GMOで学ぶ有価証券報告書の読み方
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普段、私が有報のどこを見ているかを解説します。
有報が読めることによるメリットは、
①まだメディアでは騒がれていない重要事実に気づくことができる
②無機質な一次情報からいろんな推察ができる
点にあります!
新聞記事や雑誌のような二次情報ではなく、一次情報を元に取引先と会話できることで説得力が増します。
もっというと、調べている感が出ます。
更に言うと無機質な文章から色々想像を膨らませることができると身を乗り出して聞いてくれます。
つまり、相手からはカッコよく見えます。
ということに尽きます。
それでは実際どこを見ればよいのか、解説していきます。
①【関連当事者との取引】
一言で言うと…
「社長とか、大株主とかが、その地位を利用して、会社と取引してへんか?一切するなとは言わへんけど、してるならしてるで、ちゃんと開示してや。株主と利益相反になるような取引はあかんで」
ということが書いてあります。
例を見てみましょう。
こちらはGMOインターネットの有報です。
熊谷正寿事務所という、
”役員が議決権の過半数を所有している会社”があります。
要は「資産管理会社だよ」ってことですね。
では、右側に目を移し
「関連当事者との関係」の欄に”資産の貸借”とありますね。
これは、
「GMOインターネットが熊谷正寿事務所からナニカを借りてますよ~」
ってことですね。
次に「取引の内容」の欄には
”航空機及び船舶の利用料”
とありますね。
先ほど「GMOが借りてるよ~」と書きましたが、
「飛行機とか船とか借りて、そのレンタル代をGMOが払ってるよ~」
ということですね。
じゃ、その金額は?というと
「3.7億円ですよ~」
と記載があります。
以上のように上場企業の場合は、大株主&役員と会社間の取引があった場合には開示しなければなりません。
で、
「オーナー社長の資産管理会社で持ってる飛行機の利用料、会社が払っても問題ないの?」
という疑問を持たれた方もいるかと思いますが、
(注)1を見ると
"航空機及び船舶の利用料については、他社のサービス内容及び価格を勘案し取引条件を設定しており、社内の適切なプロセスにより決定した金額の範囲内で運用しております"
という記載がありますので、問題ありません。
社内、社外取締役、監査法人の確認もクリアしてうえでの提出になっております。
過去、アクティビストファンドのオアシス・マネジメントから指摘があった際も、このように回答しており、利用料・燃費共に適正に処理を行っているとのことです。
少し話はそれますが、
そういえば、2016年には熊谷正寿事務所が67%保有する
”(株)ワイン屋さん”から9,100万円分のお酒を購入してますね。
これに関しては、
福利厚生費、接待交際費、人件費とのことです。
②【大株主の状況】
そのまままです。大株主がわかります。
自己株を除いた株主トップ10が記載されています。
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