
神様のくじ引き
大きなぱっちり二重。小さな鼻に、形の良い唇。
誰もが羨む理想の女の子。
分かる。分かるよ。可愛いよね。
その子は何も悪くないってちゃんとわかってる。
でもふとした時に浮かんでくる。
「なんで自分はそうじゃないんだろう。」
努力したの。高い美容液を買ってみたり。アイプチをしてみたり。沢山悩んで、時間を割いて、自分なりにできる限りの努力はしたの。
でもやっぱり敵わなかった。何もしてないあの子のほうが肌も綺麗だし、寝癖すらもあの子は愛おしく変えてしまう。
でも、もしかしたらあの子だって裏でたくさん努力してるのかもしれない。自分が可愛くないのは、自分の努力が足りないからだ。もっと頑張らないと、もっと、もっと。
可愛いのジレンマ
最近よく聞く「努力する女の子はみんな可愛い」という言葉。
きっとこれを言う本人には悪気なんて全く無いのだと思う。確かに「かわいい」を目指して努力するする女の子達の姿はみんなキラキラして見える。
でも、私はこの発言をあまり良く捉えることができない。
「かわいくなりたい」というのは容姿に悩んでいるからこそ溢れる一種のSOSだ。
そんな言葉が溢れ出てしまう女の子の中には、努力しているのにちっとも変わらない自分へのイライラや焦りで自己嫌悪に陥っている子もいるのではないか。
自分は変われなくてこんなに悩んでいるのに。自分が自分を可愛いと思えなきゃ意味がないんだよ。綺麗事じゃん。
そんなことを考えてしまう自分にさらに嫌気がさして、またふさぎ込んで。
そんな子達に伝えてあげたい。
君は何も悪くないよ、って
好きでなったんじゃないんだ。与えられた土台の壁はあまりにも高くて。
ずり落ちながら、擦りむきながらなんとか這い上がろうと努力している君は、少しずつ、でも確実に成長していってる。
ゆっくりでいい。泣いてもいい。諦めないで「可愛い」を目指すのがどんなに大変か、きっと自分自身が一番わかってるんじゃないかな。
よく頑張ったね。
たまには雨宿りも、いいんじゃないかな?一緒にお茶でもしよう。
ここまで読んで頂き、本当にありがとうございます。「かわいい」を目指すみんなの、あなたの傘になれたのなら、それ以上の幸せはありません。あわよくば、明日が晴れますように。