攻略、『さなコン3』!
日本SF作家クラブが主催する、一般公募による作品コンテスト『小さな小説(マンガ)コンテスト』。第3回の告知が始まりました。
私は昨冬に開催された、マンガ部門の『さなコン2』に10編ほど応募させていただきました。一次選考ですべて落とされましたが。その作品集をPixivに、シリーズとして残してあります。一次選考にすら残れませんでしたが。
延べ74頁も描いたんだから講評くらいは貰えるだろうと楽観視してましたが、現実は厳しかった。自分の作品に似たものも最終選考に残っているというのに、なぜ私の作品は敬遠されたのか?ひとしきり反省と考察を踏まえた後、こう考えることにしたのです。「自分とはジャンルが合わない」と。
もうさなコンへの応募はやめようと考えていました。しかし大型連休前のウキウキした気分のところへ第3回の告知を知り、お題だけでも見ておくかな~と、軽い気持ちで応募要綱を読んでしまいます。
さなコンのお題とは、冒頭または締めの言葉に定められた文章を入れるというもの。このお題に沿って、ストーリーを組み立てて小説ないしマンガ作品を仕上げる、というコンテストです。今回のお題はというと…
「チャンスは残り三回です」どこか楽しげに声は告げた。
うん。ワタクシの創作の神様も、特に語りかけてくる様子はない。マンガ部門の公募までに何か思いついたら描いてみるかー、でもきっと無理だなー、なにしろ『ジャンルが合わない』しー。てな感じで、公募のページをそっと閉じて終わらせる、つもりでした。その時までは。
連休前夜。その日は早々に床に就きました。早々といっても深夜2時くらいでしたが。その数時間後に電話で叩き起こされます、兄が倒れたと。慌てて実家へ戻りました。ぼんやりする頭をフル回転させて、葬儀の手配やら親戚への連絡やら、その日のうちになんとか段取りをつけました。
翌日もまた忙しいので、早い時間に就寝することに。いつも実家へ戻れば客間で寝ていたのですが、今夜は兄が使います。客間の隣は仏間になっていて、そこで線香番も兼ねて私が寝ることに。若いころならビビるシチュエーションですが、この年まで幽霊など見たこともない。幽霊なんて、実はいないんじゃないかとさえ疑っています。
でも、不思議な声や音は聞いたことがあったっけな。と、なかなか寝付けない床の中でぼんやり考えてました。
そこで閃いた。
幽霊の見えない主人公。
でも声は聞くことができる。
そして声を聞く、『チャンスは残り三回です』
創作の神様は、こうして舞い降りたのです。
『さなコン2』に話を戻します。応募の締め切りは12月15日。それから4か月を経て4月15日に審査発表。その間どんな審査が行われていたのか?10編もエントリーしていれば、何とはなくその様子が伝わりました。
審査が始まったのは、結果発表の半月くらい前。審査はある程度一般の閲覧が済んでから、人気順位の高い作品をピックアップしていたようです。私の投稿では、この作品が注目されていたようです。
それが終わった後、取りこぼしがないかひとつひとつ再確認している様子もありました。審査員のどなたか、まめな方がいらっしゃった様です。そして審査発表。ちょっと期待してただけにガックリでしたが。
受賞作品と比較してみると、以下のような傾向があったことが窺い知れました。
・エロはダメ、絶対。
・時節柄か、戦争ネタも嫌われていた。
・明るいラストが好まれた。(絶望系のお題だったのに)
・万人にも理解しやすい構成。(これは岡崎先生の講評から)
※ひとつエーゴで作品を描きましたが、第3回からハッキリNGと明記されることに。私のせいですスイマセン(汗
私の反省点は、こんな感じです。
※凝ったシチュエーションはむしろ好まれない。(わかりにくい)
※美麗なイラストレーションも、評価の対象ではない。(どうでもいい)
では何が審査員に刺さるのか? ずばり、
『女性受けするストーリー』
これに尽きると、私は考えました。
例えば、さなコン2の受賞作は、
『化けタヌキは眠らない』(小説部門)
『オヤスミ人類』(マンガ部門)
どちらも共通しているのが、ファンシーなキャラクターを使って明るくテンポよく作品を仕上げていること。特に『オヤスミ人類』の作者さん、もともとの画風ではなくデフォルメされた動物キャラを敢えて採用しています。
ここに『さなコン』攻略の糸口がある、と私は考えました。
こうして、兄の葬儀のさ中に、創作の神様のヒントをもとにした、攻略法に沿った作品が産声を上げたのです。小説だけど。きっと正常性バイアスってヤツだったんでしょうね。
キャプションの書き方は、noteの皆さんの文章を参考にさせていただきました。なにしろ小説なんて初めて書いたし。まぁ仕事で作文はいくつも作成しているのですが。「報告書」ってタイトルでw
好評ならマンガのほうもまたエントリーしようかな?まだ時間はたっぷりあるし。