転地療養1日目@浜松
いよいよ本格的に駄目になった自分のために、この「転地効果」を狙った長めの療養をすることにした。
「転地療養」とは、自分が住んでいる地域から物理的に100km以上離れたところに身をおくことで五感が刺激され、細胞を活性化させる療養のことで、意識せずとも人間が普段から「リフレッシュ」と称して登山やキャンプなどに出かけることを指している。大体100km以上離れると、いつもと環境が変わるので勝手にそうなる、みたいな感じらしい。
時々居たたまれなくなり突然どこか遠くへ行ったりする習性のある自分にとって、昔から体が勝手にやってきたことでもあり、けれど今の立場上意識しなければ踏み出すことの出来ないことでもあった。
今回は、7月の間4〜5日の滞在をあちこち繰り返し、自分がどんな風に変化していくのかを見つめていきたい。
昨夜ヘミングウェイが「結局どこに行っても自分からは逃げられない」って言ってたのを、睡眠薬5錠目に到達した時にうっすら思い出していた。本当、どんだけ自分が嫌いで、痛めつけても、結局自分から逃げられないからどうにかしてやらないといけない。奇行が目立つから眠剤も減らせるといいな。
まず1回目の滞在は浜松。ここで4泊5日過ごす。
温泉は無いけれど、目の前が湖のお寺だ。
1度来たことがあって、また来たいと思っていたけれど、予約がいっぱいで諦めていたところ、たまたま1週間前にキャンセル枠が空いたとの連絡。
半裸で虚空を見つめながらベッドに横たわっていた私にとって朗報だった。「朗報である」と分かっていたので、「行きたい!」という気持ちはなかったけど、申し込んだ。テンションは特にあがっておらず、「面倒だけど行かないとこのまま腐って死ぬだろうな」という思いでなんとか行動に移すことができた。気持ちと行動が分離してはいるけど、なんとかコントロールしてるって感じだろうか。
旅支度はしようしようと思ってもなかなか進まず、結局朝ギリギリに適当なものをぶちこみ、メイクもせず日焼け止めだけで出発した。知り合いに会ったら恥ずかしいレベルで適当な格好だけど、まずは家を出られた自分を褒めたい。
そして本当は駄目だけど、1本だけ缶ビールを買って新幹線に乗り込んだ。
窓の外に流れる景色を横目に、冷えたビールを流し込むと「旅」感があって、久しぶりにすこしワクワクした。
本当だったら大人になったら働きたくなくても働かなきゃいけないし、どこかに行きたくてもお金や時間が必要だから、すぐには自由に動けない。そういうのが「当たり前」な人がほとんどな中、自分がやってることがどれだけ贅沢なのかは分かっているけど、まあだいたいのことは、死ぬよりは100倍マシだと思う。
そんな、底辺思考からのスタート。
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