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転失気 てんしき 

母の自然現象の件

今年85歳になる母と百貨店のエレベーターに乗った。
母は壁側に背を向けて立ち、私はその母に向かって立っていた。
エレベーターは、6,7割埋まっていた。
そのエレベーター内で、母がかなり大きな破裂音で転失気を放った。

『えっっっ』
私はあまりの音量と、その音の性質に驚いてしまったのだが、
当の母は、涼しい顔で立っていた。
一度なら、無かった風に流すことを選択する関東人だと思うのだが、
その空気感の中を再び、破裂音が鳴り響き、二度目は途切れることが無く続いた。
しかも、一度目よりも大きい音で、裂けるような破裂音を。長く。

昔、ブーブ-クッションというのが流行ったことがあったが、さしずめあんな感じの音だった。

思い出しながら書いてみると笑えることかもしれないけれど、その場に居合わせた わたし は、どうしたら止められるのか?!
と、無理なことを考え焦っていた。


まぁ、母が自己嫌悪におちいられても困るのだけど、全く意に介さない母に
『凄いおならだったね。』とつたえたところ 
『出るものは仕方がない。』
『開き直りよ。』
なんて言い放ってたけど、
その実、耳が遠くなっている母には、周りにも聞こえていないのでは無いかと思って、ひっていたのかも。
と思ったりもした。

海外では、ゲップはNGで、おならはO・Kという説を聞いたことがある。
おならは、自然現象だからね。
それならば、母の腸の状態を心配した方が良いのかも?!

救われた気分になれたのはその後、間をおいてから、
『おならだね』
『おならだったね』
と、乗り合わせていた 恐らく障害をお持ちの親子が会話してくれたことだった。

ア-ユルヴェ-ダでは、ガスの発生を抑えることのできるスパイスがあるようなので、今度すすめてみようかと思う。


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