「清掃員」と名乗れる自信はないけれど…
マリノスやサッカー以外に「熱狂」できる"何か"に出会えたことが、かなりの期間なかったので、その気持ちがまだ胸に強くある内に、BiSHと触れた1年半を振り返り、記録に残しておきます。
BiSHとの出会い
元々彼女がBiSHが好きで、何度もオススメされていたんだけど、いまいちピンと来ていなかった。
解散のニュースも多分目には入っていたんだろうけど、気にも留まっていなかった。
そんな中、2022年1月 「だいにぐるーぷ」というYouTuberの鬼ごっこ企画をキッカケに、そこに出ていたアユニ・Dに、ふと惹かれ始めた。
そこから彼女に聞いたり、YouTubeでMVやラジオを観たりで、少しずつ人間性を知って、一回生で見てみたいなと思った。
アーティスト「BiSH」の衝撃
2022年5月 METROCK東京。
BiSHを観に、新木場の若洲公園へ向かった。
かなりの暑い日だった記憶があるが、なるべく前の方で見るために1時間ほど待って、ようやく出番がやってきた。
そして始まったパフォーマンス。
ヤバかった。衝撃が走った。超カッコよかった。
楽器を持って演奏をしたり、物凄い美声で歌っているわけではない。だけど、全員の表情と全身から溢れ出すエネルギーやオーラのようなものに、心を震わされた。
今まで女性アイドルを好きになったことはなかったし、他のロックバンドやアーティストも一挙一動を追うほど、のめり込んだことはなかった。ただ、このグループのことはもっと知りたいと素直に思った。
加えて周りのほとんどの人が振り付けを踊っていたのにも、度肝を抜かれた。
それも単純な手拍子とかではなく、独特なリズムで手を動かしたり、飛び跳ねたりしていた。
まさに「熱狂」の空間だった。
BiSHへの熱中
この日を境に、BiSHの情報を熱量持ってキャッチアップするようになった。
すると、当初はアユニ・Dにだけだった興味も、他のメンバーへ広がっていった。
1人ずつ書くと、話の主旨とズレそうだから割愛するが、1年かけ、順繰りに一人一人の個性に気づき、さらに熱中した。
METROCKの後は、ラブシャ、TOKYO ISLAND、BiSH RHYTHM LiVE、CDJ、viva la rockと、フェスを中心に現地へ足を運んだ。周りの清掃員についていけるよう、振り付けも少しずつ覚えていった。元来そこまで音楽イベントに行く趣味はないのだけど、こうやって振り返ってみると、BiSHを起点に、音楽の楽しみ方も広げてもらった気がする。
特に印象に残ってるのは、TOKYO ISLANDとCDJ。
TOKYO ISLANDは初の会場で雷が来ている中、BiSHが出てきたら、雨が止んだ。声出しOKだったので、会場のボルテージがMAX。「こんなに楽しいんだ!」とテンションが高まった。イベント自体が初で手探り状態なところもあったり、雨上がりの少しもやがかった独特な雰囲気も込みで、思い出に残ってる経験。
CDJはステージから見て右端の最前で見ることができたんだけど、途中モモコとアユニが来てくれるシーンがあって、あれはやばかったね。完全に目が合った。アイドルの追っかけになる人の気持ち、少しわかった気がする。笑
BiSH解散ライブ
「Bye-Bye Show」
そして、東京ドームでの解散ライブ。
チケット争いに何度も負け、ライブに行けないことが分かった時、正直気持ちがちょっと離れていた。
音楽番組のラスト出演などが流れてきても、あまり自分事な感じがしなかった。
多分僕はBiSHの生で伝わるエネルギーや、人間性に惹かれていた部分が強かったんだと思う。
ただ、YouTubeに流れてきた「拝啓 卒業後の自分へ」という動画で、BiSHが想いを吐露しているのを見て、引き戻された。
こんな想いで解散と向き合ってるのかと、胸を打たれた。
6月29日 18時ごろ。
少しでも雰囲気を味わおうと、僕は彼女と一緒に東京ドームに音漏れを聴きに行った。
比較的音が漏れている場所を見つけ、椅子に座った。会場内から漏れ出してくるのは、メンバーの小さな歌声と、清掃員の大きな歓声。
BiSHは最後に幸せな時間を過ごしているんだなと思ったけど、その雰囲気を肌で感じられない虚無さも同じくらい感じた。
なので、僕は現実から気を紛らすために、PCを開き、仕事をした。
かなり悔しさが溜まってたのか、めちゃくちゃ集中できた。笑
そうこうしている内に万雷の拍手が聞こえてきて、解散ライブが無事終わったことがわかった。
僕もほぼ同時に仕事を終えたので、PCを閉じ、帰路につこうと思ったが、いきなり大雨が降ってきて、濡れながら走って、なんとか駅にたどり着いた。
家に帰り、Twitterを開いたら、解散ライブの素敵な投稿でタイムラインが溢れていた。
急に「終わってしまったんだ」という実感が湧いてきた。
でも、全くと言っていいほど、悲壮感は抱かなかった。なんでだろうと考えると、もちろん解散日が随分前からわかっていたから、心の準備はできていたのもあると思うけど、1番はBiSHの写真がめちゃくちゃ楽しそうで、安心したのがあると思う。
この"安心"は、BiSHに対するものというよりかは、真っ直ぐに突っ走ってやり切った人が、ちゃんと、綺麗な形で、努力が報われたことに対する、「この世の中も悪くないな!」という感情かな。
(メッシがW杯優勝した時の感情にも近い)
「清掃員」と名乗れる自信はないけれど…
5万人の東京ドームが満員となり、万雷の拍手と喝采に囲まれて解散。
デビューから8年間応援してきた人、おそらく良いことばかりではなかっただろうし、本当に感慨深いだろうなと思う。
おめでとうございます、そしてお疲れ様でした。
僕は1年と少ししかBiSHを追いかけていないし、今でも「清掃員」と名乗れる自信はないけど、それでもBiSHに熱中し、熱狂できたこと、プライスレスな時間と経験だったなと思う。
マリノスにも通ずる部分があるけど、壁にぶつかり、みんなで正しく向き合い、乗り越え、それをピッチで/ステージで全力で表現する、そしてそれをサポーターは/清掃員は、魂込めて応援する、その感情が交換される場に触れることができるのは、自分の人生の中で、至高で大切にしたい瞬間であると、改めて思いました。
これからきっと、元BiSHの6人はそれぞれの道で全力で表現を続けるのだろうけど、僕も負けないように一生懸命頑張ります。
最後になりますが、BiSHというグループ、僕の心に強く刻まれました。この1年半で感じた心の震えと音楽、きっと忘れることはないと思います!
またどこかで!
#BiSHバイバイ