これでスッキリ!高額療養費制度を詳しく解説!仕組みや対象外になるものとは?

「高額療養費制度」という言葉を聞いたことはあるけど、いまいちよくわからない!

そんなあなた!この制度を知らないと、ケガや病気で手術や治療を受けたときに医療費の支払いで大きく損をすることになるかもしれません。

今回は、高額療養費制度について詳しく解説していきたいと思います。

そもそも高額療養費制度ってどんな制度?

高額療養費制度とは?

結論から言うと、ひと月分(月はじめ〜末日まで)にかかった医療費の自己負担額が高額で自己負担限度額(次の項目で詳しく載せていますが、年齢や所得に応じて異なります)を超えたときに、公的医療保険がカバーをしてくれ、その超過した金額があなたへ払い戻されるという制度です。

では、40代の年収700万円の人を例に取って詳しく見ていきましょう。

公的医療保険により、みなさんがケガや病気などで手術や治療を受けても支払う医療費は全額自己負担ではなく6歳以上69歳以下の方(※)は3割負担となります。

※年齢や所得によって異なります。

6歳未満と70〜74歳は2割負担、75歳以上は1割負担。

ただし70歳以上で現役並の所得がある場合は3割負担。

年収700万円の場合、ひと月の自己負担限度額は、80,100+(医療費−267,000)×1%の計算式で算出されます(年収に応じた自己負担限度額の計算式は次の項目の表に載せています)。

例えば、大きな手術を受けて100万円もする高額な医療費の請求があったとしましょう。

その場合に請求される金額は3割である30万となってしまいます。

30万円の自己負担はなかなか高額なものですよね。

そんなときに役に立つのが高額療養費制度です。

この高額療養費制度を利用することで、先程の計算式に当てはめると
自己負担限度額は、80,100+(1,000,000ー267,000)×1%=87,430円
もともと30万円あった自己負担限度額は87,430円となり、残りの212,570円は公的医療保険がカバーしてくれます。

つまり、支払った30万円のうち212,570円は手元へ戻ってくるのです。
経済的に負担が軽くなるとてもありがたい制度ですね。

自己負担限度額は一体いくら?

では、自分の自己負担限度額が一体いくらなのか気になりますよね。

自己負担限度額は年齢や所得に応じて異なります。

ここで詳しく見ていきましょう。

69歳以下の場合

・年収 約1,160万円〜→252,600円+(医療費−842,000)×1%

・年収 約770〜約1,160万円→167,400円+(医療費−558,000)×1%

・年収 約370〜約770万円→80,100+(医療費−267,000)×1%

・年収 約370万円以下→57,600円

・住民税非課税者→35,400円

70歳以上の場合〈現役並み所得者〉

・年収 約1,160万円〜→252,600円+(医療費−842,000)×1%

・年収 約770〜約1,160万円→167,400円+(医療費−558,000)×1%

・年収 約370〜約770万円→80,100+(医療費−267,000)×1%

70歳以上の場合〈一般所得者〉

・年収 約156〜約370万円→(個人ごと)180,000円 (世帯ごと) 57,600円

70歳以上の場合〈低所得者〉

住民税非課税世帯→(個人ごと)8,000円  (世帯ごと)24,600円

住民税非課税世帯(年金収入80万円以下)→(個人ごと)8,000円  (世帯ごと) 15,000円

自己負担額についてもっと詳しく知りたい人は、厚生労働省保険局でも詳しく解説していますので合わせてご覧ください。

大事なポイント

・1人分の自己負担限度額が高額療養費制度の対象とならなくても、家族で同じ公的医療保険に加入していれば、合算ができ、その合計が自己負担限度額が超えていれば高額療養費制度の対象となります。

ただし、69歳以下の場合はそれぞれの自己負担限度額が21,000円以上であることが原則となります。

・1つの医療機関では、高額療養費制度の対象とならなくても、同じ月に他の医療機関にかかった場合、合算ができ、その合計が自己負担限度額が超えていれば高額療養費制度の対象となります。

全部対象じゃない!高額療養費が対象外になるものって?

高額療養費制度はありとあらゆるものが払い戻しの対象となるわけではありません。

対象外となるものは以下に挙げるものです。

・先進医療費
・自由診療費
・通常分娩の出産費
・入院中の食事代
・差額ベッド代

しかし、出産費などで急にお金が必要になって困る場合もあると思います。

高額医療費制度で払い戻しにならない場合は、他の給付金制度で対応できます。

下記では出産した際の費用を支援してもらえる出産手当金について解説していますので合わせてご覧ください。

高額療養費の申請方法

高額療養費の申請方法には2つの方法があります。

高額療養費を事後に申請する方法

事後に申請する方法では、一旦自己負担額を全額医療機関に支払います。

その後、加入している公的医療保険へ申請を行うことで、自己負担限度額を超過した分の払い戻しを受けます。

申請してから払い戻されるまで約3ヶ月以上の期間がかかります。

申請時に医療機関の領収書が必要となる場合もあるので、大切に保管しておきましょう。

高額療養費を事前に申請する方法

「お金が後から返ってくるとしてもその金額を一時的に全部負担するのが大変!」という場合、事前に申請することで、自己負担限度額内で支払うことも可能です。

この場合、事前に公的医療保険で限度額適用認定証を発行してもらいます。

そして、発行された限度額適用認定証を医療機関へ支払い時に提示することで、支払いが自己負担限度額内で済むため、一時的な大きな出費を抑えることができます。

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