株式会社のトリセツ~はじめに~
※飽くまで一般的トリセツです。皆様の個別事案に対応しうるものではありません。※
札幌で司法書士をしている者です。
商業法人登記を得意としておりまして、「会社経営者だけど、法律の事はよくわからないな~」と思っている方に、なんとなく、ここが勘所か!と思ってほしく、かみ砕きつつ書いていこうかなと思っています。
さて、司法書士が生み出す会社法人登記の最大の成果品、登記事項証明書。
登記事項証明書は会社の身分証明書です。
登記事項証明書を書き換えるには、法にのっとった手続きをしたことを法務局(登記所)に提出し、「書面」に問題がなければ書き換えられます。
2020年、設立登記された株式会社は、85,688件、解散登記をした株式会社は17,794件、会社の継続登記は2、431件。登記事項の更正は4,415件。本店所在地でされた登記件数は全国で983,704件(政府統計より)。
さて、昨年出された登記のうち、「書面上は問題がない」登記は983,704件。そのうち、「会社代表者及び代理人が法律を理解し、ちゃんとした法的根拠を述べれるもの」は何件あったのでしょうか。
登記手続きは、飽くまで書面主義。当事者に出頭を求めて事情を聞いたり、本当にそこに会社があるのか、代表者は健在か、などは確認しません。
だからこそ、法的に問題のない書類を確信をもって出さなければ、後々、問題が生じることがあります。
そして、登記が終わった後、適法に株式会社を運営していっているのかどうか。
その責任は、誰が負うのか。
役員です。
役員は経営責任を負うのはもちろん、法的責任も負うのです。
「会社法や商業登記法を遵守する」という責任です。
株式会社を経営していくうえで、最低限知っておいたらいいと思う会社法(基盤)の事、登記法の事を書いていこうと思います。
私は、洗濯機の設置も、自転車のメンテナンスも、携帯電話の修理も、専門家に任せています。仕事も子育ても趣味も忙しい、会社法の色々な事例についての考察についても時間が欲しい、と思っていますし、専門家に頼むと何より「あれで大丈夫なのか?」というストレスがない。
専門家に頼むということは、報酬は発生しても「時間と安心を買う」ものである、ということだと思っています。
法律に頭を抱えることなく、本業に割く時間を買える方法がある、ということを頭の片隅に置いておいて欲しいと思います。
会社は法律に基づくもの、法が法を守らないものに牙をむく前に、牙をむかれないように、取扱方を知っておきましょう。
※毎回しつこいほど冒頭に注釈を入れますが、飽くまで、私自身の知識や経験に基づいて書いたものです。「ネットでこういうのを見た」と、六法や複数人が関わった書籍にあたることなく、確認のために、法務局や法務省、特に手続きもないのに士業の方に聞くのは、切におやめください。
※コメント欄での「うちの会社の場合は~」「一般的にはどうなんですか?」の相談はお断りいたします。うちの商品です。
特に、一般的には、の話ならご自身でお調べくださいませ。