【終演報告】舞台『B-15』
舞台『B-15』
先日無事全公演が終演しました🏦🫡
沢山の応援・ご来場誠にありがとうございました✨
改めまして、銀行員岡田の妻で身重の人質こと岡田康子役の米沢のぞみです🦦
いつも通り千秋楽から少し空けて終演報告。
感染症云々の話が世間から少なくなってきつつも報告します。変わらず元気もりもり!!!
今回も舞台のことを思い出しつつ、暇な時のお供にしていただけたら🙇♀️
さて米沢的には
初めましてK-FRONTさん
初めまして武蔵野芸能劇場
そして初クライムサスペンス!
いかがだったでしょうか。
金庫室を再現した素敵な舞台セット・音楽や光とともに、板上の我々と同じドキドキ感を味わっていただけていたら幸いです。
お席によっては自分が銃口を向けられたように感じられる場所もあったとか。
え、私もそこ座りたい。舞台上で銃口向けられてた側だけど。
ご感想も沢山いただき嬉しい限りです。
ちなみにこの先もいつでも受付中です😘
ここからは恒例個人というか役の話。
本当に偶然なのですが、ここ最近私の周りがベビーブームというか妊娠出産をされた方が多くて。
お祝いに伺った際や長く話す時間が出来た際に参考にと色々お話を伺いました。
関連本も読みつつでしたが、こういう時はやはり生の声には勝てないなと実感します。
楽な寝姿勢や座り方、困ったこと、この時期はここが痛んでここが張る、トイレの近さ、体重の増減、どう体調が悪くて何が幸せで……他にも沢山。……大変そうすぎる。
そして何より皆さま顔つきが前よりも逞しくなっていらっしゃり、とっても格好良かったです。
快く様々なことを教えてくださった知人たちへ、この場を借りて深く御礼申し上げます。
ちなみに97年生まれ米沢は丁度良い!と当時の健診諸々も含め母に妊娠時のことを聞いてみたのですが(作品は99年が舞台)、母が想像以上にフィジカル強な人間だと分かっただけでした。
体質って大事〜〜🫨ってなったって余談。
私は女性の身体という点では母とあまりにも体質が違うので多分こうはなれない。
いや世のお母さんって本当にすごいですね。
ミドルムーンの時も似たことを書いていたのですが、どちらかというと"子育て"にフォーカスし"最期"までの積み重ねを探したミドルムーンとは違い、今回は康子の流産経験も含め"誕生"を意識することが多く、また違う生命への感動がありました。
(ミドルムーンの記事)⤵︎
この世の全ての親が子を愛しているわけでは無い、と私は思っています。
その中で私を愛し育ててくれた両親には感謝しかないのですが、人には人の事情、己の環境だけを基準に物事を語ることはしまいというのが私の信条の1つです。
ただ現代社会においては、この世の全ての人間が15%という流産の壁を越え、母体が身体の変化に十月十日耐えた先に存在する。
少なくともこれは確かで、それが本当に尊くて素敵なことだと思うのです。
何かの掛け違いで出産に辿り着けない、"15%"という命に対しては意外にも大きい数字があって、そしてその"15%"はお母さんはじめ誰かのせいではないことが殆どだそうです。
それでも計り知れない感情がそこにはあるはずで。
人質という驚くべき不運に見舞われつつも岡田夫妻が直前まで送っていた幸せな日常。
まずはそこに辿り着くまでに越えてきたものの大きさが、沢山いらっしゃる、同じような経験をした方々を軽視するものにならないよう見つめ続けたつもりです。
乗り越えるとはどういうことなのか
まず"越える"という表現自体正しいのか
答えは無いですが、でも岡田夫妻のように前を向き歩こうとすることはとても眩しく素敵で、その姿と幸せは誇るべき・守られるべきものであって欲しいと願っています。
結構色んなところで言っておりましたが、役決定を知る前、米沢が台本を読んで最初にやりたいと思ったのがこの岡田康子という女性でした。
人質たちの「助かりたい」な"今"の応酬の中、ただ1人解放された先の未来を語る彼女の強さが私は大好きです。
妊婦さんは社会的に守られるべき存在であり、同時に自分では無い命を第一線で守る存在でもあります。
守られることと守ることがイコールになるその身体と、それでも目の前の大切な人も失いたくない・守りたいと思う葛藤がまさしく"愛"で魅力的に見えたんですよね。
いやそう、ぜひ最初から最後までを思い返して欲しいのですが康子さん実はメンタルがかなり強い。
それが母になるという変化なのか本来彼女が持っていたものなのか、皆さまの中で思いを馳せていただけたら嬉しいな〜〜なんて思います。
あと散々書いてるこの名前もね、
良い名前。
この字の"康子"は子の健康を願ってつけられることが多いらしく、そこに彼女の両親や育った環境が見えてくるような気がします。
ちなみに夫の正己も素敵な名前!正しい己……!
