自由人
能年ちゃんは、桃井かおりさんに似てる…
そう感じたことがあった。 連ドラ『あまちゃん』を視ていた頃だが… 。どこが似ていると感じたのかは思い出せないけど、その感覚は今でも否定はできない。
桃井かおりさんは、昔からテレビドラマ等でもよく拝見しているし、その強烈な個性は忘れない。
「アンニュイ 女優」で検索すると恐らく二十代のタレント・女優がズラリと出てくると思うけど、元祖アンニュイの桃井さんに敵う人はそうそういないと思う。
アンニュイとは…?
退屈さ、気だるさ、物憂さなどが綯い交ぜになった気分 『Weblo辞書より』
日本語に訳すとややネガティブな印象になるが、フランス語というところが「個人主義」や「自由思想」と呼応してか、オシャレな文化的な香りがする。
「退屈だ」とか「ダルいぜ」とかの感覚は誰でも持っているけど、それを表に出す人なのか、あるいはダルくなくても気だるそうに見えちゃうのか…?
「私だったら怒鳴っちゃうかも!」
と、気持ちをやさしく正直に出す桃井さんの個性…
これがアンニュイ派の根本にはあるような…
「私のやりたいようにやるから気にしないでよ」 と、独特のコンフォートゾーンを保って、奇をてらっているわけではなく、演出でもなく、動物で言えば『猫』のような自由きままさで、非常にセンスよく自分の空気感を纏っている。
桃井さんとのんちゃんの似ているところ…?共通点…?
そのキーワードは『自由』だと思う。
『おちをつけなんせ』の撮影に訪れた桃井さんに、緊張のあまり「吐きそう」と言いながらもピョンピョン嬉しそうに跳び跳ねるのんちゃん…
女優の先輩後輩ではなく、それぞれ個性豊かな世界観を持った二人の『自由人』が、お互いの引力によって再会した!… みたいな光景に見えた。
製作ドキュメンタリー『のんたれ』では、のんちゃんに対する桃井さんの容赦ないコメントも聴かれた。
「のんちゃんがのんちゃんを演じるのは、これが最後にして」
ファンとしても、その言葉の理屈は解釈できても消化不良のように引っ掛かっていたが、INNOVATION WORLD ERAを聴いて胸のつかえが取れたように感じた。
是枝監督のアドバイスでも、やや突き放されたような印象が残っていたが、「一人でやっちゃうんだったら、そんなもの(プロット)はいらないのよ」という桃井さんの言葉に、裏を返せば是枝監督と言ってることは同じ。
なるほどそういうことか、と遅ればせながら府に落ちた。 『自由人』の歯に衣着せない言葉だからこそ、前に進む力を与えてくれるのか…?
意気投合のあまり、PCモニターの向こう側(ロサンゼルス)にワープしてしまいそうなのんちゃん…
「ひとり」製作と言わず、桃井さんとのんちゃんの二人がかりだったら鬼に金棒、怖いものなしじゃないか?…
今は、『星ばあ』に注目!…ですね…