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#31 旨いお酒。天領盃酒造の雅楽代(うたしろ) ~瑞華~

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⛰️ 佐渡のお酒、天領盃酒造の雅楽代(うたしろ)


佐渡は新潟県は日本海に浮かぶ、その特徴的な形と昨年2024年に世界文化遺産に登録された金山で知られる島です。佐渡島は平安時代や鎌倉時代には京都から遠く海で隔てられているため流刑地となり、朝廷 vs. 鎌倉幕府の承久の乱で敗れた朝廷側の順徳天皇も流された場所です。

江戸時代には佐渡金山のため徳川幕府直轄地となり大いに栄えました。新潟県は今も当時も米どころ。潤沢な水と四季の寒暖差で美味しいお米ができる地の利を活かして日本酒造りも活発で、ピーク時にはこの小さな島の中に200もの酒造があったそうです。舌の肥えた江戸からの要人もてなしのため、お酒の味にも研鑽が積まれたことでしょう。

異色の蔵元がつくる日本酒

今回ご紹介したい雅楽代(うたしろ)を製造している天領盃酒造さんは、一時は赤字のため民事再生の憂き目に。その折に日本酒を造りたいと当時24歳の加登仙一さんがM&Aをされ、それからV字回復を経て今に至ります。

加登社長は千葉県出身で元々証券会社勤務。「革新は『若者、バカ者、よそ者』が起こす」といわれますが、まさにその事例だと思います(バカ者は本件余計ですけど)

加登社長についての記事はこちら


新しい価値をもたらすお酒

雅楽代(うたしろ)は、その名を佐渡に流された順徳天皇がいい和歌を読んでもらったお礼に渡した土地の名前「歌代(うたしろ)」に由来していて、佐渡発祥であることを込めつつ雅びな響き。その響きの通り、主張の少ないしめやかな味わい、そしてスッと通り抜けていくお米の甘い香りが小気味よいお酒です。白ワインっぽい日本酒もありますが、「雅楽代~瑞華~」は白ワインと日本酒の間のような。

Nitoryu/chocoで。鈍角側では香りが立ち、鋭角側ではスッキリな味わい

面白いなと思ったのは、開栓後の味の経時変化も見込んで造っているという点です。日本酒は一旦栓を開ければ風味が劣化していくイメージで、早く飲まなければという意識に駆られますが、このお酒は安心して翌日以降もゆっくりと付き合えます。

「雅楽代~瑞華~」を3日をかけていただきました。たしかに日を経るごとに変化という感じでおいしく感じました。和食にも洋食にも合います。

まだまだ試行錯誤の最中ということなので、毎年呑んで天領盃酒造さんの軌跡を感じながら楽しんでいきたいと思います。


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