・ビッグサイト内(ホール間の通路)には自動販売機があります。飲み物を買うことはできますので、安心してください。
・会場内でトートバッグを売っていることもありますが、基本的には持参した袋に詰めて持ち帰ります。
・軽く休憩したいとき、本の整理をしたいときは会場の端に寄ります。端に座って休むこともできますが、長時間になる場合は休憩所や会場のベンチを使います。
・赤ブーのイベントは買った本の厚さによって、色々なものが当たる抽選に参加できます。時間があれば、挑戦してみると良いですね。
・買ったものを郵送してくれる宅配業者が来ていることがあるので、あまりにも重い場合は送るのも良いです。
・色々な出店があることがあります。ハンバーガー、ケバブ、クッキー、菓子パンなどなど。余った小銭でお腹を満たすのも楽しいと思います。
6.おわりに
ここまで読んでくださってありがとうございました。長くなってしまいましたが、ルールやマナーを気にし過ぎず、イベントを楽しんで頂けたらと思います。当日困ったら周りの参加者の方に聞くと良いと思います。きっと皆さん助けてくれます。
それでは、イベント会場で会いましょう。