作中では岡田夫妻とあの方以外フルネームが登場しないのですが、実は名字しか出てこない(なんなら名字も出てこない)人物全員にも正式に下の名前が存在します。
これがまた各々に合っていてへ〜〜!ってなれるので、公式SNSを遡って探してみると面白いかもしれません。
個人的には銀行員女子の城島さん&山手さんの名前も推し。
さて、感情移入というよりもどのグループに肩入れし誰を応援して観るかで楽しみ方が変わってくるだろう本作。
立場は人物それぞれですが、視点を変えて物語を思い返してみると新しい発見があるかもしれません。
公演は終わりましたが、ぜひあなたの頭の中で何度でも楽しんでいただけたら嬉しいです。
まとめ前に共演者の皆さまと!
ご覧になった方はお分かりの通り正己無くして康子はおらぬもので、龍さんには稽古場から本番まで大変お世話になりました。
優しい素敵な旦那さん。
完全に(役の)身内目線ですが個人的には結構危なっかしいところが逆に好きです。自分大事にして。
優しくて、追い詰められると無鉄砲になるところは似たもの夫婦かもしれない。
米沢は未婚だし、同じ状況で2人のように他者を守るための行動を取れるかは分からないのですが、だからこそ創作物は希望や憧れになりうるのだと思います。
作中の希望枠はきっと山手さんですが、別の角度で岡田夫妻も、その希望たる存在に揃ってなれていたことを願うばかりです。
そういえば稽古場で演出の加賀さんにあるシーンについて割とふにゃふにゃした相談をさせていただいた(すみません)時、
そういう奥さんだから旦那さんは愛して守ろうとするんだと思う
と話していただいたことがとても印象に残っています。私こういうのが大好きでして(何が?)
互いに愛される理由のある人であり、愛することができる人であるって、とても素敵じゃないですか。
これまたミドルムーン記事に人生の情報量!みたいに書いていたのですが、ドラマチックとは言えずとも愛し合う関係にはその過程と理由が存在していて、愛している部分・許せている苦手な部分が各々にあるんですよね。
岡田家はそういう重ねてきた時間と信頼がお互いの呼び方にまで繋がっていそうで可愛くないですか。なんか。
ここ、揃って米沢のオタク人格から見た推しポイントです(今更)
いやほんとフィクションとはいえ正己みたいな奥さんと子どもを大切にする良い旦那さんを見てしまうとね、ただでさえ遠い米沢がさらに遠のいてしまいそうです。
あと結局お腹の子は無事だったんですか!!という質問も多数いただいております。
これは本当に私の勝手な希望の話なんですけど、きっと数ヶ月後に元気な赤ちゃんを出産していると思います。
稽古期間は女の子のパパをしてる正己が見たいから勝手に女の子が良いなと思っていたのですが、男の子を育てながらどんどん逞しくなっていく康子も見たい気がするので今はどっちでも良いです。
元気でいてくれればそれで。
もちろんとてもここに載せきれないほど、座組の皆さまに沢山お世話になりました。
他にも沢山!なのですがキリがないのでここで締めにさせていただきます🥲
改めまして、この度は沢山のご来場・応援誠にありがとうございました。
その場でのハラハラドキドキの楽しさでも
これから生きていくあなたの信念への刺激でも
大切な人を思い出すきっかけでも
何かひとつでもお渡しできていたら嬉しいです。
それではまたどこかで!
ありがとうございました🦦🌾
岡田康子役 米沢のぞみ