日々のつれづれ(宇木)

写真はCinq fois plus de pimentの包子(パオズ)。

日々のつれづれ(宇木)

写真はCinq fois plus de pimentの包子(パオズ)。

最近の記事

音楽3. 冬にわかれて 「彷徨い」

Apple Musicのおすすめにでてきたのだが、冬にわかれての新しいアルバムについてまったく知らずにいた。『タンデム』というもので、もちろんいつもの通り素晴らしいアルバムだと思った。しかし、その最後の「彷徨い」にいっそう心打たれるものがあった。 金星のよこをすっと、通り過ぎた人工衛星に、君は見惚れて動かなかった。 端的に美しい歌詞だなと思った。天上のものと、この世のものが、ここでは響きあっている。 というか、単にじぶんがこういったものに心惹かれるだけなのかもしれない。

    • 音楽2. オヨヨ書房とGofish

      以前、金沢を訪れたとき、せせらぎ通りにあるオヨヨ書房という古本屋に立ち寄ったことがある。古い町屋をそのまま古本屋にしたような店なのだが、どんなに外が明るくても内部はほの暗く、堆積した古書の紙のにおいと時間が滞留していて、いまでも金沢の土地の感覚と色濃く結びついている。 そこでは寿岳文章としずの全集の一巻を安くで買った。芹沢銈介の手になる装丁は、茶色にくすんでいるが、木版によるおおらかな線の装飾が書店の雰囲気にとても似合っていた。(まだ内部は数ページしか読み進めていないという

      • 音楽 1. 寺尾紗穂「一羽が二羽に」

        冒頭がいまだに聞き取れない。「〜の背中」は確実に聞き取れるのだが、その肝心の前が聞き取れない。 「森」とも聞こえるけど、「森の背中」というのはおかしいし、「鳥居」ではないかというのがもっぱらの候補である。「鳥居の背中」というと、笠木の部分を言っているのではないか、という解釈は許してもらえそうだ。単純に「鳥」なのかな。もちろん、Apple Musicで聴かず、CDを購入すればいいのだが… ただ、とても美しい曲である。二羽の鳥をそのまま情景描写するのだけれど、そこにひとを重ね

        • パリのレストラン 2. ダヴィット・トゥッタン David Toutain (29 rue Sourcouf)

          僕がパリでいままでのところ一番印象に残った店、それがダヴィット・トゥッタンである。 トゥッタンもまた、パリのグルメ通りのひとつ、シュルクフ通りにある。この間紹介したル・ジョンティの目の前だ。もちろんこれまでにたくさんの日本人がここを訪れ、色々な記事を書いている。 トゥッタン氏はアルページュなどで働いたのち、アガペー・シュブスタンスのシェフを経て2014年にこの店をオープン。料理はとっても今風で、クラッシックなフレンチが好きな人にはすこし物足りなく感じるかもしれない。けれど

          パリのレストラン 1. ル・ジョンティ Le Gentil (26 rue Surcouf)

          満腹とは、いいものだ。 パリに来て三年が経ったが、ときには気の滅入ることもある。そういうとき、ひとを文字通り「満腹」にさせてくれるお店がある。 Le Gentil ール・ジョンティー はパリの中心部、アンヴァリットから西を南北に走るシュルクフ通りにあるお店。 一昨年の10月にオープンして、もう1年半近くになる。もともとブルゴーニュ地方ボーヌ(Beaune)にあるロワゾー・デ・ヴィーニュでスーシェフをされていた熊谷文敏シェフが、マダムとふたりで切り盛りされている。 シェ

          パリのレストラン 1. ル・ジョンティ Le Gentil (26 rue Surcouf)

          音楽 0. 奇妙礼太郎トラベルスイング「オー・シャンゼリゼ」

          NHKを見ていたら、京都の西陣を歩く番組をやっていた。着物の店や、鳥すき、おいしそうな豆腐屋など紹介されていたのだが、その番組のエンドロールでBGMに「オー・シャンゼリゼ」が使われていた。番組で取り上げられた店や人々が再度映し出されながら流れていたこの曲は、何度も聞いてきたもののはずなのに、なぜか耳にのこった。 日本語の詞だったが、ボーカルの声から奇妙礼太郎かと思い調べると、2014年のアルバムのなかにこのカバーが入っていた。 街を歩く 心軽く 誰かに会える この道で 素

          音楽 0. 奇妙礼太郎トラベルスイング「オー・シャンゼリゼ」